【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が収束の傾向にあり、5月には感染症法上の分類において5類に移行されるなど、経済活動は正常な状態を取り戻しつつあります。一方で、ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの長期化とそれに伴う資源価格・原材料価格の高騰や、世界的な金融引き締めによる海外経済の下振れリスクなど、依然として先行きは極めて不透明な状況となっております。
このような状況の下、当社グループは米国及び日本を中心に事業展開を進めました。
アジア市場は、大型案件の売上がなかったため、前年同期に比べ減収となりましたが、大型案件の受注の影響で受注残高は大幅に増加しました。北米市場は、前年同期に比べ増収となりました。これは大手通信事業者において大型プロジェクトが進行したことによるものです。オーストラリア市場は、前年同期と比べて横ばいとなりました。EMEA市場は、前年同期と同様にロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの影響で案件が進捗しない状況が続きました。
この結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、513百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
製品グループ別内訳では、ハードウエア製品が346百万円(同2.6%増)、その他が167百万円(同8.3%増)となりました。海外売上高比率は、前年同期の80.9%から93.2%へと増加しました。利益面においては、売上総利益率は64.2%となり、売上総利益は330百万円(同16.4%増)となりました。
経費面では、研究開発費の増加などにより、販売費及び一般管理費は、531百万円(同30.6%増)となりました。
損益面では、営業損失は201百万円(前年同期は営業損失123百万円)、経常損失は213百万円(前年同期は経常損失159百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、215百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失160百万円)となりました。なお、当社グループは、映像通信機器のメーカーとして事業を行っており、当該事業以外に事業の種類がないため、セグメント別に事業を分類していません。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ170百万円減少し、3,013百万円となりました。主な変動要因は、売掛金の減少560百万円、現金及び預金の増加219百万円のほか、商品及び製品の増加90百万円によるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ181万円減少し、1,252百万円となりました。主な変動要因は、買掛金の減少159百万円、長期借入金の減少41百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加34百万円、によるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ11百万円増加し、1,760百万円となりました。主な変動要因は、資本金の増加75百万円、資本剰余金の増加75百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少215百万円によるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間における当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、170百万円(前年同期比71.3%増)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策
「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる
事象又は状況が存在しております。
当社グループは、このような状況を解消するため、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項
(継続企業の前提に関する事項)」に記載のとおり、以下の対応策を実施してまいります。
ア.収益力の向上
既存顧客の設備更新需要の喚起を行い、また、新製品の提案活動による顧客基盤の拡充を図ります。
具体的には、新型コロナウイルス感染症により制限されていた対面での営業活動を積極的に行い顧客との関係の再構築を図っていきます。また、新製品Xscend®は現在のSDI/IP運用しているユーザーに対して今後のFull IP化及び高帯域化への対応を可能とする製品であるため、積極的に潜在的な顧客への紹介も行い、顧客基盤を拡充してまいります。
イ.販売費及び一般管理費の削減
販売費及び一般管理費の見直しを継続的に行い徹底的なコスト削減を実施します。
具体的には、社内リソースの配分を見直すことによって人件費の削減を図り、また、最適な輸送方法、タイミングの選択、輸送業者の見直しを行うことにより輸送費の削減を図ります。加えて、リモートワーク推進による最適なオフィススペースを定義し、賃借料の削減の検討をいたします。実施時期につきましては、役員報酬の削減等、既に実施されている施策もあり、今後も、削減可能なものから可及的速やかに実施してまいります。
ウ.研究開発費効率化
内製化による外注費の削減、外注先の再検討を行い研究開発の効率化を進めます。
具体的には、開発部門でのリソース配分の見直しによって、従来外注していた業務を内製化し費用の削減を図ります。また、外注先の再検討によって、外注費の単価の低減と効率化を進めます。実施時期につきましては、従来外注していた業務の内製化等、既に実施されている施策もあり、今後も、削減可能なものから可及的速やかに実施してまいります。
エ.資本政策等
現時点で実行可能な手段は第16回及び第17回新株予約権の発行による資金調達方法に限定されておりますので、業績の改善を図りながら、新たな資金調達の手段を検討してまいりますが、様々な要因に影響されるため、実施可能性やその時期、金額等を予測することは困難です。
上記施策の確実な実施により、当社グループの経営基盤を強化してまいりますが、半導体市場の正常化の時期、地政学的リスクの影響が解消される時期は、未だ不透明であることから、今後の売上高や営業キャッシュ・フローに及ぼす影響の程度や期間については不確実性があります。また、資金調達も含め、これらの対応策は実施途上であり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。