【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況① 経営成績の分析当社グループは「未来を今に近づける“ソーシャルDX”カンパニー」をパーパスとして定めております。これは、「あるべき未来」の実現を阻むさまざまな課題をデジタルトランスフォーメーション(DX)によって解決し、「未来」を「現在」に変えていこうという私たちの姿勢と決意を示しております。更に様々な社会課題を解決していくことが我々の新たな事業機会であると捉え、自社の成長につなげていくことを基本的な経営方針としております。このような方針のもと、当社グループにおいては事業セグメントを以下の5つに分類するとともに、それぞれのセグメントにおいてその実現に向けた取り組みを行っております。当社グループの事業セグメントは、個人向け映像配信サービスを提供する「コンテンツ配信事業」、業務店や施設向けに店舗DXサービス、音楽配信サービスや店舗向け集客支援サービスを提供する「店舗サービス事業」、オフィス向けネットワーク、セキュリティサービスの提供やインターネットサービス等の代理販売を行う「通信事業」、医療機関やホテルを中心に、自動精算機やフロントの管理システムを提供する「業務用システム事業」、業務店や商業施設向けに高圧、低圧電力を提供する「エネルギー事業」であります。また、当社グループは、主軸事業である店舗サービスの提供先である業務店を始め、ホテル・病院・ゴルフ場や中小オフィスといったBtoB市場や映像配信、通信サービスをはじめとするBtoC市場などの様々な顧客が当社グループの最大の資産であると考えております。当第1四半期連結累計期間においては、経済社会活動の回復に併せ個人の活動が様々な方面に及び、レジャー等の外出機会も増え、リモート勤務からオフィスへ出勤する割合も増加しております。国内旅行は活況を呈しており、訪日外国人の復調により宿泊客が増加しております。様々な行事やイベントも復活し、業務店の営業や施設の稼働も以前の状況に戻りつつあります。一方、インフルエンザ等の流行、円安や物価の高騰、深刻な人手不足等当社顧客を取り巻く事業環境は一層不透明な状況となっております。このような状況下、当社グループでは様々な事業活動を通して社会のニーズや課題を一気通貫で対応し、業務店やサービス利用者の方々をサポートするとともに、個人ユーザーに対して、人々の自由な時間を最高なものとするために、誰もが使いやすいサービスを開発し、更に幅広いジャンルのコンテンツを提供し続けるための取り組みを行ってまいりました。この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高73,724百万円(前年同四半期比15.3%増)、営業利益7,478百万円(前年同四半期比63.0%増)、経常利益7,321百万円(前年同四半期比71.1%増)、また、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては4,198百万円(前年同四半期比79.4%増)となりました。当社グループの各セグメント別の売上高(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)及び営業利益は以下のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間から一部報告セグメントを変更しております。変更の内容については、「第4 経理の状況 1.四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」の「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<コンテンツ配信事業>コンテンツ配信事業は、連結子会社の㈱U-NEXTが運営しており、映像配信サービス『U-NEXT』の提供・販売を行っております。『U-NEXT』では、豊富な見放題作品を用意しており、2023年12月時点で映画やドラマなどの動画作品はレンタルも含めて35万本以上、漫画や書籍などの電子書籍は97万冊以上、雑誌は190誌以上をそろえ、1つのアプリで「観る」「読む」をシームレスに楽しめる、ジャンルを超えたエンタメ体験をお届けしています。当第1四半期連結累計期間においては、経済社会活動の正常化により、外出機会の増加、規制緩和によるライブやコンサート等のリアルイベントが活況となってきて「巣ごもり」需要が減少するにつれ、映像配信サービスは消費者による選択と集中が行われてきております。また、為替相場は引き続き円安基調でありコンテンツの調達コストに一定の影響を与えております。このような状況下において、『U-NEXT』は、『Paravi』とのサービス統合、『VIVANT』『みなと商事コインランドリー2』などTBS、テレビ東京の放送中ドラマやバラエティ、ラ・リーガなどの欧州サッカーや国内外の格闘技やゴルフツアー、さらには「バレーボールネーションズリーグ」「アジア大会中国・杭州」などイベント型のスポーツコンテンツも好調に推移し、2023年9月30日時点で有料会員数400万人を突破し、その後も順調に有料会員数を伸ばしております。更に、動画配信サービス各社がオリジナル映画・ドラマの制作に注力する中、『U-NEXT』はIP戦略の一環としてオリジナル書籍やオリジナルコミックの配信を行ってまいりました。2023年10月にはオリジナルコミックレーベル「U-NEXT Comic」として縦スクロールマンガの提供を開始いたしました。今後も「アジアドラマ」、「スポーツ」、「ライブ配信」に加え「電子書籍」についても、更なるラインアップの拡充に努めてまいります。その結果、コンテンツ配信事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は25,435百万円(前年同四半期比37.2%増)、営業利益は2,177百万円(前年同四半期比16.5%増)となりました。
<店舗サービス事業>店舗サービス事業は、連結子会社の㈱USEN、キャンシステム㈱、㈱USEN Media、㈱USEN FB Innovation、㈱USENテクノサービス、USEN-NEXT Design㈱、㈱ユーズミュージック、WannaEat㈱、㈱USEN TRUSTが運営しており、音楽配信・店舗DXサービスを始めとする店舗ソリューションの提供・販売・施工、飲食店向け集客支援、フードライセンスシェアリングサービス、音楽著作権の管理・開発等を行っております。音楽配信サービスは、全国の業務店、チェーン店や個人のお客様に、最適なインフラを経由し、専用の受信端末機を通じて、音楽・情報等を提供しております。また、店舗DXサービスは、POSレジ『USENレジ』、キャッシュレス決済『USENPAY』、飲食店向けの集客支援サービス、Wi-Fi、IPカメラ、デジタルサイネージなどのIoTサービス、家賃保証サービス、損害保険サービスなど、店舗運営に必要なソリューションを提供しております。また、㈱USEN Mediaは自社グルメサイトとして『ヒトサラ』及び訪日外国人向け『SAVOR JAPAN』を展開、『食べログ』の取り扱いも含めた飲食店向け集客支援サービスを提供しており、WannaEat㈱はフードライセンスシェアリングサービスを行っております。更に、㈱USEN TRUSTでは家賃債務保証事業や保証延長サービスを行っており、保証関連ビジネスを当該社が担うことで、当該ビジネスを当社グループ横断で展開していく予定です。本事業では、音楽配信サービスの安定的な収益基盤を軸に、店舗のDX市場開拓を積極的に進めていく方針のもと、全国の業務店、チェーン店顧客との取引の維持拡大、新規顧客の獲得及びブランド力の向上に取り組んでおります。当第1四半期連結累計期間においては、㈱USENでは、「お店の未来を創造する」をミッションに掲げ、引き続き店舗運営に必要な店舗DXをトータルサポートすることに注力し、顧客の課題解決に向けた取り組みを推し進めてまいりました。今般新たに開業した大型施設等へ放送設備を一括導入するなど売上増加に寄与しました。WannaEat㈱では、110種類以上のフードブランドを揃えた食のセレクトショップ『WannaEat』を展開し、新フードブランドの創出によって加盟店や顧客利用の拡大を図っております。また、2023年9月1日には㈱Toremoroを子会社化し、フードデリバリーオーダーの一元管理サービス『Orderly』を自社サービスのラインアップに加えました。フードデリバリーブランドフランチャイズサービス『フーシェア』とのセット販売を進めることにより、加盟店舗に提供する付加価値を高めることが可能となっております。その結果、店舗サービス事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は16,735百万円(前年同四半期比8.9%増)、営業利益は2,616百万円(前年同四半期比6.4%増)となりました。
<通信事業>通信事業は、連結子会社の㈱USEN NETWORKS、㈱U-NEXT、㈱USEN ICT Solutions、㈱USEN Smart Works、㈱USEN-NEXT LIVING PARTNERS、㈱TACT、㈱U-MX、㈱Next Innovation、Y.U-mobile㈱が運営しております。法人向けには、主に㈱USEN ICT Solutionsが、「USEN GATE02」ブランドでサービスを提供しており、ネットワーク、セキュリティ、クラウドサービスを総合的に提案できる強みを活かし、ICTソリューションの「マルチサービスベンダー」としてICT環境構築の提案・販売を行っております。また、㈱USEN Smart Worksでは、従業員の働き方をサポートするため、様々なクラウドサービス(SaaSサービス)を取りそろえて企業に提供しており、導入後のきめ細やかな対応にも留意いたしております。業務店向けには、主に㈱USEN NETWORKSが自社で提供する光回線「USEN光plus」、ISP「USEN NET」や次世代IP電話サービスなど、お客様のニーズに合わせて様々なサービスの提供を行っております。個人向けには、主にY.U-mobile㈱がMVNOサービス『y.u mobile』の提供を行っており、シンプルな料金プランによりサービス提供開始以降お客様に好評をいただいております。当第1四半期連結累計期間においては、法人向けサービス、回線取次や自社光回線サービスが引き続き堅調に推移いたしました。㈱USEN NETWORKSでは、自社で提供する法人向け光回線『USEN光plus』の新規獲得が引き続き安定的に増加しており、ワンショット型の手数料獲得モデルからランニング収益獲得モデルへのシフトが図れております。また、㈱USEN ICT Solutionsでは、複合施設やホールのネットワーク機器導入からインターネット環境構築まで一括して請け負うなどの大型案件を受注するなど、収益増加に寄与いたしました。その結果、通信事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は15,457百万円(前年同四半期比15.5%増)、営業利益は1,763百万円(前年同四半期比35.8%増)となりました。
<業務用システム事業>業務用システム事業は、連結子会社の㈱アルメックスが行っております。㈱アルメックスは「テクノホスピタリティ(Technology×Hospitality)を世界へ」をミッションに、最新のテクノロジーを駆使した製品やサービスによって、お客様とその先にいるエンドユーザーの方々へ「究極のホスピタリティ」を提供することを目指しており、ビジネスホテル・シティホテル、レジャーホテル、総合病院やクリニック、ゴルフ場等向けに、自動精算機、ホテル管理システム、受付機・案内表示機等の開発・製造・販売・メンテナンスを行っております。また、飲食店向けには、オーダー端末やオペレーティングシステムの販売等も行っております。当第1四半期連結累計期間においては、2023年10月インボイス制度導入に伴う対応、また2024年7月に新紙幣が発行開始されることを受けて、多くの施設で新紙幣対応機器への入れ替え、新規導入ニーズが顕在化し、前四半期に引き続き売上を伸ばしました。ホテルでは、国内旅行の活況、訪日外国人の復調により宿泊客が増加しております。インバウンドの獲得のための多言語対応や人手不足時代の省人化のニーズを敏感に捉えるなど、顧客の課題に積極的に対応してまいりました。病院・クリニックにおいては、人手不足や働き方改革から十分な受付窓口スタッフの配置が難しい状況や非対面での受付対応、更に省スペースというニーズに対し、新たに小型のセルフレジの販売を開始するなど、支払い方法の多様化と省人化に対応しております。また、これらのソリューションは、ゴルフ場、飲食店、レジャー施設など、多くの業種でも注目されており、新たな事業機会ととらえ事業領域の拡大に取り組んでまいりました。その結果、業務用システム事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は5,287百万円(前年同四半期比27.0%増)、営業利益は1,044百万円(前年同四半期比152.6%増)となりました。
<エネルギー事業>エネルギー事業は、連結子会社の㈱U-POWER、㈱USENが運営しており、『U-POWER』『USENでんき』『USEN GAS』を提供しております。㈱U-POWERでは、企業のESG経営・SDGs対応を支援するためグリーンエネルギー比率が異なる3プランを提供し、店舗・施設で消費するエネルギーのグリーン化を推進しております。㈱USENは東京電力グループとの業務提携による業務店向けの低圧電力、商業施設向けの高圧電力、更に都市ガスサービスの取次販売、省エネルギー施策提案などのエネルギー・コンサルティング・サービスを提供しています。当第1四半期連結累計期間においては、経済社会活動は活発となり、顧客先店舗・商業施設等の電気消費量も回復しました。秋以降も気温が高い日が続くなどこれまでにないような気候が続きましたが、電力の消費量も順調に推移し、売上増加につながりました。電源調達コストは低下基調にある一方、大手電力会社では、新たな料金メニュー(標準メニュー)の見直しが行われ、規制料金値上げが認可されるなど、マーケットの変化が続いております。㈱U-POWERでは、2023年11月1日より家庭向けの再生可能エネルギー電力プラン「GREENホーム」を開始いたしました。これまで企業向けに実質再生可能エネルギーの高圧・低圧電力の販売を行ってまいりましたが、今回新たに家庭向けにも販売することで、日本国内の再生可能エネルギーの普及に貢献し、持続可能な社会の実現に向けて社会的責任を果たしてまいります。なお、「GREENホーム」では、「一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」を通じて森林保護活動を支援しており、ご契約者様も森林保全活動に参加いただけるような仕組みを構築してまいります。その結果、エネルギー事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は11,947百万円(前年同四半期比10.5%減)、営業利益は1,641百万円(前年同四半期比439.6%増)となりました。
② 財政状態の分析(資産)当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,933百万円増加し、203,457百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が330百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が778百万円減少したこと、棚卸資産が902百万円増加したこと、前払費用が3,340百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて2,932百万円増加し、124,157百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が337百万円増加したこと、無形固定資産が425百万円減少したこと、投資その他の資産が88百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて0百万円増加し、79,299百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて116百万円増加し、55,643百万円となりました。固定負債は、長期借入金が750百万円減少したこと、退職給付に係る負債が36百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べて898百万円減少し、66,390百万円となりました。(純資産)純資産は、利益剰余金が3,507百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて3,715百万円増加し、81,422百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。
(2) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 生産、受注及び販売の実績当第1四半期連結累計期間において、販売の実績に著しい増減がありました。その内容については「(1)業績の状況」に記載しております。
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