【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い停滞している経済活動の持ち直しの動きが見られたものの、世界的な海上輸送の混乱や原燃料価格の上昇、および地政学リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)および中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)を推進し、企業価値の向上に向けた諸施策に全力で取り組んでおります。
①財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したものの、棚卸資産の増加や、持分法による投資利益を計上したことなどによる投資有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ66億4百万円増加し、2,521億9千万円となりました。
負債につきましては、賞与引当金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ30億6千9百万円減少し、842億1千8百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ96億7千4百万円増加し、1,679億7千2百万円となりました。この結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は65.6%となりました。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間は、原燃料価格の大幅な上昇の影響を受けたものの、農業化学品事業や化学品事業、および商社事業などにおいて販売が増加したことや、販売価格の修正を実施したこと、および原燃料価格の上昇による在庫評価益を計上したことなどにより、売上高は807億4千2百万円(前年同期比25.3%増)、営業利益は89億7千5百万円(前年同期比157.3%増)となりました。
経常利益は、持分法による投資利益が増加するとともに、為替レートが前年度よりも円安に推移したことなどにより、139億7千3百万円(前年同期比180.8%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、88億8千9百万円(前年同期比182.6%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
[化学品事業]
カセイカリおよび周辺事業の構造改革の実施により、工業薬品やエコケア製品の販売が減少したものの、原燃料価格の大幅な上昇に伴う販売価格の修正や需要の拡大により、医薬品・工業用殺菌剤や化成品、および機能材料の販売が増加しました。
この結果、当累計期間の売上高は233億5千万円(前年同期比18.7%増)、営業利益は23億9千2百万円(前年同期比63.8%増)となりました。
工業薬品は、販売価格の修正により塩化燐やカセイソーダが増加したものの、構造改革の実施によりカセイカリや炭酸カリが減少したこと、また青化ソーダの輸出向けが減少したことなどにより、減収となりました。
化成品は、二次電池材料や感熱紙用顕色剤が増加したことにより、増収となりました。
機能材料は、KrFフォトレジスト材料「VPポリマー」が伸長したことにより、増収となりました。
エコケア製品は、水処理剤「日曹ハイクロン」の輸出向けが減少したことにより、減収となりました。
医薬品・工業用殺菌剤は、医薬品添加剤「NISSO HPC」や医薬品原体が伸長したことにより、増収となりました。
[農業化学品事業]
世界的な海上輸送の混乱や今後の販売価格の上昇を想定した前倒し需要が発生するとともに、病害の発生拡大を見越した引き取りの増加により、殺虫剤・殺ダニ剤や殺菌剤の輸出向けが伸長しました。
この結果、当累計期間の売上高は253億1千1百万円(前年同期比43.7%増)、営業利益は42億4千8百万円(前年同期比3,338.0%増)となりました。
殺菌剤は、「トップジンM」や「パンチョ」、および「ピシロック」の輸出向けが伸長したことにより、増収となりました。
殺虫剤・殺ダニ剤は、殺虫剤「モスピラン」や殺ダニ剤「ニッソラン」「ダニオーテ」の輸出向けが伸長したことにより、増収となりました。
除草剤は、「ナブ」の輸出向けが増加したことにより、増収となりました。
[商社事業]
各種有機・無機薬品の増加により、当累計期間の売上高は195億7千4百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は7億8千6百万円(前年同期比34.6%増)となりました。
[運輸倉庫事業]
運送業は減少したものの、倉庫業が堅調に推移したことなどにより、当累計期間の売上高は21億7千8百万円(前年同期並み)、営業利益は3億7千7百万円(前年同期比11.8%増)となりました。
[建設事業]
プラント建設工事が増加したものの、工事進行基準に伴う調整により、当累計期間の売上高は52億3千6百万円(前年同期比84.9%増)、営業利益は4億8千8百万円(前年同期比11.3%減)となりました。
[その他]
当累計期間の売上高は50億9千1百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益は4億2千1百万円(前年同期比20.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2億7千1百万円減少し、176億2千7百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、82億7千3百万円の収入(前年同期は118億8千6百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前四半期純利益127億7千3百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益27億8千3百万円を含む)に加え、売上債権の減少による収入114億9千1百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、55億9千4百万円の支出(前年同期は47億4千9百万円の支出)となり
ました。これは主として有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、37億7千8百万円の支出(前年同期は36億9千万円の支出)となりました。これは主として配当金の支払によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、27億8千3百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。