【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者数の落ち着きや各種行動 制限の緩和に伴い緩やかに回復したものの、7月以降は新型コロナウイルス感染症拡大の第7波が到来するなど不安定な状態が続きました。またロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの長期化に加えて継続的な半導体不足、急激な円安による資源価格・原材料価格の上昇が見られるなど、依然として先行きは極めて不透明な状況となっております。
このような状況の下、当社グループは米国及び日本を中心に事業展開を進めました。
アジア市場は、前年同期に比べ減収となりました。これは前年同期に韓国において、大手放送局向けプロジェクトの売上を計上した影響によるものです。北米市場は、前年同期に比べ減収となりました。これは大手通信事業者に対する売上が減少したことによるものです。オーストラリア市場は、主要顧客へ継続的にメンテナンスサポート提供していることに加え、ハードウェアの売上もあり前年同期に比べ増収となりました。EMEA市場は、ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの影響に伴う案件の中断等により、前年同期に比べ減収となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、837百万円(前年同期比23.7%減)となりました。
製品グループ別内訳では、ハードウエアが522百万円(同36.7%減)、その他が315百万円(同16.0%増)となりました。海外売上高比率は、前期の83.7%から83.6%へと減少しました。利益面においては、売上総利益率は59.0%となり、売上総利益は494百万円(同14.0%減)となりました。
経費面では、研究開発費は202百万円(同45.5%減)と減額したことなどにより、販売費及び一般管理費は、831百万円(同16.8%減)となりました。
損益面では、営業損失は337百万円(前年同期は営業損失424百万円)、経常損失は383百万円(前年同期は経常損失433百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、387百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失441百万円)となりました。なお、当社グループは、映像通信機器のメーカーとして事業を行っており、当該事業以外に事業の種類がないため、セグメント別に事業を分類していません。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ505百万円増加し、2,780百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金の増加524百万円、売掛金の減少418百万円のほか、特定顧客向けのビジネスで、既に開発期間を終え、プログラムの改良・強化のフェーズに入っている案件により仕掛品が214百万円増加しております。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ275百万円減少し、1,192百万円となりました。主な変動要因は、買掛金の減少127百万円及び長期借入金の減少97百万円によるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ780百万円増加し、1,588百万円となりました。主な変動要因は、資本金の増加526百万円、資本剰余金の増加526百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少387百万円によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ530百万円増加し、849百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、434百万円(前年同期は127百万円の増加)となりました。その主な要因は、売上債権の減少468百万円、税金等調整前四半期純損失の計上383百万円、棚卸資産の増加351百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、2百万円(前年同期は18百万円の減少)となりました。その主な要因は、定期預金の払戻による収入9百万円、有形固定資産の取得による支出7百万円、無形固定資産の取得による支出2百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、937百万円(前年同期は202百万円の減少)となりました。その主な要因は、株式の発行による収入1,048百万円、長期借入金の返済による支出70百万円、短期借入金の減少40百万円によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間における当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、202百万円(前年同期比45.5%減)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策
「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社は、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる
事象又は状況が存在しております。
当社グループは、このような状況を解消するため、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項
(継続企業の前提に関する事項)」に記載のとおり、以下の対応策を実施してまいります。
ア.収益力の向上
既存顧客の設備更新需要の喚起を行い、また、新製品の提案活動による顧客基盤の拡充を図ります。
具体的には、新型コロナウイルス感染症の蔓延状況は一定の落ち着きを見せており、対面での営業活動を再開し
顧客との関係の再構築を図るほか、中止されていた展示会の開催等も検討しております。また、新製品は現在の
SDI/IP運用しているユーザーに対して今後のFull IP化及び高帯域化への対応を可能とする製品であるため、リモ
ートの環境下では難しかった状況の改善に伴って、積極的に新規顧客へ紹介してまいります。実施時期につきまし
ては、一部地域・一部顧客との間では、対面での営業活動も再開しておりますが、新型コロナウイルス感染症の蔓
延状況に左右されるため、全面的な実施時期やその効果を予測することは困難であります。
イ.販売費及び一般管理費の削減
販売費及び一般管理費を見直し徹底的なコスト削減を実施します。
具体的には、社内リソースの配分を見直すことによって人件費の削減を図り、また、最適な輸送方法、タイミン
グの選択、輸送業者の見直しを行うことにより輸送費の削減を図ります。加えて、リモートワーク推進による最適
なオフィススペースを定義し、賃借料の削減の検討をいたします。実施時期につきましては、役員報酬の削減等、
既に実施されている施策もあり、今後も、削減可能なものから可及的速やかに実施し、年間約100百万円の削減を
目指してまいります。
ウ.研究開発費効率化
内製化による外注費の削減、外注先の再検討を行い研究開発の効率化を進めます。
具体的には、開発部門でのリソース配分の見直しによって、従来外注していた業務を内製化し費用の削減を図り
ます。また、外注先の再検討によって、外注費の単価の低減と効率化を進めます。実施時期につきましては、従来
外注していた業務の内製化等、既に実施されている施策もあり、今後も、削減可能なものから可及的速やかに実施
し、年間約40百万円の削減を目指してまいります。
エ.資本政策
現時点で実行可能な手段は第15回新株予約権の発行による資金調達方法に限定されておりますので、業績の改善
を図りながら、新たな資金調達の手段を検討してまいりますが、様々な要因に影響されるため、そもそもの実施可
能性やその時期、金額等を予測することは困難です。
なお、2022年5月12日開催の当社臨時株主総会において、第15回新株予約権の有利発行の承認をいただきまし
た。
上記施策の確実な実施により、当社グループの経営基盤を強化してまいりますが、半導体市場の正常化の時期、
地政学的リスクの影響が解消される時期及び新型コロナウイルス感染症拡大の収束時期は不透明であることから、
今後の売上高や営業キャッシュ・フローに及ぼす影響の程度や期間について不確実性があります。また、資金調達
も含め、これらの対応策は実施途上であり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影
響を四半期連結財務諸表に反映しておりません。