【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に歯止めがかかる中、行動制限や海外からの入国制限の緩和により経済社会活動の正常化が着実に進み、内需を中心に緩やかな回復基調が続いております。
当社グループが属する不動産業界においては、働き方改革や在宅勤務等の新しい暮らし方の広がりを背景に安定した住宅需要があることや、金融緩和政策の継続等による下支え効果も加わり、不動産マーケットは堅調に推移しております。
しかしながら一方で、米国における銀行の経営破綻等に見られる海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとして顕在化しつつあり、先行きはやや不透明感が増している状況です。加えて、足元の物価上昇が消費者マインドへ及ぼす影響も懸念材料となっております。
このような先行きの見通しが非常に難しい事業環境ではありますが、当社は2021年2月に策定した第4次中期経営計画「IDEAL to REAL 2023」(2021年12月期から2023年12月期までの3ヶ年を対象)のもと、「転換&飛躍」を基本方針として、いかなる経済環境にも耐えうる強固な経営基盤を確立し、企業価値の最大化により持続的な成長を目指しております。
第4次中期経営計画の最終年度となる2023年度は、「飛躍」を目指し全社一丸で邁進してまいります。
①第4次中期経営計画「IDEAL to REAL 2023」の進捗状況
初年度である2021年度は、中部電力株式会社(以下「中部電力」といいます。)を割当先とする第三者割当増資の実施により財務基盤を強化するとともに、中部電力の連結子会社となることで信用力の向上が図れました。また、株式会社ピカソ及び同社グループ会社7社(以下「ピカソグループ」といいます。)の子会社化等により安定した賃貸収入確保による収益構造の「転換」が一気に進展しております。これに伴い、中期経営計画の最終年度である2023年12月期の賃貸利益割合等の経営指標の一部を修正しております。修正内容については、下記「(オ)経営目標」に詳細を記載しております。
中期経営計画最終年度となる当期においては、分譲マンション事業売上高61,900百万円の計画に対し、契約ベースの進捗率は約75%と順調です。また、2023年2月には不動産賃貸事業等を手掛ける株式会社四条大宮ビル(会社分割実施後)の子会社化(株式譲渡実行予定日2023年7月31日)を決定し、収益構造の「転換」がさらに進む見通しです。
第4次中期経営計画の詳細及び進捗状況は下記のとおりとなります。
(ア)経営戦略基本方針
・想定外の経済環境の変化に耐えうる事業基盤を確立する。
いかなる経済環境下においても資金調達力を維持することができる、堅固な事業及び財務基盤を確立させること。
・収益構造の変換と事業領域の拡大を同時に実現する。
不動産賃貸事業の拡大により、フロー収益重視からストック収益重視への収益構造の転換を図ると同時に、事業の多様化及び事業展開地域の拡大を実現させること。
(イ)基本方針 「転換&飛躍」
「転換」
・長期収益不動産への積極投資、BS構造の改善
・フロー重視の経営からストック重視の経営へと転換
「飛躍」
・中部電力グループシナジーの発展
・売上高1,100億円、営業利益160億円の達成(中期経営計画最終年度)
(ウ)経営戦略
・持続的かつ安定収益構造への転換
・事業の多様化、エリア戦略による既存コア事業の安定成長
・事業の多様化、エリア戦略による新規事業のコア化
・新領域の挑戦
・日本エスコングループシナジー強化
・5大都市を中心とした拠点拡大
・中部電力グループシナジー強化
・ESGの推進
(エ)業績計画
(単位:百万円)
2021年
12月期
2022年12月期
2023年12月期
実績
実績
期初計画
期初計画
比差異
増減率
期初計画
当初計画
当初計画
比増減
増減率
売上高
79,017
99,431
100,000
△568
△0.6%
110,000
110,000
-
-
営業利益
10,381
15,492
14,000
1,492
10.7%
16,200
16,000
200
1.3%
(オ)経営目標
2021年12月期
2022年12月期
2023年12月期
実績
実績
計画
計画比
増減率
修正計画
(注)4
当初計画
当初計画比
増減率
賃貸利益割合
(注)1
21.2%
21.5%
26.0%
△4.5%
30.0%
26.0%
4.0%
ROE
(自己資本利益率)
11.8%
11.3%
13.0%
△1.7%
13.0%
13.0%
-
ROIC
(投下資本利益率)
(注)2
3.2%
4.6%
4.0%
0.6%
4.0%
4.0%
-
自己資本比率
24.8%
25.0%
23.0%
2.0%
21.0%
23.0%
△2.0%
長期収益不動産割合
(注)3
20.6%
19.5%
21.0%
△1.5%
23.0%
18.0%
5.0%
純資産額
626億円
641億円
673億円
△31億円
720億円
720億円
-
(注)1 賃貸利益割合:賃貸セグメント利益/セグメント利益合計(調整額除く)
2 ROIC(投下資本利益率):税引後営業利益/(株主資本+有利子負債)
3 長期収益不動産割合:固定資産計上の賃貸収益不動産/総資産
4 第4次中期経営計画初年度に投資計画の前倒し進捗や安定した賃貸収入確保による収益構造の「転換」を一気に実現し、2023年12月期の「賃貸利益割合」「自己資本比率」「長期収益不動産割合」の計画を2022年3月25日に修正しております。
(カ)投資計画
(単位:百万円)
2021年
12月期
2022年
12月期
2021年・2022年累計
2023年
12月期
3ヶ年
累計
実績
実績
実績
計画
計画比
差異
増減率
修正計画
当初計画
計画
収益不動産
への投資額
76,799
10,808
87,607
70,000
17,607
25.2%
65,700
60,000
130,000
その他開発
への投資額
19,191
26,103
45,294
55,000
△9,705
△17.6%
22,300
35,000
90,000
グロス投資額
95,990
36,911
132,902
125,000
7,902
6.3%
88,000
95,000
220,000
②中部電力グループとのシナジー効果発揮状況
中部電力との共同事業として、現在2つのプロジェクトが進行中です。2022年8月に、名古屋競馬場跡地の開発事業において、中部電力を代表法人とし、当社も構成メンバーとして参画する事業者グループ(以下「当該事業者グループ」といいます。)が当該事業に係る基本計画協定を締結しました。また、同年9月には、愛知県が募集する「カーボンニュートラルの実現に向けた事業・企画アイデア」に対し、当該事業者グループは愛知県産木材の活用等の企画・応募を行った結果、「建築物木材利用促進協定」を同県で初めて締結しております。
また、中部電力及び株式会社スプレッド(以下、「スプレッド」といいます。)とともに「合同会社TSUNAGU Community Farm」を設立し、世界最大規模となる1日10トンのレタスを生産できる完全人工光型植物工場「テクノファーム袋井」の建設を行っております。2024年1月の生産開始に向け、中部電力のエネルギー管理に関するノウハウ、当社の不動産開発力、スプレッドの栽培技術を融合し、効率的かつ安定的に、「安心・安全」なレタスの生産に向け取組んでおります。
さらに、中部電力の100%子会社である中電不動産株式会社との共同事業として、中部エリアを中心に分譲マンション・商業施設開発事業について取組んでおります。共同事業の第1号・第2号案件として、名古屋市東区白壁で手掛けた「グラン レ・ジェイド白壁 月露ノ邸(総戸数24戸)」「グラン レ・ジェイド白壁 凛然ノ邸(総戸数34戸)」をはじめ4物件が完売しております。
引き続き中部電力グループとの連携を強化し、大型まちづくりや「新しいコミュニティの形」の実現に向けて積極的に取組んでまいります。
③北海道における事業の進捗
2023年3月、当社がネーミングライツ契約を締結している、北海道北広島市に建設された北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールドHOKKAIDO)」が開業いたしました。当社は、新球場を核とした北海道ボールパークFビレッジ(総開発面積約36.7ha、以下「Fビレッジ」といいます。)におけるまちづくり構想に参画しており、新球場から直線距離80mの希少立地に分譲した「レ・ジェイド北海道ボールパーク(総戸数118戸)」は好評のうちに完売となりました。さらに、2022年2月からFビレッジの南東の一角においてシニアレジデンス開発に着手しており、メディカルモールを併設したアクティブシニア向けのレジデンスとして、2024年春の完成を予定しております。
また、Fビレッジへの重要なアクセス拠点としてさらなる期待が集まるJR北広島駅での「駅西口周辺エリア活性化事業」について、当社は事業パートナーとして開発を推進しております。2021年11月に続き2023年3月にも同事業における開発用地の一部を取得し、北広島駅の目の前の「駅前広場」、商業施設とホテルからなる「複合交流拠点施設」、屋内外の「立体的広場・公園」、「居住交流施設」の開発を行っております。この用地における開発事業の内、商業施設等は2024年度の完成を目指しており、当該駅前における開発を着実に進めております。
同市以外においても、2022年11月に当社において札幌市内初となる分譲マンション「レ・ジェイド札幌元町(札幌市東区、総戸数39戸)」が完売したほか、分譲マンション「レ・ジェイド札幌苗穂(札幌市東区、総戸数42戸、2024年2月竣工予定)」の開発等、北海道での事業が順調に進捗しております。
引き続きスポーツや文化振興等にも協力し、北海道地域の皆様に喜ばれるよう、地域全体の活性化と発展に貢献してまいります。
④不動産開発を通じた地方創生・地域活性化への取組み
2022年2月に、福島県いわき市において、いわき駅並木通り地区市街地再開発組合及び株式会社フージャースコーポレーションとともに住宅・商業・駐車場棟一体の「並木の杜シティ」開発プロジェクトとして、同駅周辺にさらなる賑わいを創出するべく再開発を行っております。同年11月には、住宅棟について同市最高層のバリアフリー仕様・免震構造タワーマンションとして、「ミッドタワーいわき」の名称で販売を開始しております。
また、長崎県大村市での「新大村駅前市有地開発事業」において、大和ハウス工業株式会社、株式会社イズミとともに3社で構成する事業者グループの構成員として、2022年3月に大村市と基本協定を締結し、2023年3月に事業用地を取得しました。当該事業は2022年9月の西九州新幹線「新大村」駅開業に伴い、大村市のまちづくり方針に沿って住民や市外からの来訪者が交流できる分譲マンションや商業施設等を開発する計画であり、当社は2区画において分譲マンション開発を手掛ける予定です。
さらに、2023年2月には「tonarie宇都宮(栃木県宇都宮市)」が地域のさらなる活性化に貢献できる施設へとリニューアルしました。翌3月に「星田駅北土地区画整理事業」(施行面積約26.4ha)区域内において、MIRARTHホールディングス株式会社との共同事業として開発に着手した地域密着型ショッピングセンター「tonarie星田(大阪府交野市)」が開業しており、周辺では分譲マンション、戸建住宅、事業所等の産業施設の開発が計画され、今後の発展が見込まれます。同施設は、当社の商業施設ブランド「tonarie」シリーズとして10施設目となります。
⑤希少立地における多様な分譲マンション開発の推進
単に分譲戸数を拡大することではなく、仕入れた用地が持つ価値を最大限に引き出す商品企画を軸に多様な展開を行っております。
2023年1月、長野県北佐久郡軽井沢町に事業用地を取得しました。軽井沢の豊かな自然に囲まれた立地であり、同地における開発物件としては2棟目になります。1棟目の「オストレジデンス軽井沢(総戸数33戸、2021年完売)」は、上質な商品企画が評価され、2022年度グッドデザイン賞を受賞しております。
また、神奈川県三浦郡葉山町において2つの事業用地を取得しており、「森戸海岸」等豊かな自然環境を最大限活かした分譲マンション開発に取組むほか、東京都千代田区景観まちづくり重要物件に指定された歴史的建造物「東方学会本館」の隣接地で開発中の定期借地権付新規分譲マンション「レ・ジェイド クロス 千代田神保町(総戸数50戸、2023年10月竣工予定)」は、2022年12月に早期完売を実現する等、付加価値の高い商品企画を推進しております。
さらに、当社は住まいという「一生もの」を創り出す企業として、分譲マンション開発に関する品質管理指針「IDEAL CONPASS」を策定し、分譲マンションにお住まいいただく方の生活をサポートする長期アフターサービス「Escon Premium After Support」の提供を開始する等の取組みを行っており、よりお客様が安心・安全、快適と感じていただける住まいを引き続き提供してまいります。
⑥戦略的なM&Aの実施
上記記載のとおり、2021年10月のピカソグループに続いて、2023年2月に不動産賃貸事業等を手掛ける株式会社四条大宮ビル(会社分割実施後)の子会社化を決定しました(株式譲渡実行予定日2023年7月31日)。同社は京都市において2010年に創業、同市を中心に不動産賃貸事業を展開しており、賃貸マンションや商業施設等、優良な収益資産を多数保有しております。
引き続き、後継者不在等の課題を抱え事業承継をお考えの会社様等とは前向きに協議していくとともに、マーケットに出てこないM&A案件について今後も積極的に検討を進め、当社グループの事業強化・領域拡大を図っております。
⑦新領域への挑戦
第4次中期経営計画に「新規事業のコア化」「新領域の挑戦」を掲げ、事業内容の多角化、次世代を見据えた取組みを進めております。
2021年3月より東京都港区において都市型の納骨堂「了聞(りょうもん)」の永代使用権の販売を開始し、特に都心部でお墓を手に入れることが困難という現代社会の課題解決を図り、かつ不動産事業の新たな領域への展開を目指し、事業に取組んでおります。
また、2022年11月に当社において首都圏で初のオフィスビル「ESCON九段北ビル」が竣工したほか、2022年12月には、当社として海外初の戸建開発プロジェクトとなるタイ王国の不動産デベロッパーOrigin Property Public Company Limitedの子会社Britania Public Company Limitedが進めるプロジェクトに出資及び参画しました。
2023年1月には戦略事業本部に海外事業部を設置し、海外での事業展開を本格的に開始いたしました。
引き続き、次代を見据えた新たな事業分野への取組みに注力し、多面的に不動産ビジネスを展開いたします。
⑧気候関連財務情報開示タスクフォース提言への賛同表明及び情報開示
当社は2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向け、次世代型まちづくり等、新たな環境価値を創造する
ことを目指しております。
気候変動課題を経営の重点戦略の一つと捉え、経営層及び全社各部署から選抜したESG推進グループメンバ
ーが一体となり、「気候変動が事業にもたらすリスクや機会を分析するとともに、その情報開示を推進する」と
いう気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」といいます。)提言の枠組みに基づく情報開示に
向け取組んでおります。また、当社グループは2022年6月にTCFDへの賛同を表明いたしました。
TCFD提言に基づく情報開示(気候変動のリスク・機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目
標)の詳細については、当社ホームページ(https://www.es-conjapan.co.jp/esg/environment.html)をご参照
ください。
⑨ESG活動の取組み状況
当社における重要な経営戦略として「ESG推進による社会課題への対応」を掲げております。「ESG推進
グループ」及び健康経営をより促進するための「健康文化醸成チーム」を中心に全社で取組みを推進し、財務情
報だけでは測れない本質的な企業価値向上に注力いたします。
直近の主要な取組み内容は以下のとおりです。
(ア)環境「E」
・各種認証取得
当社は、2020年5月に環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)である「エコアクション21」の認証を取得しているほか、当社が保有する商業施設「tonarieふじみ野」について、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構より認定を受けたCASBEE(※1)評価認証機関より、CASBEE不動産評価認証の最高ランクである「Sランク」を取得しております。また、エスコンジャパンリート投資法人(以下「EJR」といいます。)が保有している「tonarie大和高田」「tonarie栂・美木多」「tonarie南千里」「tonarie清和台」「あすみが丘ブランニューモール」の各商業施設について、株式会社日本政策投資銀行よりDBJ Green Building認証を取得しております。上記6物件は、連結子会社である株式会社エスコンプロパティが運営管理を行っており、グループ全体で施設の価値向上に向けて取組んでおります。
※1 Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency / 「建築環境総合性能評価システム」は、建築物の環境性能を評価し格付けするもので、省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮等も含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。
・環境に配慮したZEH対応住宅の継続的・積極的な開発
2022年8月に、分譲マンション「レ・ジェイド本川越 コエドテラス(埼玉県川越市、総戸数102戸)」について、優れた断熱性能を有し年間の一次エネルギー消費量削減に資する「ZEH(※2)-M Oriented(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)」の認証を取得しております。2021年度グッドデザイン賞を受賞した「レ・ジェイド大倉山(横浜市港北区、総戸数25戸)」、2022年6月に全戸早期契約完売した「レ・ジェイド八尾桜ヶ丘(大阪府八尾市、総戸数72戸)」に続き、当社において3物件目のZEHマンションとなります。
今後も、総合デベロッパーの開発ノウハウを最大限活かし、お客様に評価され、かつ環境に配慮したZEHマンションの開発に積極的に取組みます。
また、2020年11月には、連結子会社である株式会社エスコンホーム及び株式会社エスコンクラフトにおいて、ZEHビルダー認証登録をしております。
※2 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
・完全人工光型植物工場の建設・運営「テクノファーム袋井」
前述のとおり、中部電力、スプレッドと協業し、世界最大規模となる1日10トンのレタスを生産できる完全人工光型植物工場「テクノファーム袋井」の開発を進めております。当社を含む3社は、植物工場事業を通じて、食や農業分野の課題を解決するとともに、クリーンエネルギーの積極的な利用や栽培過程におけるCO2の有効活用等、脱炭素化に向けた取組みを進めていくことで、持続可能で暮らしやすい社会の実現とSDGsの達成に貢献してまいります。
・名古屋競馬場跡地の開発事業における木材の使用促進の取組み
当該事業者グループは、愛知県と「建築物木材利用促進協定」を締結しております。愛知県産木材を積極的に活用する等、当該事業を通じて脱炭素に資する取組みを行ってまいります。
・「おおさか環境にやさしい建築賞 住宅部門賞」受賞
2022年1月に、分譲マンション「レ・ジェイド千里青山台(大阪府吹田市、総戸数152戸)」について、環境にやさしい建築物の普及促進及び大阪府民の意識啓発を図ることを目的として、建築物の環境配慮の模範となる建築主や設計者を表彰する「令和3年度おおさか環境にやさしい建築賞 住宅部門賞」(主催:大阪府・大阪市)を当社において初めて受賞しました。
(イ)社会「S」
・一般事業主行動計画の策定
2022年12月には、育児や介護を行う社員の家庭と仕事の両立支援の促進、女性を含めた全ての人材が継続して就業し活躍できる職場づくりを目指し、次世代育成支援対策推進法や女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(計画期間:2023年1月1日~2024年12月31日)を策定し、公表しました。
・「健康経営優良法人 2023」の認定取得
社員の健康は事業活動の礎であり、当社の持続的成長には必要不可欠な要素であると捉え、健康経営の推進を図っております。その結果、社員の健康促進・増進に向けた取組み、働きやすさの向上に向けた取組み、ダイバーシティへの取組みが主に評価され、2023年3月、「健康経営優良法人 2023」に認定されました。
・「企業版ふるさと納税」を活用した北海道北広島市への支援
北海道北広島市のまちづくりのさらなる発展に寄与するとともに、交通、観光、スポーツ及び教育等様々な分野に波及することにより、同市のさらなる発展の一助になればとの想いから、昨年に続き2023年3月に「企業版ふるさと納税」を活用し、同市に3億円を寄附しました。当該資金は将来にわたって活力あるまちを維持していくために活用されます。
・医療への貢献
病気や怪我で苦しんでいる多くの方々のために、iPS細胞による治療を早期にかつ安価で提供実現する活動を支援するため、京都大学「iPS細胞研究基金」に2020年以来寄附を行っております。
また、癌治療薬として期待されている癌ワクチンの治験支援として大阪大学大学院医学系研究科に2019年以来寄附を行い、2022年5月には癌免疫療法の研究を目的に、同研究科が取り組んでいる「癌免疫学」寄附講座の設置にかかる費用について寄附いたしました。
2022年11月には、チャリティイベント「Osaka Great Santa Run 2022」(主催:グレートサンタラン・オーガニゼーション(一般社団法人 OSAKA あかるクラブ内))へ協賛いたしました。当イベントでは、参加費の一部を病気と闘うこどもたちへのプレゼントとして届ける取組みを行っております。
・スポーツ振興への貢献
2021年4月には、プロサッカーチーム「FC琉球」を運営する琉球フットボールクラブ株式会社に出資し、これを通じて沖縄での事業機会創出の橋頭堡とするとともに、同チームの沖縄に密着した地域活性化活動を支援することにより、スポーツ振興を通して地域社会に貢献してまいります。
・人的資本の充実
持続的な成長の実現には組織力を強化していくことも重要課題であると捉え、社員又は社員が持つ知識、技能、資質等である「人的資本」のさらなる充実が重要であることを認識し、人材育成方針等の策定や教育・研修体系構築、さらには人的資本に係る情報開示等の準備に着手しております。また、昨今の物価高の影響や社員のエンゲージメント向上、及び優秀な人財の確保を図るため、2023年4月より給与のベースアップを行っております。
(ウ)ガバナンス「G」
・取締役指名及び報酬に関する任意の委員会設置
2020年1月に取締役の指名、報酬等にかかる取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的として、「指名・報酬諮問委員会」を設置しております。2023年3月より、4名の委員の内3名を監査等委員である取締役から独立社外取締役に交代し、取締役の選任及び報酬等につき公平性・透明性を確保することに加え、取締役の選任及び報酬等に関する監査等委員の意見陳述権の明確化を図る等、企業統治の向上に努めております。
・後継者育成
後継者候補制度いわゆるサクセッションプランへの取組みも開始し、2023年1月には計7名を雇用型執行役員として選任しております。
・取締役会の多様性
2023年3月24日開催の第28回定時株主総会において、社外取締役及び監査等委員である取締役がそれぞれ1名ずつ新たに選任され、当社の取締役会は業務執行取締役3名、社外取締役3名、監査等委員である取締役4名の計10名の構成となりました。取締役の半数となる5名(内女性1名)を独立役員としたことで、取締役会の多様性を拡充するとともに、よりガバナンスの効いた体制を構築しております。
・コンプライアンス経営の推進
当社の連結子会社である株式会社エスコンアセットマネジメント(以下「EAM」といいます。)に対する行政処分を重く受け止め、2022年10月に、法令遵守態勢及び内部管理態勢を強化するとともに、利害関係者との取引プロセスを監視し、二度と同じ事象を起こさないよう利益相反管理態勢を構築すべく、社長直下組織にコンプライアンス室を新設しました。
また、2023年3月にはコンプライアンス行動規範を見直し、コンプライアンス宣言を制定しました。こうした取組みにより、当社及びグループ全体におけるコンプライアンス経営の推進を徹底強化してまいります。
(エ)その他
不動産セクターのESG配慮を測る年次のベンチマーク評価であるGRESBに2018年より毎年参加し、継続的な評価結果の向上を目指しております。2022年10月には、「ディベロップメント・ベンチマーク」における環境への配慮やサステナビリティへの取組みについて、総合スコアでの相対評価に基づく5段階評価のGRESBレーティングにおいて、「2 Stars」の評価(報告期間:2021年1月1日~2021年12月31日)を取得し、また4年連続で「Green Star(※3)」を取得しております。
※3 「ディベロップメント・ベンチマーク」における「Green Star」とは、「マネジメント・コンポーネント」及び「ディベロップメント・コンポ―ネント」の2軸で絶対評価の上、双方ともの得点率が50%以上の参加者へ与えられます。
⑩EAMに対する行政処分について
当社の連結子会社であるEAMは、2022年7月15日に金融庁より業務停止命令及び業務改善命令の行政処分を受け、同年8月15日に業務改善報告を金融庁長官宛に提出し、受理されております。当社は、EAMの親会社であり、EAMを資産運用受託者とするEJRのメインスポンサーとして、今回のEAMに対する行政処分を重く受け止め、再発防止をグループ全体の重要課題と認識し、前述のとおり利益相反管理態勢を構築するためコンプライアンス室を設置しております。
また、EAMでは、2023年1月に代表者変更や当社との兼務解除など経営体制見直しを行い、新たなスタートを切っています。引き続き、指摘を受けた内容の本質、真因を踏まえ、EAMのみならずグループ全社で法令遵守態勢及び内部管理態勢の強化を徹底し、改善策を着実に実行してかかる事態の再発防止に全力を挙げて取り組んでまいります。
⑪セグメント別の事業展開
中核事業である不動産販売事業においては、収益不動産の販売等を行うとともに、分譲マンションの販売が順調に進捗しております。
分譲事業においては、「レ・ジェイド阿倍野播磨町(大阪市阿倍野区、総戸数48戸)」「レ・ジェイドシティ橋本Ⅰ・Ⅱ(相模原市緑区、総戸数Ⅰ/69戸、Ⅱ/87戸)」の新規分譲案件を販売開始しております。販売の進捗としては、「レ・ジェイド北海道ボールパーク(北海道北広島市、総戸数118戸)」をはじめ8物件が完売、「レ・ジェイド松戸 Station Front(千葉県松戸市、総戸数44戸)」等5物件は契約完売しております。
また、北海道での分譲マンション事業は順調に進展中、九州では福岡、熊本に続き長崎での開発にも着手しており、加えて沖縄にも進出する等、事業エリアの拡大を進めております。
不動産賃貸事業においては、前述のとおり、ピカソグループに加えて株式会社四条大宮ビル(会社分割後)を子会社化することで、賃貸事業のさらなる強化による安定収益確保が実現する見通しです。また、賃貸レジデンスの新ブランド「TOPAZ(トパーズ)」を立ち上げており、今後積極的に展開してまいります。
その他では、岡山県倉敷市で新たに商業底地を取得、また、前述の地域密着型ショッピングセンター「tonarie星田」が2023年3月に開業する等、商業施設の安定的な賃料収入の確保と資産価値の向上に努めております。
不動産企画仲介コンサル事業においては、納骨堂の永代使用権の販売を開始する等、当社が強みとする企画力等を活かし、業務受託、企画仲介コンサル事業等ノンアセットで利益率の高い事業として注力しております。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高28,541百万円(前年同四半期比124.6%増)、営業利益4,879百万円(同465.1%増)、経常利益4,497百万円(同671.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,006百万円(同1,175.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(ア)不動産販売事業
不動産販売事業においては、売上高25,258百万円(前年同四半期比156.3%増)、セグメント利益5,277百万円(同310.3%増)となりました。
(イ)不動産賃貸事業
不動産賃貸事業においては、保有する収益不動産の賃料収入の増加を含めた資産価値の向上を図るべくリーシング活動及びプロパティマネジメント事業に注力した結果、売上高3,118百万円(前年同四半期比16.8%増)、セグメント利益1,248百万円(同18.2%増)となりました。
(ウ)不動産企画仲介コンサル事業
不動産企画仲介コンサル事業においては、企画力、多面的な事業構築力を最大限に活かし、企画コンサル等の業務受託等に積極的に取組んだ結果、売上高165百万円(前年同四半期比9.0%減)、セグメント利益120百万円(前年同四半期は4百万円のセグメント損失)となりました。
契約及び販売の実績は次のとおりであります。
(ア)契約実績
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における不動産販売事業の契約実績は、次のとおりであります。
区分
前第1四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年3月31日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2023年1月1日
至 2023年3月31日)
期中契約高
期末契約残高
期中契約高
期末契約残高
物件戸数
(戸)
金額
(百万円)
物件戸数
(戸)
金額
(百万円)
物件戸数
(戸)
金額
(百万円)
物件戸数
(戸)
金額
(百万円)
中高層住宅等
290
14,435
903
53,761
174
8,651
731
37,668
その他
-
1,292
-
17,310
-
2,348
-
12,420
計
290
15,728
903
71,071
174
10,999
731
50,089
(イ)主な販売実績
前第1四半期連結累計期間及び当第1四半期連結累計期間における主な販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
前第1四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年3月31日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2023年1月1日
至 2023年3月31日)
物件名
物件
戸数
(戸)
金額
(百万円)
物件名
物件
戸数
(戸)
金額
(百万円)
不動産販売事業
分譲マンション
221
8,742
分譲マンション
186
15,852
鶴間駅前
-
323
岐阜県羽島市物流施設
-
8,380
その他
-
789
吹田市藤白台5丁目(老健用地)
-
308
その他
-
717
小計
221
9,854
小計
186
25,258
不動産賃貸事業
2,670
3,118
不動産企画仲介
コンサル事業
181
165
合計
12,706
合計
28,541
(注)セグメント間の取引はありません。
財政状態の状況は次のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末の資産については、前連結会計年度末比19,389百万円増加し、283,118百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,160百万円、棚卸資産が15,374百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債については、前連結会計年度末比20,207百万円増加し、219,792百万円となりました。これは主に長期・短期の借入金が24,909百万円増加したことによるものであります。
純資産については、前連結会計年度末比818百万円減少し、63,326百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益3,006百万円を計上したものの、配当金の支払3,673百万円があったことによるものであります。この結果、自己資本比率は23.0%(前連結会計年度末は25.0%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。