【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、当連結会計年度が連結財務諸表作成初年度であり、連結子会社である株式会社ヤナ・コーポレーションのみなし取得日を当連結会計年度末日(2023年7月31日)としているため、当連結会計年度においては連結範囲に含めた子会社である株式会社ヤナ・コーポレーションの業績は含まれておらず、また前連結会計年度との比較分析の記載はしておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症についてWHOが「緊急事態宣言」を終了したことや、わが国でも5類感染症へ移行されたこともあり、景気は緩やかに回復しておりますが、終わりが見えないロシア・ウクライナ情勢に起因した資源・エネルギー価格の上昇、急激な円安の進行を背景とした物価上昇が続き、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの属するリフォーム業界におきましては、アフターコロナを迎え、人々の移動の活発化に伴い、引越し等によるリフォーム工事の増加が期待できる反面、旅行や外食等、外出を伴う消費機会の増加により、リフォームに対する支出及び需要の減少が予測され、予断を許さない状況が継続するものと予想されます。
このような状況のもと当社グループは、総合リフォーム工事を取扱う株式会社ヤナ・コーポレーションの100%子会社化、同様にリフォーム工事を取扱う株式会社安江工務店や香港企業の匠屋本鋪有限公司を関連会社化するなどリフォーム工事事業の拡大を図るとともに、リゾート物件を取り扱う不動産事業として日本リゾートバンク株式会社を100%出資の子会社として設立するなど、新規事業への取組みも図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,166,512千円、営業利益は148,240千円、経常利益は142,933千円、親会社株主に帰属する当期純利益は69,464千円となりました。
(財政状態の状況)
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,845,468千円となりました。これは主に、現金及び預金1,199,110千円、完成工事未収入金427,833千円、契約資産143,091千円であります。固定資産は645,976千円となり、これは主に、関係会社株式346,794千円、土地138,188千円であります。
この結果、総資産は2,491,444千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は909,297千円となりました。これは主に、短期借入金400,000千円、工事未払金275,308千円であります。また、固定負債は103,120千円となりました。これは主に長期借入金87,890千円、繰延税金負債11,057千円であります。
この結果、負債合計は、1,012,418千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,479,026千円となりました。これは主に利益剰余金883,210千円、資本金349,789千円、資本剰余金249,789千円であります。
この結果、自己資本比率は59.4%となりました。自己資本比率は連結初年度のため、期末自己資本に基づいて算定しております。
なお、当社グループはリフォーム事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,154,640千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は67,918千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益143,661千円による収入、売上債権の増加額52,937千円による支出、仕入債務の増加額38,505千円の収入、株主優待引当金の増加額17,826千円の収入、減価償却費17,792千円の収入によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は469,072千円になりました。これは主に関係会社株式の取得による支出354,381千円、投資有価証券の取得による支出106,431千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は549,030千円となりました。これは主に短期借入金の増加による収入400,000千円、長期借入れによる収入87,500千円、株式の発行による収入66,378千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは生産形態をとらないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループでは受注から引渡しまでの期間が短いため、記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループはリフォーム事業の単一の報告セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。なお、当連結会計年度の施工実績を工事区分別に示すと、次のとおりであります。
区分
当連結会計年度
(自 2022年8月1日
至 2023年7月31日)
原状回復工事(千円)
2,021,262
リノベーション工事(千円)
1,551,079
ハウスクリーニング・入居中メンテナンス工事(千円)
111,855
その他(千円)
360,572
合計(千円)
4,044,770
なお、その他の事業の販売実績は当連結会計年度121,742千円となっております。
(注)当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
当連結会計年度
(自 2022年8月1日
至 2023年7月31日)
金額(千円)
割合(%)
㈱リプライス
811,150
19.5
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計の見積り)」に記載しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、前記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合った事業を展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・軽減し、適切に対応を行ってまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、完成工事原価である材料費及び外注費、人件費及び広告宣伝費等の販売費及び一般管理費であります。これらの資金需要に対して安定的な資金供給を行うための財源については、短期の運転資金につき基本的に内部留保資金により確保し、充当することとしております。現時点では十分な現金及び預金を保有しております。また、当社は取引金融機関3行とコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は600,000千円、借入未実行残高は200,000千円となっており、資金の流動性は十分確保されております。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後更に成長と発展を遂げるためには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に分配し、最適な解決策を実施していく方針です。