【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、個人消費の持ち直しや設備投資及び企業収益の改善が見られ、総じて緩やかな回復の動きとなりました。海外では、世界的な金融引き締めによる金融資本市場の変動や中国における不動産市場の停滞による中国経済減速の影響もあり、先行き不透明な状況が続いているものの、米国経済は良好な雇用情勢と賃金上昇により堅調に推移し、総じて持ち直しの動きとなりました。産業別では、国内建材市場は住宅着工件数・非住宅着工件数共に前年同期比で減少し、回復傾向が見られた当第2四半期連結累計期間の前半と比較し、低調な推移が見られました。自動車市場は半導体を起因とした部品供給問題等による生産制約の解消が進み、販売台数が増加しました。このような環境の中、当社グループは中期経営計画「Challenge Now for Change New 2024 変革への挑戦」の2年目として、「グローバル経営の深化とシナジー」「顧客の期待の先を行く」「新規事業/新製品への挑戦」「環境/社会課題解決への貢献」の4つの戦略の具体的な取り組みを行ってまいりました。
その結果、売上高は61,397百万円(前年同四半期連結累計期間比(以下「前年同期比」)3.1%増)、営業利益は3,621百万円(前年同期比3.5%増)、経常利益は4,202百万円(前年同期比4.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,507百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、各報告セグメントの名称、略称、対象とする主要な市場は、以下のとおりであります。
・トランスポーテーション(Transportation)[TR]… 自動車、鉄道、船舶市場等・デイリーライフ&ヘルスケア(Daily Life & Healthcare)[DH]… 医療、生活資材、食品包材市場等・エレクトロニクス(Electronics)[EL]… エネルギー、情報通信、IT機器市場等・ビルディング&コンストラクション(Building & Construction)[BC]… 住宅、ビル、建築資材、土木市場等 (注)[ ]は、報告セグメントの略称
<トランスポーテーション>国内では、自動車市場が回復し、同市場へのエラストマーコンパウンドの販売が増加し、増収となりました。海外では、中国市場における日系自動車の生産が減少し、減収となりました。セグメント利益につきましては、中国の日系自動車生産低下に伴う販売の減少が影響し、減益となりました。その結果、売上高は18,529百万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益は1,352百万円(前年同期比21.7%減)となりました。
<デイリーライフ&ヘルスケア>国内では、外食市場の回復により小巻ラップ製品の販売が好調に推移し、増収となりました。海外では、タイ国及び米国での生活資材市場向け塩ビコンパウンドの販売が減少し、減収となりました。セグメント利益につきましては、タイ国及び米国での生活資材市場向け塩ビコンパウンドの販売が減少したものの、小巻ラップ製品の販売が増加したことにより、増益となりました。その結果、売上高は16,984百万円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益は1,205百万円(前年同期比142.6%増)となりました。
<エレクトロニクス>国内では、市場の減速により半導体及び電力・産業電線市場向け塩ビコンパウンドの販売が減少したものの、半導体市場向けダイシングフィルム等の機能性フィルムの新規拡販が進み、増収となりました。海外では、ASEANでの塩ビコンパウンドの販売が増加したものの、米国及び中国市場での塩ビコンパウンドの販売が減少し、減収となりました。セグメント利益につきましては、機能性フィルムの拡販が進んだものの、国内市場及び米国・中国市場での販売減少の影響により、減益となりました。その結果、売上高は12,246百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益は497百万円(前年同期比8.3%減)となりました。
<ビルディング&コンストラクション>国内では、非住宅市場向けフィルム及び、政府の「住宅省エネ2023キャンペーン」による樹脂サッシ用塩ビコンパウンドの販売が増加し、増収となりました。海外では、米国及びタイ国での建材市場向け塩ビコンパウンドの販売が減少、米国でのフィルムの販売が減少し、減収となりました。セグメント利益につきましては、主に米国での販売減少の影響により、減益となりました。その結果、売上高は13,614百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は537百万円(前年同期比19.5%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は117,236百万円(前連結会計年度末比5,233百万円増加)となりました。これは主に売掛金等の売上債権、有形固定資産、投資有価証券が増加したこと等によります。負債合計は40,816百万円(前連結会計年度末比978百万円増加)となりました。これは主に繰延税金負債、短期借入金が増加したこと等によります。純資産は76,419百万円(前連結会計年度末比4,254百万円増加)となりました。これは主に利益剰余金と為替換算調整勘定が増加したこと等によります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により増加した資金は3,099百万円(前年同四半期連結累計期間(以下「前年同期」)は4,491百万円の増加)、投資活動により減少した資金は2,435百万円(前年同期は1,685百万円の減少)、財務活動により減少した資金は2,114百万円(前年同期は712百万円の減少)等により984百万円減少し、22,470百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により増加した資金は、前年同期に比べ1,392百万円減少し、3,099百万円でした。その主な内容は、税金等調整前四半期純利益4,192百万円、減価償却費1,822百万円、棚卸資産の減少178百万円等による資金の増加及び売上債権の増加1,593百万円、仕入債務の減少1,285百万円等による資金の減少であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により減少した資金は、前年同期に比べ749百万円増加し、2,435百万円でした。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出2,372百万円、無形固定資産の取得による支出105百万円、投資有価証券の売却による収入9百万円等であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により減少した資金は2,114百万円(前年同期は712百万円の減少)でした。その主な内容は、長期借入金の返済による支出282百万円や配当金の支払額(非支配株主への配当を含む)1,930百万円等による資金の減少であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。依然不透明な経済環境のもと、引続き効率的な生産体制の構築と固定費の削減等、収益確保に向け継続して取組んでまいります。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、925百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。