【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
アフターコロナを見据え世界経済に回復の兆しが見えはじめたものの、ロシアのウクライナ侵攻等からエネルギー・食糧価格等が上昇し、世界各国はインフレーションが加速しております。欧米では高インフレ抑制に向けて中央銀行が金融引き締めを実施し、インフレ抑制の姿勢を鮮明にしておりますが、ロシアとの経済的つながりが強い欧州では景気が弱い中でのインフレ対応が景気後退リスクを高めております。また、中国では「ゼロコロナ」政策が継続され、サプライチェーンの混乱が懸念される等世界経済の成長にブレーキがかかりつつあります。
電子部品市場では、中国のゼロコロナ政策に伴うロックダウン等の影響から、一部の電子部品及び半導体における需給ひっ迫等供給網の混乱を懸念した顧客による前倒し発注により、顧客が在庫を積み増す動きが見られました。半導体不足による自動車減産は緩和の兆しが見えてきましたが、巣ごもり需要の一服、中華系スマホの生産調整等に加え、地政学リスクの増大やインフレの加速等による欧米、中国の景気下振れ懸念が強まり、先行き不透明感が広がっております。そうした中でも自動車のカーボンニュートラルに向けた動きは加速しており、EV/xEV関連の需要は堅調に推移しました。
こうした中、当社グループではベトナム・クアンガイ工場で2月に稼働を開始した第2工場に加え、好調なEV/xEV関連の需要に応えるために、11月の稼働開始を目指して第3工場の増設を進めました。中国では生産ラインの自動化・省人化のレベル向上、徹底した生産性向上により、付加価値の高い生産活動を進めました。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
車載関連市場では、中国のロックダウンの影響があったものの、特にEV/xEV関連の受注が好調に推移しました。家電製品市場ではスマートフォン関連が、また、インダストリー市場では太陽光発電関連設備等が堅調に推移しました。地域的にはウクライナ紛争に地理的に近接する欧州は伸び悩んだものの、アジア、北米は堅調に推移しました。これらに加えて前年同四半期に比べ円に対して米ドル高、ユーロ高で推移したこともあり、売上収益は前年同四半期比30.3%増の100,957百万円となりました。
原材料価格の更なる高騰や物流費用の増加、エネルギー価格の高騰、人件費の上昇等があったものの、増収効果、原材料価格高騰に対する製品販売価格への対応効果、生産効率の向上等があったことから、営業利益は前年同四半期比14.3%増の5,348百万円となりました。為替や支払金利等の影響から金融収益/金融費用が1,117百万円のマイナスであったこと等から、税引前四半期利益は同15.5%増の4,231百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同13.4%増の3,033百万円となりました。
◎参考:期中平均為替レート
2021年第3四半期連結累計期間
2022年第3四半期連結累計期間
米ドル/円
107.97
125.86
ユーロ/円
129.70
135.10
人民元/円
16.65
19.17
(市場別の概況)
当第3四半期連結累計期間における市場別の概況は次のとおりであります。
1)車載市場
世界的な半導体不足、サプライチェーンの混乱が続いたことで新車生産台数が伸び悩む中、EV/xEV関連売上が堅調に推移したことから、車載市場の売上収益は前年同四半期比26.7%増の59,408百万円となりました。
2)家電製品市場
スマートフォン関連が堅調に推移したことから、家電製品市場の売上収益は前年同四半期比38.9%増の20,668百万円となりました。
3)インダストリー市場
脱炭素化の動きから欧米の太陽光発電用設備関連が好調であり、また医療機器関連も堅調に推移したことから、インダストリー市場の売上収益は前年同四半期比33.0%増の20,880百万円となりました。
(単位:百万円)
2021年第3四半期連結累計期間
2022年第3四半期連結累計期間
増加率(%)
車載市場
46,879
59,408
26.7%
家電製品市場
14,885
20,668
38.9%
インダストリー市場
15,704
20,880
33.0%
(ロシア・ウクライナ情勢について)
1)ロシア・ウクライナ・ベラルーシにおける拠点について
当社グループはロシア・ウクライナ・ベラルーシに営業・生産拠点を有しておりません。
2)現時点での当社グループ業績への影響について
当社グループの売上収益に占めるロシア・ウクライナ向けの割合は0.1%以下であり、当社グループの業績に与える影響は軽微であります。しかし、現下の情勢が長期化した場合には、一部原料の調達難に伴う生産活動への影響、天然ガス価格等の継続的な値上がりによる電力料金の高騰等により、2022年12月期の当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(報告セグメントの状況)
当第3四半期連結累計期間における報告セグメントの状況は次のとおりであります。
1)アジア・パシフィック事業
アジア・パシフィック事業では、車載市場、インダストリー市場向けが堅調に推移し、売上収益は前第3四半期連結累計期間比38.5%増の69,056百万円となりました。増収効果等から、セグメント利益は同31.3%増の4,468百万円となりました。
2)EU事業
EU事業では、車載市場向けでは、半導体不足等の影響で新車生産台数が伸び悩んだものの、EV/xEV関連売上が順調に伸び、また、再生可能エネルギー関連等インダストリー市場向けが堅調に推移したことから、売上収益は前第3四半期連結累計期間比15.6%増の31,900百万円となりました。原材料価格高騰の影響等があり、セグメント利益は同0.7%減の1,545百万円となりました。
②財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は142,221百万円となり、前連結会計年度末比24,495百万円増加しました。手元資金については、国内外連結子会社で資金が滞留することで資金効率が落ちるリスクがあるため、主要子会社の最低手持資金額を設定し、毎月その設定額と実際手持資金の比較を行い、グループ全体の資金のモニタリングを実施し、余剰資金を削減し借入金の圧縮に努めたことで、当第3四半期連結会計期間末では現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ679百万円減少しました。円安の影響及び堅調な顧客からの発注に伴い営業債権及びその他の債権が前連結会計年度末に比べ10,097百万円増加し、半導体等の供給逼迫で弊社製品の納品の先延し要請を受けた影響や円安の影響で棚卸資産が前連結会計年度末に比べ4,513百万円増加したこと等から、流動資産は前連結会計年度末に比べ15,770百万円増加しました。また、工場の生産キャパシティの拡充や生産性向上のため有形固定資産や使用権資産等が増加したこと及び円安の影響等により、非流動資産は前連結会計年度末に比べ8,724百万円増加しました。なお、当社グループの有形固定資産の内約95%が国外の有形固定資産となっております。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は92,457百万円となり、前連結会計年度末比で14,832百万円増加しました。円安による影響に加え、営業債務及びその他の債務が前連結会計年度末に比べ2,684百万円、1年以内返済予定又は償還予定の長期有利子負債が前連結会計年度末に比べ15,421百万円増加したこと等が要因です。外貨建て借入金の割合が銀行借入金全体の98%となっているため、円安の影響もあり、ネット銀行借入負債残高は、前連結会計年度末に比べ9,825百万円増加し、KPIとして採用しているネットDEレシオは、前連結会計年度末1.20倍から1.17倍となりました。なお、相対的に金利水準の高い外貨建て借入金の影響で、借入金の平均金利はおよそ2.7%となっております。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は前連結会計年度末比9,662百万円増加し、49,763百万円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益が3,033百万円あったほか、在外営業活動体の換算差額が前連結会計年度末に比べ7,066百万円増加したこと等により、その他の包括利益累計額が前連結会計年度末に比べ7,127百万円増加したこと等があったためです。その結果、親会社の所有者に帰属する持分合計は47,660百万円となり、総資産に対する親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の32.6%から当第3四半期連結会計期間末は33.5%となりました。
◎参考:期末為替レート
2021年12月期末
2022年第3四半期連結累計期間末
米ドル/円
115.13
144.31
ユーロ/円
130.23
141.91
人民元/円
17.73
20.27
③キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末比679百万円減少し、3,558百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5,374百万円(前第3四半期連結累計期間は2,600百万円の収入)となりました。売上収益が伸びたことによる運転資本の増加に加え、半導体、その他の部材の供給不足、物流停滞の影響で在庫水準が高止まりすることで営業キャッシュ・フローが圧迫されております。
当社グループでは運転資本をモニターするKPIとしてCash Conversion Cycle(CCC)を採用しております。
当第3四半期連結会計期間末のCCCは123日で、前連結会計年度末から5日長くなりました。営業債権及びその他の債権の増加により6,136百万円の資金支出となり、売上債権回転日数は15日伸びました。
サプライチェーンの混乱等のため顧客から納品の先延ばし要請を受けた影響等により、当第3四半期連結累計期間の棚卸資産が増加したため466百万円の資金支出となったものの、在庫圧縮に努め、在庫回転日数は6日短くなりました。仕入債務回転日数は4日伸びました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は6,141百万円(前第3四半期連結累計期間は4,424百万円の支出)となりました。
当社では、顧客からの受注に基づき設備投資をしております。設備投資については、新製品、増産、生産効率改善、更新と目的別に計画を立て、規模の大きい設備投資については、NPV分析、モンテカルロシミュレーションなどの手法を採用し、その採算性について検討後、設備投資を決定しております。
当第3四半期連結累計期間はEV/xEV関連を中心とした新規設備投資案件等により、有形固定資産の取得による支出は5,590百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は548百万円(前第3四半期連結累計期間は976百万円の収入)となりました。
運転資本の増加により、投資活動によるキャッシュ・フローが営業活動によるキャッシュ・フローを上回ったため、銀行借入を実行し、有利子負債が1,112百万円純増したことによる収入があったほか、配当金の支払額679百万円、リース債務の返済による支出810百万円等の支出があったことによるものです。
2021年第3四半期
連結累計期間
2022年第3四半期
連結累計期間
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
2,600
5,374
2,773
投資活動によるキャッシュ・フロー
△4,424
△6,141
△1,717
財務活動によるキャッシュ・フロー
976
△548
△1,524
現金及び現金同等物に係る換算差額
275
635
360
現金及び現金同等物の増減額
△571
△679
△108
現金及び現金同等物の期首残高
5,237
4,237
△999
現金及び現金同等物の四半期末残高
4,665
3,558
△1,107
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等については、有価証券報告書(2022年3月24日提出)の記載から重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題については、有価証券報告書(2022年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は3,435百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)従業員数
当社グループの従業員数に前連結会計年度末から著しい変動はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、有価証券報告書(2022年3月24日提出)の「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した内容から重要な変更または新たな発生はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)財政状態及び経営成績の状況 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの主な資金需要は、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに固定資産等にかかる投資であり、資金需要につきましては、主に自己資金により賄い、必要に応じ銀行借入等により対応しております。
ⅰ)当社グループの資金状況
当第3四半期連結会計期間末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあります。
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保を進めております。成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元の現金と営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入等により調達しております。
手元流動性については、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は3,558百万円でした。
なお、当社グループでは、主要な銀行と定期的にミーティングを行い、良好な関係を築いております。
ⅱ) 資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。当社グループの研究開発費は売上原価の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。
ⅲ) 財務政策
当社グループは現在、運転資金及び設備等投資資金については、内部資金、銀行借入により資金を調達しております。当第3四半期連結会計期間末現在、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の残高は41,007百万円となっております。これに対して、長期借入金の残高は18,418百万円となっております。
当社グループの借入金のうち62%が変動金利、38%が固定金利によるものとなっております。また、為替の影響を少なくするため、現地通貨での調達を増やしており、98.0%が日本円以外の外貨による調達となっております。
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