【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態および経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におきましては、進化と拡大を続けるグローバル市場に対応するため、デジタル販売の強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、安定的、持続的な成長を確固たるものとするため、経営上の優先課題である人材投資戦略について、人事関連組織の再編や最高人事責任者(CHO)の新設、報酬制度の改定などの具体的な施策を実施し、企業価値の向上を図ってまいりました。このような経営方針のもと、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルでの販売本数の増加を図り、当社コンテンツの価値向上に注力しました。これにより、当第3四半期連結累計期間におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、2,910万本と前年同期2,580万本を上回りました。さらに、これらの主力コンテンツと映像やライセンス商品、eスポーツとの連携を強化し、IPの持つブランド力の更なる向上を図りました。また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業における当社人気IP活用等による販売拡大など、収益の向上に努めました。この結果、前年同期の新作大型タイトル販売による反動減となったものの、リピートタイトルの販売本数が継続的な販売強化により2,200万本と前年同期1,820万本を上回り、当第3四半期連結累計期間の売上高は796億71百万円(前年同期比9.6%減)、営業利益は333億32百万円(前年同期比5.0%減)、経常利益は335億64百万円(前年同期比7.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は236億10百万円(前年同期比11.6%減)となりました。引き続き、第4四半期における新規タイトル販売などの施策により、今期の計画達成に向けて傾注してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。① デジタルコンテンツ事業当事業におきましては、2021年3月に発売した『モンスターハンターライズ』の超大型有料拡張コンテンツ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、パソコン用)を昨年6月に発売し、より軽快に進化したアクションや個性あふれるモンスターとフィールドの登場等により、グローバルで高い評価を得るとともに、無料タイトルアップデート等の継続した施策により安定した人気を集めました。その結果、495万本を販売し業績に大きく貢献しました。加えて、『モンスターハンターライズ』も、『モンスターハンターライズ:サンブレイク』とのセット版の投入や価格施策を講じ、続伸しました。さらに、リピートタイトルにおいては、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得に加え、新作の継続的な投入およびセール販売との相乗効果により、『モンスターハンター:ワールド』や『デビル メイ クライ 5』、『バイオハザード ヴィレッジ』など、シリーズタイトルを中心として販売が拡大し収益を押し上げました。この結果、前年同期において新作大型タイトルを販売したことによる反動減となったものの、リピートタイトルの継続的な販売強化により、売上高は612億42百万円(前年同期比13.1%減)、営業利益は346億19百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
② アミューズメント施設事業当事業におきましては、昨年3月のまん延防止等重点措置の全面解除による来店客数の回復に加え、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図り、前年同期比で増収増益となりました。当第3四半期連結累計期間において、4月にスポーツとエンターテインメントを融合した体験型アミューズメント施設の「クレイジーバネット イオンモール常滑店」(愛知県)をオープンしたほか、10月にクレイジーバネットをはじめとした総合アミューズメント施設の「MIRAINO イオンモール土岐店」(岐阜県)を出店しました。また、11月に当社人気キャラクターグッズの物販店にカフェを併設した「カプコンストア&カフェ ウメダ」(大阪府)と12月にカプセルトイ専門店の「カプセルラボ なんばウォーク店」(大阪府)をオープンしました。これにより、合計4店舗を出店するとともに、9月に1店舗を閉鎖しましたので、施設数は45店舗となっております。この結果、売上高は113億57百万円(前年同期比26.3%増)、営業利益は10億13百万円(前年同期比141.6%増)となりました。
③ アミューズメント機器事業当事業におきましては、厳しい市場環境の中、昨年8月発売の『新鬼武者2』が15千台となったほか、9月発売の『バイオハザードRE:2』も15千台となり、両機種が収益に大きく貢献するとともに、市場から高評価を獲得し好調に稼働しました。また、今後の収益拡大を図るため、市場動向を見据えた施策を推し進めてまいりました。この結果、取引形態の多様化を図ったことなどにより、売上高は36億99百万円(前年同期比25.1%減)、営業利益は20億68百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
④ その他事業その他事業につきましては、当社タイトルのブランド価値向上に向け、引き続き主力IPを活用した映像化を推進するとともに、新規タイトルや人気タイトルのキャラクターグッズ展開などに注力しました。一方、eスポーツにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を推し進め、世界各地で開催するオンライン大会「CAPCOM Pro Tour 2022」を昨年5月から開始し、7月から同大会の新カテゴリー「ワールドウォリアー」を追加するなど、開催地域と参加者の多様化施策を講じました。また、9月から国内でのチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022」を実施したほか、10月から北米・欧州においても同チームリーグ戦を実施するなど、各大会の振興を図るとともに、今年6月発売予定の『ストリートファイター6』のプロモーション展開を推進しました。この結果、映像およびeスポーツにかかる先行投資により、売上高は33億71百万円(前年同期比10.8%減)、営業利益は12億19百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ16億46百万円減少し、1,857億19百万円となりました。主な増加は、「ゲームソフト仕掛品」88億82百万円、リース資産の増加等により「有形固定資産その他(純額)」23億96百万円、「仕掛品」10億15百万円、「売掛金」7億99百万円および繰延税金資産の増加等により「投資その他の資産その他」5億61百万円であり、主な減少は、「現金及び預金」157億26百万円によるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ28億85百万円減少し、380億4百万円となりました。主な増加は、「株式給付引当金」7億69百万円、「電子記録債務」6億90百万円および「短期借入金」3億40百万円であり、主な減少は、「繰延収益」51億3百万円によるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ12億39百万円増加し、1,477億15百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」236億10百万円および「為替換算調整勘定」20億89百万円であり、主な減少は、公開買付け等による「自己株式の取得」136億45百万円および「剰余金の配当」108億79百万円によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ166億69百万円減少し、789億66百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、94億55百万円の収入(前年同期は414億61百万円の収入)となりました。資金の主な増加は、「税金等調整前四半期純利益」335億51百万円(同361億42百万円)によるものであり、主な減少は、「法人税等の支払額」104億75百万円(同111億57百万円)、「ゲームソフト仕掛品の増加額」88億86百万円(同17億1百万円の増加額)および「繰延収益の減少額」53億57百万円(同15億95百万円の増加額)によるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、27億86百万円の支出(前年同期は67億24百万円の支出)となりました。資金の主な増加は、「定期預金の払戻による収入」214億60百万円(同145億29百万円)によるものであり、主な減少は、「定期預金の預入による支出」213億21百万円(同178億46百万円)、「有形固定資産の取得による支出」24億79百万円(同26億2百万円)および「無形固定資産の取得による支出」2億59百万円(同8億74百万円)によるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、252億33百万円の支出(前年同期は95億37百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「自己株式の取得による支出」136億45百万円(同1百万円)および「配当金の支払額」108億73百万円(同87億49百万円)によるものであります。
なお、当第3四半期連結累計期間における資本の財源および資金の流動性の重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当第3四半期連結累計期間において重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第3四半期連結累計期間において重要な変更および新たに定めた基本方針はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、271億44百万円であります。また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更はありません。
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