【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行するなど、社会経済活動は段階的に回復してきているものの、一方で、ロシア・ウクライナ情勢、円安進行の長期化等によるエネルギー価格や原材料価格の高騰、それに伴う更なる物価上昇など、先行きが不透明な状況にあります。当社グループが属する医療業界は、増加し続ける医療費を背景に医療制度改革が実施されており、効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築が求められておりますが、医療機関は人手不足が常態化していることに加え、物価高騰の影響等により厳しい経営環境が続いています。このような状況の中、当社グループの主要事業であるメディカルトータルソリューション事業におきましては、医療機関の課題を解決すべく、これまでに培ってきた経験と情報網を活かし、医療機関等の新築・移転、再編・統合等に伴う医療機器の一括販売、大型医療機器を中心とした医療機器及び医療情報システム(電子カルテ等)等の販売活動を全国で展開してまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は26,632,145千円(前期比 10.5%減)、営業利益は440,298千円(同 32.4%減)、経常利益は431,662千円(同 39.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は271,306千円(同37.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・メディカルトータルソリューション事業当事業における医療施設の新築・移転、再編・統合等に伴う医療機器の一括販売の売上高は、下記のとおりであります。(単位:件、百万円)
2022年9月期
2023年9月期
2024年9月期(予想)
件数
売上高
件数
売上高
件数
売上高
20億円以上の案件
3
9,877
1
2,296
1
3,087
10億円以上20億円未満の案件
3
3,995
3
3,594
-
-
10億円未満の案件
6
2,180
13
3,984
12
2,782
計
12
16,054
17
9,874
13
5,869
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による事業への大きな影響はなく、各案件の進捗は概ね想定どおりに推移いたしました。前期は戦略的に受注した案件を含め、20億円以上の案件を複数計上しておりましたが、これに対し、当期は20億円以上の案件は1件に留まったことが影響して減収となり、その影響で売上総利益も減少しました。また、対面営業が増加したこともあり、販売費及び一般管理費については前期と同水準で推移したため、営業利益は前期に比べて減少いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は25,502,957千円(前期比 11.1%減)、営業利益は371,221千円(同 35.4%減)となりました。
・遠隔画像診断サービス事業質の高い遠隔画像診断サービスの提供、放射線診断専門医の安定的確保と専門性の高いノウハウを武器に、導入医療機関及び取扱件数の増加を図り、安定した営業基盤を維持しております。読影診断数の増加により、前期に比べて増収となり堅調に推移した一方で、専門医への委託費の単価アップに伴うコストの増加に加え、設備投資に伴う減価償却費の増加などで、営業利益は前期に比べて減少いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は724,721千円(前期比 7.1%増)、営業利益は55,631千円(同 16.8%減)となりました。
・給食事業新規受託施設の獲得及び既存受託施設への販売強化に注力した結果、売上高は前期に比べて増加し、また材料費などの上昇はありましたが、価格の見直しなど収益性の改善に取り組んだ結果、営業利益も増加しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は404,467千円(前期比 0.5%増)、営業利益は10,992千円(同 60.0%増)となりました。
② 財政状態の状況
a 資産流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,276,070千円増加し、13,508,358千円となりました。これは、前渡金が2,262,491千円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が3,436,423千円増加したことなどによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べて50,315千円減少し、1,185,580千円となりました。これは、繰延税金資産が46,394千円減少したことなどによるものです。以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,225,755千円増加し、14,693,938千円となりました。
b 負債流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,074,158千円増加し、8,092,121千円となりました。これは、契約負債が2,252,270千円、未払法人税等が136,238千円、1年内償還予定の社債が92,500千円減少したものの、買掛金が3,659,565千円増加したことなどによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べて34,534千円減少し、877,714千円となりました。これは、退職給付に係る負債が38,276千円減少したことなどによるものです。以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,039,624千円増加し、8,969,835千円となりました。
c 純資産当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて186,131千円増加し、5,724,103千円となりました。これは、利益剰余金が173,270千円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ57,232千円増加し、5,517,421千円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、341,555千円(前連結会計年度は、242,357千円の増加)であります。資金の増減の主な内訳は、売上債権の増加3,436,423千円、その他の流動負債(主に契約負債)の減少2,217,721千円などの資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益431,662千円を計上し、仕入債務の増加3,659,565千円、その他の流動資産(主に前渡金)の減少2,251,734千円などの資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、82,011千円(同 49,958千円の減少)であります。資金の増減の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出50,498千円、無形固定資産の取得による支出32,644千円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、202,311千円(同 120,931千円の減少)であります。資金の増減の主な内訳は、配当金の支払額97,962千円、社債の償還による支出92,500千円などがあったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前年同期比(%)
メディカルトータルソリューション事業
22,891,978
89.1
遠隔画像診断サービス事業
-
-
給食事業
158,987
106.3
合計
23,050,966
89.2
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.金額は、仕入価格によっております。
b 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
前年同期比(%)
メディカルトータルソリューション事業
25,502,957
88.9
遠隔画像診断サービス事業
724,721
107.1
給食事業
404,467
100.5
合計
26,632,145
89.5
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上になる相手先がないため、記載を省略しております。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
社会医療法人厚生会中部国際医療センター
3,794,040
12.7
-
-
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績の分析(売上高)主力のメディカルトータルソリューション事業において、医療施設の新築・移転、再編・統合等に伴う医療機器の一括販売について、前期は戦略的に受注した案件を含め、20億円以上の案件を複数計上しておりましたが、これに対し、当期は20億円以上の案件は1件に留まったことが影響して、前連結会計年度に比べ3,135,286千円の減少となりました。
(営業利益)売上高の減少による売上総利益の減少を主要因として、営業利益は440,298千円と前連結会計年度に比べ210,682千円の減益となりました。
(経常利益)営業利益と同様の要因に加え、前期に計上されていた保険解約返戻金(当期はその他に組替)54,000千円の影響で、経常利益は431,662千円と前連結会計年度に比べ277,997千円の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)経常利益と同様の要因により、親会社株主に帰属する当期純利益は271,306千円と前連結会計年度に比べ165,745千円の減益となりました。
セグメント別の概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。
b 財政状態の分析当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「第2
事業の状況
4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業活動のための適切な資金確保を図るため、営業活動によるキャッシュ・フローの向上を最優先事項と考えております。当連結会計年度末における現金及び預金の残高は、5,537,421千円となり、十分な流動性を確保しているものと判断しておりますが、急な資金需要や不測の事態に備えるため、金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております(未実行残高 1,500,000千円)。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計上の見積りを行う必要があり、賞与引当金等各引当金の計上及び繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて見積りを実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。