【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行され、経済社会活動が正常化する中で緩やかな回復傾向が続いております。労働需要の高まりからの名目賃金の増加や原価高騰による物価上昇など経済活動にかかる投資増が見込まれる状況ではあるものの、企業の投資意欲は前向きであり、今後の経済成長は堅調に継続するものと見込まれます。しかしながら、長期化するウクライナ情勢、社会経済の回復基調の一服感など、先行き不透明な状況も続いております。
中小M&A市場におきましては、後継者不在率が57.2%(帝国データバンク 全国企業「後継者不在率」動向調査(2022)より)と半数を超過しており、事業承継問題が顕在化した状態が継続しております。政府は「事業再生・M&Aを含む事業承継の促進」などを「重点3本柱の取り組み方針」の中で大方針として明示しており、国の事業承継・引継ぎ支援センターが支援する中小M&Aの件数は右肩上がりに増加しております。さらに2023年9月には、中小企業庁が3年ぶりに「中小M&A推進計画」に基づく「中小M&Aガイドライン(第2版)」にて改定の発表をするなど、中小M&A市場に対する政府の注目度は高い状態が続いております。
また、中小M&Aガイドラインにおきましては、中小企業の経営者が安心してM&Aに取り組める基盤の構築が求められております。そこで、中小企業庁が創設したM&A支援機関に係る登録制度に加えて、自主規制団体である「一般社団法人M&A仲介協会」が当社を含む民間のM&A仲介事業者によって設立されました。同協会は中小企業庁との密な連携を通じ、官民一体での中小M&A支援事業者のモラル向上に努めております。
このような情勢のなか、当社においては、金融機関や会計事務所等を始めとする提携先との一層の関係強化への注力を続けております。提携先の規模、習熟度、地域特性に合わせた柔軟な対応を行うことにより、高難易度から小型案件までニーズに応じた対応を可能としました。また、当社の強みの一つである「お客様の創業期から出口戦略までの支援コンサルティングの実施」においてはスタートアップ企業への投資・支援を実現、さらに2022年10月には東海地方では初のJ-Adviser資格を取得、TOKYO PRO Marketへの上場を支援するIPO支援部を立ち上げております。
これらのサービスを地域密着して実現するため、2023年8月には静岡オフィスを移転し、人員の拡充に努めたほか、大阪オフィスを拠点として東海地方のみならず関西地方の地域経済活性化のために尽力しております。
なお、当社の成長には人的資本の強化が不可欠であるため、積極的な採用活動を継続して行った結果、当事業年度においてはアドバイザー人員数が8名増員となりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ168,595千円減少し、1,383,357千円となりました。これは主として現金及び預金が178,842千円減少したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ240,060千円増加し、428,023千円となりました。これは主として金銭の信託が100,000千円、投資有価証券が69,327千円及びその他の関係会社有価証券が41,829千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ23,724千円減少し、270,768千円となりました。これは主として買掛金が51,107千円増加し、未払法人税等が41,593千円及び未払消費税等が18,204千円減少したことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ95,189千円増加し、1,540,612千円となりました。これは主として利益剰余金が93,192千円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当事業年度においては計92件の案件が成約し(対前期19件増)、売上高は1,453,440千円(前期比5.1%増)、営業利益は186,221千円(同47.1%減)、経常利益は176,556千円(同49.5%減)、当期純利益は108,935千円(同52.8%減)となりました。
(売上高)
当事業年度の売上高は1,453,440千円と、前事業年度に比べ70,586千円の増加(前期比5.1%増)となりました。これは主として成約件数の増加によるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は835,546千円と、前事業年度に比べ203,340千円の増加(前期比32.2%増)となりました。これは主として案件紹介料が145,316千円増加(同57.0%増)、人件費が46,631千円増加(同13.5%増)したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は617,893千円と、前事業年度と比べ132,754千円の減少(同17.7%減)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は431,672千円と、前事業年度に比べ33,136千円の増加(前期比8.3%増)となりました。これは主として人件費が31,298千円増加(同24.7%増)、地代家賃が13,097千円増加(同26.6%増)したことによるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は186,221千円と、前事業年度と比べ165,890千円の減少(同47.1%減)となりました。
(経常利益)
当事業年度の営業外収益は1,658千円と、前事業年度に比べ1,209千円の増加(前期は448千円)となりました。これは、主として受取手数料が863千円増加したことによるものであります。営業外費用は11,323千円と、前事業年度に比べ8,275千円の増加(前期は3,048千円)となりました。これは主として投資事業組合運用損が8,271千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は176,556千円と、前事業年度と比べ172,956千円の減少(前期比49.5%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は67,167千円となり、前事業年度に比べ44,696千円の減少(前期比40.0%減)となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は108,935千円と、前事業年度と比べ122,046千円の減少(同52.8%減)となりました。
なお、当社はM&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ178,842千円減少し、1,353,510千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は74,233千円(前事業年度は428,106千円の収入)となりました。これは主として税引前当期純利益176,102千円、法人税等の支払額132,803千円及び仕入債務の増加51,107千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は237,348千円(前事業年度は124,109千円の支出)となりました。これは主として金銭の信託の取得による支出100,000千円、投資有価証券の取得による支出75,000千円及びその他の関係会社有価証券の取得による支出44,600千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は15,727千円(前事業年度は15,699千円の支出)となりました。これは配当金の支払額15,727千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
M&A仲介事業
1,453,440
105.1
合計
1,453,440
105.1
(注)1.当社はM&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
2.前事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお顧客との契約において秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせていただきます。当事業年度においては、当該割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
相手先
前事業年度
(自 2021年10月1日
至 2022年9月30日)
当事業年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
譲渡企業
国内事業会社A社
300,000
21.7
―
―
譲受企業
国内事業会社B社
159,291
11.5
―
―
3.最近2事業年度におけるM&A成約件数の実績は次のとおりであります。
分類の名称
前事業年度
(自 2021年10月1日
至 2022年9月30日)
当事業年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
M&A成約件数
73件
92件
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は、財務諸表の基礎となる見積りを過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行ったうえで計上しておりますが、これらの見積りは不確実性を伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症による重要な影響はないものとして見積りを行っております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当社の経営成績等については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金需要のうち主なものは、効果的に事業拡大していくための採用費、人件費等であります。また、資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによって確保しております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
当社が今後事業を拡大し、継続的な成長を遂げるために、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するために、営業基盤を拡充するために必要な人材の採用と育成、内部管理体制の強化を進めることにより、企業価値の持続的な向上に取り組んでまいります。
また、当社ではアドバイザー数と成約件数が業績判断上の重要な指標と捉えており、引き続きアドバイザーの計画的な増員と成約件数増加に取り組んでまいります。目標とする客観的な指標等についての分析については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする客観的な指標等」に記載のとおりであります。
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