【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い停滞していた経済活動の持ち直しの動きが見られたものの、原燃料価格の高止まりや、世界的な金融引き締めに伴う景気の下振れ懸念などにより、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)および新中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)を推進し、企業価値の向上に向けた諸施策に全力で取り組んでおります。
①財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産が81億9千8百万円減少したものの、棚卸資産が84億3千4百万円増加したことや、持分法による投資利益を計上したことなどにより投資有価証券が79億5千3百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ118億7千1百万円増加し、2,632億2千2百万円となりました。
負債につきましては、賞与引当金が46億9千万円減少したものの、長期借入金が51億3千7百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ6億1千1百万円増加し、810億2百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ112億5千9百万円増加し、1,822億1千9百万円となりました。この結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は68.6%となりました。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間は、原燃料価格の大幅な上昇を踏まえて、販売価格の改定を実施したものの、ケミカルマテリアルやアグリビジネスなどにおいて販売が減少したことにより、売上高は689億2百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は64億5千8百万円(前年同期比28.0%減)となりました。
経常利益は、持分法による投資利益が減少したことなどにより、92億9千2百万円(前年同期比33.5%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益を計上したことなどにより、75億4千万円(前年同期比15.2%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
[ケミカルマテリアル]
連結子会社であったAlkaline S.A.S.が全株式の譲渡に伴い連結除外となったことにより、売上高が減少しました。また、原燃料価格の大幅な上昇に伴う販売価格の改定を前年度より継続して実施しました。
この結果、当累計期間の売上高は174億6千2百万円(前年同期比27.1%減)、営業利益は23億2千4百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
工業薬品は、青化ソーダやカセイソーダが増加したものの、構造改革の実施によりカセイカリや炭酸カリなどの販売を終了したこと、また塩化燐が減少したことなどにより、減収となりました。
化成品は、二次電池材料が増加したものの、特殊イソシアネートや感熱紙用顕色剤が減少したことなどにより、減収となりました。
機能材料は、樹脂添加剤「NISSO-PB」やKrFフォトレジスト材料「VPポリマー」が減少したことにより、減収となりました。
エコケア製品は、構造改革の実施により水処理剤「日曹ハイクロン」が減少したものの、重金属固定剤「ハイジオン」が増加したことなどにより、増収となりました。
医薬品・工業用殺菌剤は、医薬品添加剤「NISSO HPC」が堅調に推移しましたが、工業用殺菌剤が減少したことなどにより、前年同期並みとなりました。
[アグリビジネス]
前年上半期において、世界的な海上輸送の混乱や、販売価格の上昇を想定した前倒し出荷が発生した影響により、当年上半期の殺虫剤・殺ダニ剤や殺菌剤の輸出向けが減少しました。
この結果、当累計期間の売上高は200億7千6百万円(前年同期比20.7%減)、営業利益は26億1千6百万円(前年同期比38.4%減)となりました。
殺菌剤は、「ピシロック」の輸出向けや「ミギワ」が増加したものの、「トップジンM」・「パンチョ」の輸出向けが減少したことなどにより、減収となりました。
殺虫剤・殺ダニ剤は、殺ダニ剤「ダニオーテ」の輸出向けが増加したものの、殺虫剤「モスピラン」・「ロムダン」や殺ダニ剤「ニッソラン」の輸出向けが減少したことなどにより、減収となりました。
除草剤は減収となりました。
[トレーディング&ロジスティクス]
各種無機薬品の販売が増加したものの、各種有機薬品・ウレタン原料の販売や、運送業が減少したことなどにより、当累計期間の売上高は201億9千8百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益は11億1千2百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
[エンジニアリング]
プラント建設工事が堅調に推移し、当累計期間の売上高は72億4百万円(前年同期比37.6%増)、営業利益は3億5千7百万円(前年同期比26.8%減)となりました。
[エコソリューション]
亜鉛建値下落の影響を受けて非鉄金属事業が減少したことにより、当累計期間の売上高は39億6千万円(前年同期比11.6%減)、営業損失は8千8百万円(前年同期は4億3千2百万円の営業利益)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ31億9千1百万円増加し、216億7千6百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、43億9千1百万円の収入(前年同期は82億7千3百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前四半期純利益103億6千8百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益6億1千2百万円を含む)に加え、売上債権の減少による収入95億9千1百万円や棚卸資産の増加による支出80億5千1百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、25億2千8百万円の支出(前年同期は55億9千4百万円の支出)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出40億8千7百万円や投資有価証券の売却による収入20億6千3百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、6億2千3百万円の収入(前年同期は37億7千8百万円の支出)となりました。これは主として長期借入れによる収入70億円や配当金の支払額41億6千8百万円などによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、27億7百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。