【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しております。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する売上高の説明については、前期比(%)を記載せず(前期比-%)として表示しております。詳細は、「第5 経理の状況 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限が緩和され、経済活動に持ち直しの動きがみられる一方、ウクライナ情勢をめぐる地政学的リスクの高まりに加えて、欧米諸国と日本の金融政策の違いなどから為替が円安に進行し、エネルギー価格をはじめとする諸資材価格が高騰するなど非常に厳しい状況で推移しました。このような状況の中、長期的な視点で会社の方向を示すべきと考え、2019年に制定した新たな企業理念を踏まえ、ISHIZUKA GROUP 2030~挑戦し続けることにより、躍動する企業へ~を策定しました。また、これに基づき、2024年度中期経営計画「変化するスピードに負けない」を当期よりスタートし、①2024年度連結営業利益3,500百万円、②中堅・若手人財の育成への取り組み、③2030年CO2排出量50%削減(2015年対比)に向けたロードマップ作りとその実践に取り組んでおります。業績につきましては、地政学的リスクの高まりに加えて為替が円安に進行したことにより、LNG及び電力などのエネルギー価格が高騰し、これに対する一部値上げとグループを挙げてのコスト削減に取り組むものの、グループ全体の売上高は56,749百万円(前期比-%)、営業利益2,210百万円(前期比15.4%減)、経常利益2,317百万円(前期比17.0%減)となりました。また、ガラスびん事業の生産拠点である姫路工場の生産停止に伴う損失として工場閉鎖関連損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益252百万円(前期比88.8%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<ガラスびん関連事業>ガラスびんは、飲食店向けの需要が回復するとともに、エネルギー価格をはじめとした諸資材価格高騰に対する製品への価格転嫁が徐々に市場に浸透したことにより、売上高は14,539百万円(前期比-%)となりました。 <ハウスウェア関連事業>ガラス食器は、企業向けの業務用品及び景品の受注と「アデリアレトロ」などの一般市場向けの販売が堅調に推移しました。陶磁器は、海外のエアライン向けの受注が大きく回復したことにより、セグメント全体の売上高は13,244百万円(前期比-%)となりました。 <紙容器関連事業>紙容器は、製品の主原料である原紙の調達コスト高騰に対する販売価格是正の取り組みを進めており、売上高は7,147百万円(前期比-%)となりました。 <プラスチック容器関連事業>PETボトル用プリフォームは、最終製品の価格改定の影響もありましたが、行動制限の緩和や夏場の猛暑の影響もあり、主要ユーザーからの受注が増加し過去最高本数の出荷となり、売上高は14,526百万円(前期比-%)となりました。 <産業器材関連事業>産業器材は、調理器用トッププレートの受注が堅調に推移し、売上高は2,498百万円(前期比-%)となりました。 <その他事業>抗菌剤は、海外からの旺盛な需要が落ち着き、世界的なインフレ等の影響もあり出荷が伸び悩みました。金属キャップは、酒類及び医薬品向けともに堅調に推移し、セグメント全体の売上高は4,793百万円(前期比-%)となりました。
生産、仕入、受注及び販売の実績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しているため、生産実績、受注実績及び販売実績の前期比(%)を記載せず―として表示しております。
① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
11,422
-
ハウスウェア関連
8,648
-
紙容器関連
7,018
-
プラスチック容器関連
14,766
-
産業器材関連
2,471
-
報告セグメント計
44,327
-
その他
3,216
-
合計
47,544
-
(注) 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
② 仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
1,018
148.9
ハウスウェア関連
1,453
95.9
紙容器関連
93
54.0
プラスチック容器関連
149
106.5
産業器材関連
1
28.8
報告セグメント計
2,716
107.9
その他
48
154.4
合計
2,765
108.4
(注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
③ 受注実績当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
13,814
-
2,822
-
ハウスウェア関連
7,885
-
1,229
-
紙容器関連
7,270
-
1,396
-
プラスチック容器関連
15,122
-
2,773
-
産業器材関連
2,509
-
69
-
報告セグメント計
46,602
-
8,291
-
その他
2,974
-
225
-
合計
49,576
-
8,517
-
(注) ハウスウェア関連のうち、直需専用品等は受注生産を行っておりますが、一般品等は見込生産を行っております。
④ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
ガラスびん関連
14,539
-
ハウスウェア関連
13,244
-
紙容器関連
7,147
-
プラスチック容器関連
14,526
-
産業器材関連
2,498
-
報告セグメント計
51,955
-
その他
4,793
-
合計
56,749
-
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
12,865
18.5
-
-
アサヒ飲料株式会社
7,763
11.2
-
-
3.当連結会計年度においては、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2) 翌連結会計年度の目標とする経営指標1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(2) 中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標に記載のとおり、2024年度(2025年3月期)の連結営業利益3,500百万円を目標として積極的な取り組みを進めてまいりますが、2024年3月期の連結経営成績につきましては、売上高57,000百万円(前期比0.4%増)、営業利益1,800百万円(前期比18.6%減)、経常利益1,500百万円(前期比35.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円(前期比375.8%増)を見込んでおります。エネルギー価格をはじめとする諸資材価格の高止まりについては、それに対する販売価格改定の取り組み並びに製造工程の合理化を通じたコスト低減施策を実行してまいりますが、プラスチック容器関連のPETボトル用プリフォーム新工場の立ち上げの影響もあり、営業利益及び経常利益は減益となる見通しです。
(3) 財政状態 当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は86,536百万円(前期比4,439百万円増)、負債合計は57,787百万円(前期比4,553百万円増)、純資産合計は28,749百万円(前期比114百万円減)となりました。新たに姫路工場に建設するPETボトルプリフォーム用工場の設備投資に係る資金調達を実行したことにより、長期借入金が大きく増加しました。そのため、資産及び負債ともに増加しました。純資産は前期対比で大きな増減はなく、これらの結果により自己資本比率は29.0%(前連結会計年度末は30.8%)となりました。
(4) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ744百万円増加し、6,069百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果増加した資金は、2,087百万円(前年同期は4,093百万円の資金増加)となりました。資金増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものです。一方、資金減少の主な要因は、法人税等の支払額、未収入金の増加及び売上債権の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、5,593百万円(前年同期は548百万円の資金減少)となりました。資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果増加した資金は、4,140百万円(前年同期は1,868百万円の資金減少)となりました。資金増加の主な要因は、長期借入による収入によるものです。一方、資金減少の主な要因は、短期借入金の減少及びリース債務の返済による支出によるものです。また、金融機関と総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原燃料や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。必要な手元資金を確保しつつ、突発的な資金手当てにつきましては、短期資金調達枠の利用により機動的に対応することで流動性リスクに備えています。また、今後の事業戦略に必要な設備投資やM&A等の資金需要につきましては、必要に応じて資金調達を行ってまいります。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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