【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況 当事業年度における我が国経済は、コロナ禍の下で抑制されてきたインバウンド需要や個人消費に回復の兆しは 見られるものの、長引くウクライナ問題を始めとした世界情勢は、より緊迫の度合いを増しており、金利上昇懸念 や資源価格の高騰、円安の進行による物価上昇等、景気下振れリスクは予断を許さない状況下にあります。
そのような中、歯科医院の経営環境は深刻さを増しており、システムの買替控えや閉院・廃院する歯科医院の増加、及び、オンライン資格確認等システムの導入に向けた駆け込み需要の反動等、今下期の業績に多大な影響がありました。加えて、経営逼迫している歯科医院へ向けたサブスク制度の対応を開始したことにより、一定の売上は確保できたものの、営業利益の減少要因となりました。
一方、3月7日、AI・音声電子カルテ統合システム AI-Voiceをリリース、次に4月12日、全国すべての歯科医院へ独立したシステムとして単独での導入を可能としたAI・音声歯周病検査システムをリリース、更に8月29日に世界で幅広く使われている歯周病検査表(Perio chart)と国際基準のWHO・FDI(国際歯科連盟)方式に対応したPerio chart Pro. Voice(AI・音声歯周病検査システム)をリリースしたところ、その反響は凄まじく、北海道から九州南部まで多くの問い合わせをいただき、現在、順調に拡販しております。
当社は、国が進める医療DXへ歯科業界のリーディングカンパニーとして率先して取り組み、衛生士不足という社会問題の課題解決や国民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に貢献していく為に、当社が考える歯科DX実現の3要素を推進して参りました。更に、中規模・大規模医院の経営改革へのニーズにお応えしていく為に、広告宣伝費用を活用したアナウンスを展開して参りました。
このような取り組みの結果、当事業年度の売上高は2,041,688千円(前年同期比7.8%減)、経常利益は385,888千円(前年同期比18.8%減)、当期純利益は258,509千円(前年同期比18.3%減)となったものの、PER 15.13倍、PBR 1.05倍と1倍割れの上場企業が多い中、当社は1.00倍を超えております。更に、自己資本比率91.9%、売上高経常利益率18.90%となっており、引き続き、高水準を維持しております。
②財政状態の状況(資産)当事業年度末における資産合計は4,061,635千円となり、前事業年度末より15,881千円増加いたしました。
a. 流動資産流動資産は2,305,597千円と前事業年度末より44,876千円増加いたしました。主な内訳は、有価証券購入に伴う現金及び預金の減少395,669千円、有価証券の増加200,800千円と、預け金の増加221,500千円であります。
b. 固定資産固定資産は1,756,037千円と前事業年度末より28,994千円減少いたしました。主な内訳は、ソフトウエアの増加90,599千円、投資有価証券の減少143,860千円であります。
(負債)当事業年度末における負債合計は327,841千円となり、前事業年度末より128,111千円減少いたしました。
a. 流動負債流動負債は278,804千円と前事業年度末より129,612千円減少いたしました。主な内訳は、未払金の減少85,365千円、未払法人税等の減少30,968千円、未払消費税等の減少5,397千円であります。
b. 固定負債 固定負債は49,036千円と前事業年度末より1,500千円増加いたしました。退職給付引当金の増加1,500千円によります。
(純資産)当事業年度末における純資産合計は3,733,793千円となり、前事業年度末より143,993千円増加いたしました。主な内訳は、利益の獲得による増加と配当金の支払による減少の結果として利益剰余金が162,705千円増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,092,910千円となり、前事業年度 末より395,669千円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりでありま す。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によって得られた資金は61,074千円(前年同期は342,682千円の収入)となりました。これは主として法人税等の納付による156,962千円の支出等があったものの、税引前当期純利益の獲得による385,888千円の収入、減価償却費68,410千円の計上、投資有価証券売却益の計上118,533千円、売上債権の増加86,504千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によって支払った資金は360,864千円(前年同期は481,224千円の支出)となりました。これは主として投資有価証券の売却による508,853千円の収入があったものの、有形固定資産の取得による支出13,692千円、無形固定資産の取得による支出159,893千円、投資有価証券の取得による支出574,056千円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によって支払った資金は95,879千円(前年同期は222,735千円の支出)となりました。これは主として配当金95,802千円の支出があったことによります。
④生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績 当社で行う事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しておりま す。
b. 受注実績
当事業年度におけるシステム売上高に関する受注実績は、次のとおりであります。なお他の収益形態は、その性格上、受注実績の記載になじまないため記載を省略しております。なお、当社は「歯科医院向けシステム事業」の単一セグメントであるため、地域ブロック別に記載しております。
地域ブロック別
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
九州ブロック
321,415
85.9
2,800
28.5
中国ブロック
380,352
110.0
2,011
14.2
関西ブロック
320,553
91.5
-
-
四国ブロック
216,672
100.8
-
-
関東ブロック
68,559
135.4
-
-
合計
1,307,553
97.9
4,812
8.9
(注) 地域ブロック間取引はありません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は「歯科医院向けシステム事業」の単一セグメントであるため、収益形態別及び地域ブロック別に記載しております。
収益形態
販売高(千円)
前年同期比(%)
システム売上高
1,356,491
102.0
オンライン資格確認売上高
326,734
73.6
プログラム改定売上高
213,772
68.6
自動精算機等売上高
30,548
215.7
機器修理売上高
11,970
75.0
その他
102,170
103.1
合計
2,041,688
92.2
地域ブロック別
販売高(千円)
前年同期比(%)
九州ブロック
544,254
85.0
中国ブロック
558,853
92.2
関西ブロック
495,386
91.2
四国ブロック
345,858
95.9
関東ブロック
97,335
148.1
合計
2,041,688
92.2
(注) 1.地域ブロック間取引はありません。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
また、ブロックごとの当社のシェアは次のとおりであります。(2023年9月30日現在 単位:件)
地域ブロック別
オンライン請求歯科医院数
電子媒体請求歯科医院数
小計
当社顧客数
当社シェア(%)
九州ブロック(注)1
3,016
3,462
6,478
906
14.0
中国ブロック(注)2
1,732
1,714
3,446
859
24.9
関西ブロック(注)3
3,348
4,324
7,672
733
9.6
四国ブロック(注)4
627
775
1,402
501
35.7
関東ブロック(注)5
5,237
8,448
13,685
98
0.7
(社会保険診療報酬支払基金 「レセプト請求別の請求状況」令和5年度8月診療分より)(注) 1.九州ブロックは、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県で構成されております。2.中国ブロックは、岡山県、広島県、山口県、鳥取県、島根県で構成されております。3.関西ブロックは、大阪府、兵庫県で構成されております。4.四国ブロックは、香川県、愛媛県、高知県で構成されております。5.関東ブロックは、東京都、神奈川県で構成されております。6.上記データは社会保険診療報酬支払基金による「レセプト請求別の請求状況」から、2023年12月8日時点
で公表されている2023年9月30日現在における公表数値と、同じく2023年9月30日現在における当社の顧
客数を対応させて記載しております。7.上表の「オンライン請求歯科医院数」とは、オンラインによるレセプト請求を行っている歯科医院数です。「電子媒体請求歯科医院数」とは、電子媒体(例えばCDロム等)を提出することでレセプト請求を行っている歯科医院数です。各ブロックで記載しているこれらの数値は、(注)1から(注)5までで記載している当社の営業拠点が所在する都府県の歯科医院数を合計しております。8.ブロックごとの「オンライン請求歯科医院数」と「電子媒体請求歯科医院数」の合計を分母として、ブロックごとの当社の顧客数の合計を分子として当社シェアを算定しております。9.シェアの算定に当たって使用する当社の顧客数は、各営業拠点が管轄する顧客数であります。そのため、実際の顧客の所在地と異なっている場合があります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析当事業年度の売上高営業利益率は11.3%(前事業年度18.8%)と前年より下落となりました。これは主として売上総利益が168,474千円減少し、販売費及び一般管理費が17,081千円増加したことに起因します。今後も継続的に全社的な生産性向上に向けて、事業活動全般に対して必要な施策を行い、より収益性の高い企業を目指して取り組んでまいります。(売上高)当事業年度の売上高は、2,041,688千円(前年同期比7.8%減)と減収となりました。厚生労働省が推進する、マイナンバーカードを健康保険証として使用できる等のオンライン資格確認等システムに係る売上が326,734千円(前年同期比26.4%減)となりました。システム売上については、新型コロナウイルスの影響が長引いており、物価や原材料費の高騰や来院患者数の減少等により歯科医院経営が逼迫され、システムの買替控えや閉院・廃院する歯科医院が増える等があったものの、販売システム数462件(前期は456件)と増加しました。この結果、システム売上高は1,356,491千円(前年同期比2.0%増)となりました。
(売上総利益)当事業年度の売上原価は、AI・音声電子カルテ統合システムの資産計上に係る減価償却費が19,476千円増加したものの、商品仕入高が181,194千円減少したことにより、結果として当事業年度の売上総利益は168,474千円減少し、1,460,930千円(前年同期比10.3%減)となりました。(営業利益)当事業年度の販売費及び一般管理費は、人件費が10,207千円減少したものの、新聞広告等の広告宣伝費35,192千円の増加により、販売費及び一般管理費は17,081千円の増加となり、営業利益は230,931千円(前年同期比44.6%減)となりました。(経常利益)当事業年度の営業外収益に有価証券利息24,134千円、受取配当金10,000千円、投資有価証券売却益118,533千円を計上したこともあり、経常利益は385,888千円(前年同期比18.8%減)となりました。(当期純利益)当事業年度の当期純利益は、法人税、住民税及び事業税の計上127,022千円、法人税等調整額356千円の計上により258,509千円(前年同期比18.3%減)となりました。
b. 財政状態の分析当事業年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの分析当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性について当社の運転資金等については、主に自己資金により充当しております。当事業年度末の現金及び現金同等物は1,092,910千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたり、当事業年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。これらの見積りについて、当社は当事業年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的な仮定等に基づき算定しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性の影響から、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。当社が財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
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