【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する感染対策と経済活動の両立が進む一方で、上海をはじめとした中国の主要都市で続いていたロックダウンやウクライナ情勢の影響が懸念され、資源価格の高騰や供給面での制約に加え、急激な円安の進行等により、日本の景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場におきましては、半導体の一部で供給不足の状態が続くものの、自動車の電動化、自動化やIoT、AI、5G等の技術の拡がりを背景に、半導体や電子部品の需要は引き続き高水準で推移しました。
このような状況の下、当社グループは、収益力の更なる向上を目指して、高付加価値製品の開発と提案並びに拡販活動に注力してまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は421億5百万円(前年同四半期比27.5%増)、営業利益は75億49百万円(同21.3%増)、経常利益は82億58百万円(同25.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は59億78百万円(同31.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 表面処理用資材事業
主力のパッケージ基板向けのめっき薬品は、5Gや半導体関連市場における需要拡大により、売上高、セグメント利益ともに前年同四半期を上回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は352億53百万円(前年同四半期比28.4%増)、セグメント利益は72億76百万円(同29.1%増)となりました。
② 表面処理用機械事業
日本市場及び台湾市場を中心に半導体や電子部品向けの表面処理用機械の需要が好調に推移し、売上高は前年同四半期を上回りましたが、世界的な部品の供給不足に伴う部材の調達難と調達までの長納期化に加えて、樹脂板、電子部品、フィルターなど表面処理用機械の製造に使用される様々な部材の価格が高騰し、セグメント利益は前年同四半期を下回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は39億95百万円(前年同四半期比42.2%増)、セグメント利益は2億30百万円(同21.5%減)となりました。
③ めっき加工事業
台湾で行っているパッケージ基板向けのめっき加工は順調に推移しました。また、タイやインドネシアの自動車産業向けめっき加工は、本格的な回復には至っておりませんが、前期の新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な落ち込み状態を脱したため、売上高は前年同四半期を上回りました。利益面では非鉄金属等の原材料価格の高騰による影響を受けました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は24億35百万円(前年同四半期比4.6%増)、セグメント損失は2億27百万円(前年同四半期はセグメント利益35百万円)となりました。
④ 不動産賃貸事業
新大阪の賃貸用オフィスビルをはじめ、当社保有物件の入居率は堅調に推移しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は4億22百万円(前年同四半期比1.0%増)、セグメント利益は2億60百万円(同2.8%増)となりました。
なお、上記のセグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ50億59百万円増加し、1,062億48百万円となりました。主な増加は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加21億35百万円、原材料及び貯蔵品の増加6億99百万円、現金及び預金の増加5億85百万円であり、主な減少は、投資有価証券の減少3億63百万円であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ19億76百万円増加し、244億53百万円となりました。主な増加は、契約負債の増加8億3百万円、繰延税金負債の増加5億43百万円、電子記録債務の増加5億31百万円であり、主な減少は、役員賞与引当金の減少1億6百万円であります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ30億82百万円増加し、817億94百万円となりました。主な増加は、為替換算調整勘定の増加45億43百万円、利益剰余金の増加37億38百万円であり、主な減少は、自己株式の増加49億85百万円であります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の77.8%から0.8ポイント減少し77.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ39百万円減少し、262億41百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は53億3百万円(前年同四半期は35億67百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額25億32百万円、固定資産除売却損益6億39百万円、売上債権の増加額5億12百万円等の資金の使用がありましたが、税金等調整前四半期純利益89億63百万円、減価償却費9億65百万円等の資金の獲得があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において獲得した資金は3億74百万円(前年同四半期は16億82百万円の資金の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出12億47百万円、固定資産の取得による支出8億41百万円等の資金の使用がありましたが、定期預金の払戻による収入12億31百万円、固定資産の売却による収入10億76百万円等の資金の獲得があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において使用された資金は73億59百万円(前年同四半期は36億66百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出49億99百万円、配当金の支払額22億40百万円等の資金の使用があったことによるものであります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は11億47百万円であります。投資対効果を常に意識し、重要テーマについては今後も積極的に投資をしてまいりたいと考えております。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。