【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化や、ロシア・ウクライナ情勢により、地政学的リスクが高まり資源価格が高騰したことに加え、急激な円安の進行等により物価が上昇するなど、景気の先行きは依然として不透明な状況にて推移いたしました。
このような経済環境の中、当社グループの主力事業である総合建設コンサルタント事業では、甚大化する自然災害や老朽化した社会インフラの維持・管理等の国土強靭化の必要性から公共事業関係費が安定的に推移していることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響も軽微であることから、外部環境は堅調に推移しております。
一方で、スポーツ施設運営事業および水族館運営事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染力の強い変異株の再拡大や、施設の運営に係る電力費や生物の飼育飼料の高騰が業績に影響を及ぼしております。
なお、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症による業績への影響は、今後当連結会計年度末まで続くとの仮定の下、会計上の見積りを行っております。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの売上高は、37億8千5百万円(前年同四半期比15.6%増)となりました。損益面におきましては、営業利益は1億2千9百万円(前年同四半期比11.5%減)、経常利益は1億9千9百万円(前年同四半期比26.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億2千3百万円(前年同四半期比32.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
《総合建設コンサルタント事業》
当社グループの主力事業であります総合建設コンサルタント事業におきましては、政府による国土強靭化を背景に、防災・減災対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた社会インフラの老朽化対策等の対応が求められており、外部環境は堅調に推移しております。
このような状況の中、総合建設コンサルタント事業では、国土強靭化に係る業務を重点分野と定めており、流域治水対策や無電柱化業務、道路防災・落石対策等の測量・調査・設計業務に注力しております。
当第1四半期連結累計期間においては、航空測量分野や地盤調査分野の受注増加が増収に寄与しているものの、前連結会計年度からの繰越業務量も多く、人手不足による生産能力の調整のため、新規受注機会を逸失する事例も発生しております。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の総合建設コンサルタント事業の売上高は29億7千9百万円(前年同四半期比0.2%増)となりました。損益面におきましては、大型業務の変更契約が顧客先の事業年度末である3月付近となるため、原価費用が先行し、一時的に収益が悪化したことから、営業利益は1億2千8百万円(前年同四半期比34.3%減)の減益となりました。なお収益率については、変更契約が予定されている第3四半期連結累計期間には改善する見通しです。
また、当第1四半期連結累計期間において、受注高は30億8千9百万円(前年同四半期比15.8%減)、受注残高は74億6千3百万円(前年同四半期比4.3%減)となりました。
《スポーツ施設運営事業》
スポーツ施設運営事業におきましては、岡山県および広島県を事業基盤として、総合フィットネスジムであるエイブルを2店舗、24時間運営のフィットネスジムのW-FIT24をフランチャイズ運営含め7店舗展開しております。また、指定管理事業として、岡山県内の御津スポ―ツパークと総社市スポーツセンターの運営を行っております。
スポーツ施設運営事業の市場環境としては、新型コロナウイルス感染症の影響により、大幅に会員数が減少しておりましたが、段階的な経済活動の再開に伴い緩やかに回復傾向にあります。
しかしながら、当第1四半期連結累計期間においては、全国的に感染者数が増加し、事業基盤である岡山県および広島県においても8月の月間感染者数が過去最高となりました。このため、当第1四半期連結累計期間の会員数は、6,426名(2022年7月期末対比0.2%減)、休会者数は169名(2022年7月期末対比11.2%増)となりました。
引き続き、感染防止対策を徹底しつつ、退会者および休会者のフォローアップに努めてまいります。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間のスポーツ施設運営事業の売上高は、1億6千8百万円(前年同四半期比20.7%増)、損益面におきましては、電力費の高騰等を主要因として、営業損失は5百万円(前年同四半期は3百万円の営業損失)となりました。
《水族館運営事業》
水族館運営事業におきましては、香川県宇多津町の四国水族館および兵庫県神戸市中央区のアトアの主要2施設を中心として水族館に係る生物調達業務および管理・運営等の総合マネジメント業務を行っております。
水族館運営事業の市場環境としては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、依然として深刻な状況が継続し、来館者数は、海外および県外からの観光客や団体客の減少を主因として、計画目標を下回っております。
このような状況の中、当第1四半期連結累計期間においては、行楽シーズンであることから一時的に修学旅行等の団体客が増加したものの、全国的に新型コロナウイルス感染症が再拡大したことから、来館者数は一定水準に留まっております。
スポーツ施設運営事業と同様に引き続き、感染症防止対策を徹底しつつ企画展示を充実し、集客および施設認知度の向上に努めてまいります。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の水族館運営事業の売上高は、アトアの開業が寄与し、5億6千4百万円(前年同四半期比481.6%増)と大幅に増収いたしました。損益面におきましては、燃料費や飼育飼料の高騰等により、営業利益は4千4百万円(前年同四半期は5百万円の営業損失)に留まりました。
(2)財政状態の状況
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億8千3百万円減少し、178億1千7百万円となりました。
流動資産については、「現金及び預金」が40億7千9百万円減少しております。これは、未払金や税金等の支払を行ったことに加え、総合建設コンサルタント事業における入金の減少が主な要因となっております。総合建設コンサルタント事業においては、成果品の納品完了をもって対価の請求を行いますが、時間外の労働規制や成果品の適正品質確保等を背景に、適正な工期を確保する観点から、例年に比べ契約工期が長く設定される傾向があり、成果品の納品完了時期が後ろ倒しになっていることが要因になります。また、請負業務の生産は予定通り進捗していることから、未請求の債権である「契約資産」が16億9千1百万円増加しております。結果として、流動資産合計では前連結会計年度末に比べ24億4千3百万円の減少となりました。
固定資産については、余剰資金運用のために公社債等を保有しておりますが、上場株式等の時価評価額の減少等の結果、「投資有価証券」が1千4百万円減少した一方、堅調に推移する3次元計測の受注に対応するため、無人ボート等の3次元測量機器の増設等により、有形固定資産が2千8百万円、また、匿名組合投資利益の分配により、投資その他の資産の「その他」に含めております「出資金」が4千4百万円それぞれ増加しております。結果として、固定資産合計では前連結会計年度末に比べ5千9百万円の増加となりました。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ22億6千2百万円減少し、27億5千9百万円となりました。
流動負債については、「業務未払金」が1億9千5百万円、「賞与引当金」が1億5千9百万円それぞれ増加した一方、未払金の支払により「その他」に含めております「未払金」が15億7千7百万円、税金の納付により「未払法人税等」が4億6千2百万円それぞれ減少しております。結果として、流動負債合計では前連結会計年度末に比べ22億5千1百万円の減少となりました。
固定負債については、「その他」に含めております「リース債務」が7百万円、投資有価証券の時価評価差額が減少したことにより、同じく「その他」に含めております「繰延税金負債」が3百万円それぞれ減少しております。結果として、固定負債合計では前連結会計年度末に比べ1千1百万円減少となりました。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億2千1百万円減少し、150億5千8百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益1億2千3百万円の計上と配当金2億3千5百万円の支払等により「利益剰余金」が1億1千2百万円、投資有価証券の時価評価額の減少に伴い「その他有価証券評価差額金」が8百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更および新たに定めたものはありません。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は6百万円であります。
総合建設コンサルタント事業
社内のイノベーションによる新たな事業展開・拡大のため、当第1四半期連結会計期間より下記に示す技術研究開発に取り組んでおります。
・防災・減災対策等のための3次元データシミュレーションに関する研究
・マルチセンシングによる森林資源量解析技術の開発
・流砂形態の連続性を考慮した土砂・洪水氾濫解析モデルの構築
・衛星関連解析アプリケーションの研究
・AI(人工知能)を用いた橋梁点検支援業務の開発
・PPP-RTKによる低コスト林内測位技術の開発
・小型PCを用いた現地データの自動転送装置の開発
・洪水浸水シナリオ体験型避難支援Webアプリの開発、ならびに関係する地元での社会実験
当第1四半期連結累計期間の総合建設コンサルタント事業における研究開発費は、6百万円であります。
(6)受注及び販売の実績
①受注実績
当第1四半期連結累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同四半期比(%)
受注残高(千円)
前年同四半期比(%)
総合建設コンサルタント事業
3,089,150
84.2
7,463,802
95.7
報告セグメント計
3,089,150
84.2
7,463,802
95.7
その他
72,908
111.8
-
-
合計
3,162,058
84.7
7,463,802
95.7
(注)スポーツ施設運営事業および水族館運営事業の受注実績は、受注生産ではないため省略しております。
②販売実績
当第1四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当第1四半期連結累計期間
(自 2022年8月1日
至 2022年10月31日)
前年同四半期比(%)
総合建設コンサルタント事業(千円)
2,979,389
100.2
スポーツ施設運営事業(千円)
168,274
120.7
水族館運営事業(千円)
564,744
581.6
報告セグメント計(千円)
3,712,408
115.7
その他(千円)
72,908
111.8
合計(千円)
3,785,316
115.6
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
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