【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動は正常化に向かう動きが見られましたが、原料・エネルギー価格の高騰や円安等の為替動向の懸念等により、依然として先行きは不透明な状況となっております。
その一方で、当社グループの主要な事業領域である国内インターネット広告市場の2022年の市場規模は、前年比14.3%増の3兆円となり、わずか3年で約1兆円増加しており、総広告費における構成比は43.5%まで拡大し、広告市場全体の成長をけん引しております(出典:株式会社電通「2022年日本の広告費」)。また消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は、経済産業省による2022年の調査「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、国内のBtoC-EC市場の市場規模は前年比で2.0兆円、9.9%増の22.7兆円と引き続き拡大しています。物販系分野のBtoC-EC市場規模については、2022年において、伸長率は鈍化したものの前年比5.4%増の13.9兆円となり拡大傾向が継続しております。また、EC化率(全ての商取引市場規模に対する電子商取引市場規模の割合)が前年比0.4ポイント増の9.1%となるなど、BtoC-EC市場は依然として着実な成長を続けております。
このような経済状況のもと、当社グループでは、グループ経営の機動性・柔軟性を高め事業拡大を実現する体制を構築するため持株会社体制へ移行し、前連結会計年度においては、連結子会社である株式会社フィードフォースのFeedmatic事業を同じく連結子会社であるアナグラム株式会社へ承継させる会社分割を行い、またIPOを含めた経営戦略の検討を始めたテープス株式会社を連結子会社から持分法適用関連会社へ異動し、それに加えてグループの経営資源を最大限に活用することを目的として、連結子会社であるシッピーノ株式会社の完全子会社化を行いました。当連結会計年度においては、連結子会社である株式会社フラクタを完全子会社化する組織再編を行い、このような組織体制のもとで、EC事業支援に関連するパートナー企業との事業連携を強化し、新規事業の開発を継続して推進してまいりました。
この結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、下表の通りとなりました。
<連結業績> (単位:百万円)
2023年5月期
第2四半期
(累計)
2024年5月期
第2四半期
(累計)
増減額
増減率(%)
売上高
1,880
2,143
263
14.0
EBITDA
530
753
222
42.0
営業利益
402
647
245
60.9
経常利益
398
622
223
56.1
親会社株主に帰属する四半期純損益
△116
175
292
-
※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
そのなかで、当社グループは「『働く』を豊かにする。~B2B領域でイノベーションを起こし続ける~」をミッションに掲げ、「プロフェッショナルサービス事業」、「SaaS事業」、「DX事業」の3セグメントにおいて事業を展開しております。
セグメント別の経営成績は、次の通りであります。
<セグメント区分について>
セグメント名
所属サービス、所属カンパニー
詳細
プロフェッショナルサービス事業
「Anagrams」アナグラム㈱
「DF PLUS」㈱フィードフォース
デジタルマーケティングサービス
(広告マーケティング支援、インターネット広告運用代行、データフィード構築運用)
SaaS事業
「EC Booster」㈱フィードフォース
「dfplus.io」㈱フィードフォース
「ソーシャルPLUS」㈱ソーシャルPLUS
「CRM PLUS on LINE」㈱ソーシャルPLUS
サブスクリプション型ツール提供サービス(Googleへの商品掲載・広告運用自動化ツール、データフィード管理ツール、ソーシャルログイン・メッセージ配信ツール)
DX事業
「FRACTA」㈱フラクタ
「Star Tracker」㈱フラクタ
「Shippinno」シッピーノ㈱
「Omni Hub」㈱フィードフォース
「どこポイ」㈱リワイア
EC事業支援サービス
(ブランド戦略設計・EC構築支援サービス、ECの出荷・受注業務自動化ツール、Shopifyアプリ開発)
<セグメント別業績> (単位:百万円)
2023年5月期
第2四半期
(累計)
2024年5月期
第2四半期
(累計)
増減額
増減率(%)
プロフェッショナルサービス事業
売上高
営業損益
1,038
479
1,196
541
158
61
15.2
12.9
SaaS事業
売上高
営業損益
434
168
526
217
91
48
21.2
28.7
DX事業
売上高
営業損益
407
△245
420
△111
13
134
3.3
-
合計
売上高
営業損益
1,880
402
2,143
647
263
245
14.0
60.9
<プロフェッショナルサービス事業>
プロフェッショナルサービス事業では、エンタープライズを中心とした企業に対し、運用型広告代行及びデータフィードマーケティング等のデジタルマーケティング支援を行っております。
当第2四半期連結累計期間においては、インターネット広告需要の高まりを背最とした新規顧客の獲得及び既存顧客の広告予算の増加並びに広告運用コンサルタントの採用強化による運用体制強化により、前第2四半期連結累計期間と比較し、増収増益となりました。
<SaaS事業>
SaaS事業では、エンタープライズからSMBまで幅広い企業に対し、セルフサービスで高度なマーケティングが実施できるツールとして、データフィード管理やソーシャルログインシステム等をSaaSにより提供しております。
当第2四半期連結累計期間においては、主に「dfplus.io」とソーシャルPLUSにおける新規顧客の獲得及び既存顧客からの受注額増加に加え、LINEメッセージ配信サービスやShopifyアプリ「CRMPLUS on LINE」の需要が高く、順調に推移した結果、前第2四半期連結累計期間と比較し、増収増益となりました。
<DX事業>
DX事業では、主にEC事業者を対象としてShopifyによるサイト構築含むブランディング支援に加え、Shopifyアプ
リなどの開発・提供を行っております。
当第2四半期連結累計期間においては、2023年6月に完全子会社化した株式会社フラクタにおいて新規顧客の獲得に苦戦したものの、Shopifyアプリによる収益の増加が順調に推移いたしました。また、前連結会計年度において、開発費用が先行し営業損失を計上していたテープス株式会社を連結子会社から持分法適用関連会社へ異動を行ったこと、それに加えて事業のコスト構造の見直し等を行い採算性の改善に取り組んだ結果、前第2四半期連結累計期間と比較し、増収損失減少となりました。
また、株式会社フラクタに関連するのれんについて、将来の事業計画を見直した結果、当初計画していた収益が見込めなくなったと判断したため、当第2四半期連結会計期間に減損損失としてのれんの未償却残高290百万円を特別損失に計上いたしました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は6,877百万円となり、前連結会計年度末に比べ242百万円減少いたしました。
(流動資産)
当第2四半期連結会計期間末の流動資産合計は、5,423百万円となり、前連結会計年度末に比べ175百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が207百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当第2四半期連結会計期間末の固定資産合計は、1,453百万円となり、前連結会計年度末に比べ417百万円減少いたしました。これは主にのれんが329百万円、及び顧客関連資産が55百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当第2四半期連結会計期間末の流動負債合計は、2,717百万円となり、前連結会計年度末に比べ176百万円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が100百万円、買掛金が46百万円それぞれ減少した一方、短期借入金が366百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当第2四半期連結会計期間末の固定負債合計は、1,284百万円となり、前連結会計年度末に比べ402百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が385百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、2,875百万円となり、前連結会計年度末に比べ15百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が176百万円増加した一方、資本剰余金が179百万円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ207百万円増加し、2,803百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、418百万円の収入(前年同期は185百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額396百万円があった一方、税金等調整前四半期純利益の計上502百万円及び減損損失の計上
290百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、101百万円の収入(前年同期は10百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入89百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、313百万円の支出(前年同期は131百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出485百万円があったことによるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(8)研究開発活動
該当事項はありません。
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