【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間(2022年8月1日~2023年1月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種政策の効果もあり、個人の消費等は緩やかに持ち直しの動きが見られます。ただし、長期化するウクライナ情勢等による不透明感が増す中、原材料の価格上昇や金融資本市場の変動等による経済への影響に対し、引き続き注視する必要があります。
当社グループが属する情報サービス業界においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大等により、ソフトウェアに対する投資において、影響が出る可能性があります。
このような状況のもと、当社グループは、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業顧客の経営課題を解決するための商材を「リアル」と「Web」の両面から開発・提案し、顧客の企業力強化を図ることを「CROSS-OVER シナジー」戦略とし取り組んでまいりました。
「CROSS-OVER シナジー」戦略は、当社グループが提唱してきた独自の提案スタイルで、「リアル」と「Web」それぞれの商材を複合的に提案することで、顧客の業務効率と販売力強化を実現するものであり、当社グループにとって商談時の競合力を強化するだけでなく、顧客満足度も向上させるものであります。この戦略効果により、当社グループが重視するストック型ビジネス商材の販売実績が大きく伸長し、利益体質の強化が図られております。
販売実績につきましては、「リアル」面では、主力のパッケージソフトウェア「アラジンオフィス」の商品力の強化を、業種別に継続して進め、販売面でもパートナー企業との連携に加え、コロナ禍においては、Web会議を利用した打合せ等を積極的に行うことによって、豊富な業種別の導入事例をもとに顧客毎に最適なシステム活用方法をご提案させていただくことで、受注実績も堅調に推移いたしました。
収益面につきましても、前連結会計年度における半導体不足によるサーバー機器の納品遅延の影響の解消等により売上高は増加いたしました。また、ストック売上高の増加やパッケージの機能強化による売上総利益率の向上等により各段階利益も前四半期連結累計期間の業績を上回る結果となりました。
「Web」面では、複数ネットショップ一元管理ソフトである「CROSS MALL」について、新たなショッピングモールとの連携開発を当期も継続して取り組んでまいりました。今後も引き続き、複数モールとの連携機能強化を行うとともに、既存の顧客から機能面における要望を収集し、迅速に新機能として反映させることで、商品力を向上させ販売実績を伸ばしてまいります。また、ネットショップと実店舗のポイント・顧客一元管理ソフトである「CROSS POINT」につきましても、販売実績を伸ばしております。
当四半期連結累計期間においても、継続して製品の開発に注力しており、将来における新たな技術開発による市場競争力向上に向け、研究開発費34,828千円を計上しております。島根県松江市の研究開発拠点である「アイル松江ラボ」においては、プログラミング言語「Ruby」によるシステム強化の活動を本格的に始動しており、今後も研究開発人員を増加し、研究開発活動の強化を図ってまいります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は売上高7,591,235千円(前年同期比25.6%増)、営業利益1,659,297千円(前年同期比95.8%増)、経常利益1,672,825千円(前年同期比94.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,105,344千円(前年同期比96.0%増)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて920,734千円増加し、10,497,572千円となりました。これは主に、ソフトウエア183,681千円等が減少した一方、現金及び預金519,654千円、受取手形、売掛金及び契約資産257,271千円、商品107,592千円、ソフトウエア仮勘定197,976千円等が増加したことによります。
また、負債合計は、前連結会計年度末と比べて69,755千円増加し、3,931,202千円となりました。これは主に、流動負債の「その他」に含まれる未払金59,751千円、未払費用74,351千円等が減少した一方、流動負債の「その他」に含まれる未払消費税等184,447千円等が増加したことによります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比べて850,978千円増加し、6,566,369千円となりました。これは主に、剰余金の配当250,339千円による減少があった一方、親会社株主に帰属する四半期純利益1,105,344千円等による増加があったことによります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて519,654千円増加し、4,159,828千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は1,052,152千円(前年同四半期は54,774千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益1,672,816千円、減価償却費227,170千円、売上債権及び契約資産の増加257,271千円、棚卸資産の増加109,711千円、法人税等の支払額553,764千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は282,100千円(前年同四半期は224,380千円の減少)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出200,731千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は250,397千円(前年同四半期は265,569千円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額250,314千円等によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、34,828千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
また、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントによる情報については記載を省略しております。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
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