【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a 経営成績の状況当事業年度における我が国経済は、昨年から続く物価高や円安により国内消費の回復に遅れも見られる中、世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束又は沈静化により、日本国内でもCOVID-19の感染症法上の位置付けが2023年5月より5類へ移行し、訪日外国人客数が急増するなどインバウンド需要の回復が顕著であります。 このような状況において、当社は2021年6月に事業領域を再整理し、ライフメディアテック事業を新設したことで、Wi-Fi事業の顧客基盤やノウハウを生かしつつ、訪日外国人及び日本在留外国人の生活シーンの利便性向上や更なる収益機会の拡大に努めてまいりました。一方で、上記COVID-19の5類移行により2023年5月以降のPCR検査需要が大幅に減少したことに伴い、ライフメディアテック事業におけるPCR検査取次サービスに関連するソフトウエアについて減損損失(特別損失)を計上いたしました。 これらの結果、当事業年度の業績は、売上高2,077,284千円(前年同期比82.4%増)、営業利益335,413千円(前年同期比156.2%増)、経常利益376,735千円(前年同期比188.5%増)、当期純利益252,021千円(前年同期比160.0%増)となり、増収増益となりました。 当社の事業セグメントは大きく分けて3つあります。主に欧米を中心とした訪日旅行客と日本人顧客にWi-Fiルーターのレンタルを行うWi-Fi事業、日本在留外国人の生活サポートを行うライフメディアテック事業、そして、訪日旅行客と日本人顧客に対してキャンピングカーのレンタルを行うキャンピングカー事業の3事業を主に展開しています。 セグメント別の経営業績を示すと、次のとおりです。
Wi-Fi事業Wi-Fi事業では、国内法人向けのWi-Fiレンタルサービス、訪日旅行客、及び日本人海外旅行者をメインターゲットにしたWi-Fiレンタルサービスを展開しています。当事業においては、コロナ禍におけるテレワークの環境整備を背景とした通信需要が継続する中、インバウンド、アウトバウンドの需要が回復してきております。以上の結果、当事業年度における売上高は1,791,331千円(前年同期比153.1%増)、セグメント利益は320,030千円(前年同期比568.2%増)となりました。
ライフメディアテック事業日本在留外国人及び訪日外国人が日本で生活・旅行する上で必要なサービスは、問い合わせ先や各種手続きがバラバラで、日本語が難しい外国人にとって時間と手間がかかります。ライフメディアテック事業では、必要なサービスをWeb上で多言語で紹介し、当社に所属するコンシェルジュが導入までのご案内をサポートすることで、訪日外国人の滞在と、日本在留外国人の生活をワンストップでサポートする、生活サポートサービスを提供しています。当事業においては、日本在留外国人への海外渡航に関連する情報等の提供サービスや手続サポートサービス等に続き、前事業年度に空港送迎の取次サービスを開始し、好調に推移いたしました。一方で、上記のとおりCOVID-19の5類移行により2023年5月以降のPCR検査取次サービスの売上が大幅に減少しました。以上の結果、当事業年度における売上高は212,024千円(前年同期比45.1%減)、セグメント利益は24,062千円(前年同期比79.2%減)となりました。
キャンピングカー事業キャンピングカー事業では、アウトバウンド取次(アメリカでキャンピングカーを借りる方への予約手配サービス)と国内レンタカー(日本国内でキャンピングカーを自社保有し訪日旅行者及び日本人顧客への貸出サービス)を展開しております。当事業年度に入り、インバウンドとアウトバウンドの需要が徐々に回復しております。以上の結果、当事業年度における売上高は72,005千円(前年同期比75.8%増)、セグメント損失は8,678千円(前年は32,384千円の損失)となりました。
b 財政状態の状況(資産) 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ902,126千円増加し、1,821,479千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べ710,623千円増加し、1,280,753千円となりました。これは主に、現金及び預金が682,581千円、売掛金が17,445千円増加したこと等によります。固定資産は、前事業年度末に比べ191,502千円増加し、540,725千円となりました。これは主にレンタル資産が92,708千円、ソフトウエア仮勘定が46,002千円、ソフトウエアが15,162千円、差入保証金が17,449千円増加したこと等によります。
(負債)当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ218,102千円増加し、772,613千円となりました。流動負債は、前事業年度末に比べ275,200千円増加し、558,063千円となりました。これは主に、未払法人税等が107,617千円、契約負債が96,638千円、未払金が18,871千円、買掛金が18,757千円、未払費用が17,160千円増加したこと等によります。固定負債は、前事業年度末に比べ57,098千円減少し、214,550千円となりました。これは主に長期借入金が60,852千円減少したこと等によります。
(純資産) 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ684,024千円増加し、1,048,866千円となりました。これは、株式の発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ216,001千円、当期純利益の計上に伴い繰越利益剰余金が252,021千円増加したことによります。
② キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の当事業年度末残高は、前事業年度末に比べ682,580千円増加の1,204,026千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は643,123千円(前期は121,478千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益356,060千円、減価償却費123,262千円、契約負債の増加額93,763千円、未払金の増加額19,647千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は324,091千円(前期は132,109千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出187,301千円や、無形固定資産の取得による支出114,451千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度において財務活動の結果得られた資金は363,548千円(前期は64,096千円の使用)となりました。これは、株式の発行による収入424,819千円、長期借入金の返済54,624千円などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績当社の行う事業は提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績当社の行う事業は提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。いたします。
c 販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
Wi-Fi事業
1,791,331
253.1
ライフメディアテック事業
212,024
54.9
キャンピングカー事業
72,005
175.8
その他
1,923
48.2
合計
2,077,284
182.4
(注) 当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、主に世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束又は沈静化により、日本国内でもCOVID-19の感染症法上の位置付けが2023年5月より5類へ移行し、訪日外国人客数が急増するなどインバウンド需要の回復が顕著になり、Wi-Fi事業及びキャンピングカー事業において需要が回復したためであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当事業年度の財政状態及び経営成績は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及び キャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりです。
経営成績の分析(売上高)当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて938,481千円増加し、2,077,284千円(前事業年度比82.4%増)となりました。これは主に、訪日外国人向け、海外渡航向けのWi-Fiレンタルサービスの売上高が伸長したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べて429,972千円増加し、841,092千円(同104.6%増)となりました。これは主に、海外渡航向けのWi-Fiの通信仕入れが増加したことによるものであります。 その結果、売上総利益は前事業年度に比べて508,508千円増加し、1,236,191千円(同69.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて304,026千円増加し、900,778千円(同50.9%増)となりました。これは主に、広告宣伝費が増加したことによるものであります。その結果、営業利益は前事業年度と比べて204,482千円増加し、335,413千円(同156.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べて53,143千円増加し、56,679千円(同1,502.7%増)となりました。これは主に、事業再構築補助金52,781千円によるものであります。 営業外費用は、11,184千円増加し、15,357千円(同296.5%増)となりました。これは主に、上場関連費用13,830千円によるものであります。
その結果、経常利益は前事業年度に比べて246,140千円増加し、376,735千円(同188.5%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純利益) 特別利益は、当事業年度、前事業年度共に計上していません。特別損失は、当事業年度は20,674千円となりました。これは主に、減損損失20,427千円によるものであります。前事業年度は計上していません。その結果、税引前当期純利益は前事業年度に比べて225,465千円増加し、356,060千円(同172.6%増)となりました。
(法人税等、当期純利益)税効果会計適用後の法人税等は、70,359千円増加し、104,039千円となりました。これは主に税引前当期純利益の増加に伴い、法人税、住民税及び事業税の増加によるものとなります。その結果、当期純利益は155,106千円増加し、252,021千円(同160.0%増)となりました。
なお、当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、Wi-Fiの通信仕入やデバイスの購入費、キャンピングカーの購入費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、新規事業の開発コストによるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金により賄うことを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
④ 目標とする客観的な指標等の推移当社は、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、適正な売上高を確保し、適正かつ効率的な経費の下に利益を確保していくことを実現するために、Wi-Fi事業においては「稼働端末台数」、ライフメディアテック事業においては「取次件数」、キャンピングカー事業においては「総レンタル日数」を重要指標としております。当事業年度は新型コロナウイルス感染症収束を受けて、Wi-Fi事業における稼働端末台数は訪日需要、海外渡航需要の増加に伴い、前事業年度の124千台から当事業年度は193千台(前期比155%)となりました。ライフメディアテック事業における取次件数は、海外渡航の回復に伴い、空港送迎に関わる取次が増加し、前事業年度の31,349件から当事業年度は27,663件(前期比88%)となりました。キャンピングカー事業における総レンタル日数は、訪日需要と海外需要における回復により、前事業年度の1,714日から当事業年度は2,524日(前期比147%)となりました。
現在、新型コロナウイルス感染症による訪日者数、海外渡航者数への影響は回復傾向であるため、各重要指標の向上を今後も継続するものと見込んでおります。
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