【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行し、経済社会活動を後押しする形になりました。一方エネルギー価格や原材料価格の高騰に加え、円安の継続やロシア・ウクライナ情勢に起因する景気への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。印刷業界においては、デジタルメディアの拡大とともに従来型の紙媒体の需要が減少傾向にあります。その一方で、印刷EC業界はまだまだ潜在需要が大きく、年々成長しており、2022年の市場規模は1,340億円程度まで拡大したと想定されております(株式会社矢野経済研究所「国内印刷通販市場に関する調査」2023年2月より)。国内での広告市場も年々拡大しており、2021年のインターネット広告以外の広告市場は国内全体で約4.0兆円、なかでも当社グループの現在の事業領域(テレビCM、交通広告、ダイレクトメール及び新聞折込)における市場規模は約2.5兆円となっております(電通「日本の広告費 2021年」に基づく当社試算によります)。特にテレビCMについては、わが国でもっともリーチコストが安く多くの人々に情報を届けられる媒体であることから、より多くの企業がマーケティング手法として活用できる余地が残されています。当社グループは、テレビCMの小ロットかつ低価格での販売、ITを用いた効果分析といった独自の価値提供を通じ事業展開を図っております。
このような状況の中、当社グループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの下、主に印刷・集客支援の統合バーティカルプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM・動画広告の統合バーティカルプラットフォーム「ノバセル」を運営してまいりました。
「ラクスル」ではエンタープライズ事業、アパレル事業が大きく成長してきており、新たに創設した事業が更なる発展に貢献しております。今後も事業拡大をし続けていくために親和性のある事業への取り組みを積極的に行ってまいります。
「ノバセル」では新たにコネクテッドTVのサービス提供『ノバセルコネクト』を開始するなど、企業のマーケティング活動をサポートし、誰しもがマーケティングを使いこなし、世の中の素晴らしいサービスが正しく成長できる世界「マーケティングの民主化」の実現に向けて貢献してまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は30,120百万円(前年同期比23.3%増)、営業利益は1,457百万円(前年同期比872.3%増)、経常利益は1,076百万円(前年同期は経常損失333百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,425百万円(前年同期比321.8%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(ラクスルセグメント)
「ラクスル」においては、需要拡大に向けテレビCM等の広告宣伝投資を集中的に行い、新規顧客の獲得が進みリピート購入数も堅調に推移いたしました。また、継続して発注費用の見直しを図るとともに一部の商材については価格の見直しを実施した結果、利益率の増加につながりました。また、株式会社ダンボールワンも堅調に売上高が伸長しており、事業拡大に寄与しております。この結果、売上高は27,773百万円(前年同期比42.8%増)、セグメント利益は2,744百万円(前年同期比34.6%増)となりました。
(ノバセルセグメント)
「ノバセル」においては、2021年後半からTVメディアの広告の市況が落ち込みをみせておりましが、回復基調が続いておりそれに伴い業績の持ち直しを見せてきています。また、そのような状況化に合わせて収益構造の見直しも行い利益は好調に推移しております。今後は引き続き顧客の新規開拓や顧客層シフトに注力するとともに、効果分析ツール等の提供を通じ継続利用の促進に努めております。この結果、売上高は1,887百万円(前年同期比16.6%減)、セグメント利益は38百万円(前年同期はセグメント損失91百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は19,971百万円となり、前連結会計年度末に比べ311百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が234百万円、商品及び製品が128百万円増加、前払費用が130百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は8,925百万円となり、前連結会計年度末に比べ48百万円減少いたしました。これは主に、関係会社株式が630百万円増加、のれんが371百万円、繰延税金資産が402百万円減少したこと等によるものであります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は7,829百万円となり、前連結会計年度末に比べ54百万円増加いたしました。これは主に、買掛金が226百万円、未払金及び未払費用が235百万円減少し、未払法人税等が471百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は10,194百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,351百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が1年内返済予定の長期借入金へ振替わったこと等により1,343百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は10,873百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,560百万円増加いたしました。これは主に、新株予約権が317百万円増加し、自己株式の取得により299百万円減少、さらに親会社株主に帰属する四半期純利益1,425百万円を計上したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間において、四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、記載を省略しております。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
該当事項はありません。
#C4384JP #ラクスル #情報通信業セクター