【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2022年8月1日から10月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症における各種制限の段階的緩和により社会経済活動に回復の動きが見受けられました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や原油価格高騰に伴う物価の上昇、急激な円安などにより先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループの当第1四半期連結累計期間(グリーンシーズン)の状況は、新型コロナウイルス蔓延後初めての行動制限のない夏を迎え、繁忙期となるお盆期間も各リゾートともに多数のお客様にご利用を頂きました。9月は連休に台風の上陸が相次いだものの観光需要は高い水準が維持され、また、10月は全国旅行支援の効果が週末だけでなく平日の来場者数の押し上げにも寄与したこと等により、当第1四半期のグループ全施設の来場者数は32万人と過去最高を達成することができました。
各施設の取り組みとして、川場リゾートでは道の駅川場田園プラザ内に大型遊具施設である空と風のネットアスレチック「HANETTA(ハネッタ)」を当グリーンシーズンよりオープンし、道の駅に来場した観光客や近県の学校団体等の利用があり、併設するおにぎり店「かわばんち」も過去最高の売上高を達成しました。また、前年より運営を強化している宿泊事業については、竜王マウンテンパークが運営する長野県内最大級のグランピングパーク「ソラグランピングリゾート」を拡充の上リニューアルオープンし、また、めいほう高原開発の運営する「GRACE BALM(グラース バルム)」も内装デザインの変更等による単価向上もあり、ともに堅調に推移いたしました。
ゴンドラを保有する施設について、HAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾートでは、今春にグランドオープンした「白馬ヒトトキノモリ」を人気アウトドアブランドの「CHUMS」がジャックするイベントを開催し、HAKUBA VALLEY国際山岳リゾート白馬八方尾根では標高1400mから打ち上げる日本一標高の高い天空花火イベント「うさぎ平ナイトフェスタ」を開催するなど、TVやSNSをはじめとするメディアへの露出や広告宣伝を強化し、ともに来場者数は前年を上回る結果となりました。
これらにより、連結業績について売上高は1,011,476千円(前年同期比38.1%増)となり、営業損失は118,881千円(前年同期は274,208千円の営業損失)、経常損失は117,913千円(前年同期は272,398千円の経常損失)となりました。また、法人税等調整額△98,076千円計上後の親会社株主に帰属する四半期純損失は35,827千円(前年同期は206,116千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間の施設別来場者数は以下の通りです。
索道を稼働した施設における来場者数
(単位:千人)
施設名
2021年
10月末累計
2022年
10月末累計
前年同期比
HAKUBA VALLEY国際山岳リゾート白馬八方尾根
46
60
128.6%
HAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾート
74
111
150.5%
HAKUBA VALLEY栂池高原
36
46
127.9%
竜王マウンテンパーク
32
38
115.8%
計
189
255
134.8%
その他の施設における来場者数
(単位:千人)
施設名
2021年
10月末累計
2022年
10月末累計
前年同期比
㈱鹿島槍
1
1
91.6%
川場リゾート㈱
26
51
193.8%
めいほう高原開発㈱
18
18
94.9%
計
46
70
150.8%
(注)1.索道を稼働した施設における来場者数については、主にリフト券の販売数に基づいて記載しております。
2.その他の施設における来場者数は以下の合計となります。
㈱鹿島槍:鹿島槍スポーツヴィレッジの来場者数
川場リゾート㈱:スケートボードパーク施設の来場者数、HANETTAの来場者数、おにぎり店の来場者数(レジ通過者数)
めいほう高原開発㈱:キャンプ施設、ASOBOTの来場者数及びおにぎり店の来場者数(レジ通過者数)
ウィンターシーズンに向けた施策
これまで当社グループはウィンターシーズンの取り組みとして、暖冬小雪の中でも営業期間を確保するための降雪機投資、差別化戦略として、利便性向上のための自動ゲートシステムの導入やサイドカントリーコース等非圧雪エリアの展開、また、日本のパウダースノーを求めるインバウンドに対する取り組み等を継続してまいりました。
当社グループは新型コロナウイルスの世界的な蔓延以降、海外からの入国制限によりインバウンドが見込まれず、また、少子高齢化によりマーケット規模が縮小する状況にあるため、国内の来場者数増加に向けて、キッズや新たなチャネルであるノンスキーヤー向けの取り組みを重点的に行い、スノーリゾートに来場されるお客様数の長期的な拡大を図る取り組みを行ってまいりました。具体的には、「NSDキッズプログラム」によるキッズ会員の獲得や、鹿島槍スキー場での「冬のテーマパーク化」によるノンスキーヤーの来場者数の増加など一定の成果が出始めており、今シーズンもプログラム内容の充実や、ノンスキーヤーの来場者の増加に係る取り組みの成功事例をグループ横展開し、今後減少が見込まれる国内マーケットに対応してまいります。
また、断続的な暖冬小雪や新型コロナウイルスの蔓延をきっかけに、多数の国内スキー場の経営環境が厳しくなる中、当社グループへの支援要請が増加しております。そのため、当社グループのノウハウを積極的に活用し経営支援する「NSDアライアンス」を展開し、昨年よりみやぎ蔵王えぼしリゾート及びオグナほたかスキー場がアライアンスに加入し、これらのスキー場においては来場者数の増加や客単価向上、コストの適正化等、アライアンスの効果が見られております。これらの他、今シーズンよりびわ湖バレイ及び石打丸山スキー場が「NSDキッズプログラム」に参加し、同プログラムの対象スキー場が10カ所まで増加しました。今後も参加スキー場を拡大させ、大自然の雪山で非日常体験を楽しみ、ウィンタースポーツに参加するお子様を増やしていく予定であります。引き続き当社グループの強みを活かした営業支援やコンサルティングを他スキー場に対しても進め、スノー業界の活性化に努めてまいります。
安全への取り組みについても重点を置いて進めております。お客様の安全な輸送のため、計画に基づき索道設備や降雪機器のメンテナンスや更新・新規導入を順次進めております。また、労働災害の撲滅と快適な職場環境の形成を図るため、グループ内の人材交流による技術や営業ノウハウの共有のほか、グループ共通の労働安全衛生システムを導入し、安全目標の設定や安全な作業手順等を共通ルールのもと運用しております。なお、同システムの運用については、適正な運用と安全基準を担保するため、定期的なシステム監査及びグループ安全会議等を実施し、更なる安全性の向上に向けて連携を強化してまいります。
その他、当社グループのHAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾートにおいては、2024年12月に索道施設(ゴンドラリフト)のリニューアルを行うことを決定しております。当社グループのスキーリゾートは気候変動やニーズ、マーケットの変化等様々な外部環境を踏まえ、今後も将来に向けて、索道施設を含めたスキーリゾートの最適なリニューアルプランを策定し、地域の協力とともに実現に向けて取り組んでまいる所存でございます。
②財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて316,821円減少し6,878,535千円となりました。主な要因は、現金及び預金が605,130千円減少したこと、流動資産その他に含まれる未収入金が58,731千円増加したこと、有形固定資産が145,295千円増加したこと、繰延税金資産が98,076千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比べて113,641千円減少し2,017,562千円となりました。主な要因は、短期借入金の借入により100,000千円増加したこと、流動負債その他に含まれる未払金が68,795千円減少したこと、未払消費税等が73,273千円減少したこと、未払法人税等が66,646千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べて203,179千円減少し4,860,973千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純損失計上に伴い利益剰余金が35,827千円減少したこと、配当金の支払いにより利益剰余金が106,148千円減少したこと等によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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