【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。当社は2023年4月3日付で単独株式移転により設立され、当第3四半期連結累計期間より第1期として初めて要約四半期連結財務諸表を作成しておりますが、従前のナレッジスイートの連結グループの範囲に実質的な変更がないことから、ナレッジスイートの2022年9月期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)および同連結会計年度末(2022年9月30日)を比較情報として用いております。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年10月1日~2023年6月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束と社会経済活動の正常化の動きが見られたものの、資源・原材料価格の高騰と物価上昇、急激な為替変動などによる経済活動への影響が懸念され、先行き不透明な状況が続いております。 一方で新型コロナウイルス感染症対策を契機としたテレワーク等働き方改革が加速し、デジタルトランスフォーメーション(DX)への機運の高まりによる営業DX化が中堅・中小企業においても徐々に浸透してきており、また生産労働人口の減少に伴うIT人材不足への懸念が増している状況において、当社グループの提供サービスへの需要は、より一層高まっているものと認識しております。このような状況下において、当社グループは2023年4月3日より組織再編に伴う新たに掲げた「ありがとうをX-Tech(クロステック)する」を経営理念に、「Digital Inclusion(デジタルインクルージョン)~テクノロジーを通じて、世界中の人々が参加し、平等に利益を受ける機会を提供することで社会に希望を与える~」をビジョンに掲げ、再スタートしました。また、2022年9月期を初年度とする「中期経営計画2024」の達成に向け、成長戦略である「事業収益(シェア)拡大」及び「プロダクト・サービスの強化」を引き続き推進してまいりました。具体的には、企業の売上・生産性向上への貢献を可能にする統合型SFA/CRMクラウドサービス「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」を中心とした中堅・中小企業向けSaaSシェア拡大、サブスクリプションビジネス拡大のため、営業体制強化へ向けた組織再編及び新人育成強化、サービス利用継続を促進するカスタマーサクセス推進を実施してまいりました。また、2022年10月に開始したタレントテック事業における有名タレントの写真素材をサブスクリプションで提供し、企業のブランディング活動やPRを支援する広告体験サービス「ビジネスブースト」の拡販を推進してまいりました。また、マーテック事業の主力サービスであるBtoB営業リスト作成サービス「Papattoクラウド(パパットクラウド)」とともに、リードジェネレーション(見込み顧客発掘)領域における企業のDX化を推進してまいりました。さらにIT人材不足を背景としたIT人材を提供する「システムエンジニアリングサービス(SES)」の販売体制強化を推進してまいりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は2,651,625千円(前年同期比10.7%増)、営業利益は116,232千円(前年同期比44.4%増)、税引前四半期利益は106,474千円(前年同期比52.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益82,819千円(前年同期比17.6%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① DX事業当第3四半期連結累計期間においては、販売パートナーの新規開拓活動及び深耕活動による拡販支援、効率の高い展示会への積極的な参加等によるマーケティング・プロモーション活動を引き続き注力しつつ、新たに立ち上げたインサイドセールス体制の強化による、リード(見込み顧客)獲得の拡大を図るなど販売チャネル強化を進めてまいりました。また、「Knowledge Suite」と高い相乗効果を発揮するBtoB営業リスト作成サービス「Papattoクラウド」等、グループ会社及び提携先パートナーによるRPAサービス等の同時提案やクロスセルといった取り組みを推進し、「ビジネスブースト」の利用企業の拡大が進み始めたことで、SaaS売上収益は前年同期比31.3%増、グループSaaS ARR(※1)は1,541百万円となりました。これらの結果、売上収益は1,289,330千円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益は292,921千円(前年同期比64.6%増)となりました。
※1 グループSaaS ARR: 2022年12月末時点のOEMを除く当社及び当社グループが提供する全てのSaaSにおける各四半期末時点のMRRの12倍で算出。ARRはAnnual Recurring Revenueの略。年次経常収益。MRRはMonthly Recurring Revenue。月間経常収益。
② BPO事業当第3四半期連結累計期間においては、引き続き高いIT人材需要を背景に積極的な営業活動を進めたものの、IT人材不足による新規開発プロジェクト案件における機会損失が発生し、SES売上収益は前年同期比4.7%増となりました。これらの結果、売上収益は1,362,295千円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益は184,838千円(前年同期比10.4%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)当第3四半期連結会計期間末の流動資産は1,151,613千円となり、前連結会計年度末に比べ95,900千円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物の減少104,115千円、その他の流動資産の減少43,950千円、営業債権及びその他の債権の増加50,312千円によるものであります。当第3四半期連結会計期間末の非流動資産は2,595,392千円となり、前連結会計年度末に比べ411,710千円増加しました。これは主に、使用権資産の増加257,146千円、無形資産の増加149,427千円によるものであります。これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の資産合計は3,747,006千円となり、前連結会計年度末に比べ315,810千円増加しました。
(負債)当第3四半期連結会計期間末の流動負債は1,590,095千円となり、前連結会計年度末に比べ75,261千円増加しました。これは主に、契約負債の増加59,923千円、リース負債の増加33,926千円によるものであります。当第3四半期連結会計期間末の非流動負債は1,017,071千円となり、前連結会計年度末に比べ124,235千円増加しました。これは主に、リース負債の増加220,193千円、有利子負債の減少96,079千円によるものであります。これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の負債合計は2,607,167千円となり、前連結会計年度末に比べ199,497千円増加しました。
(資本)当第3四半期連結会計期間末の資本は1,139,838千円となり、前連結会計年度末に比べ116,313千円増加しました。これは主に、四半期利益の計上による増加82,819千円、新株の発行20,980千円によるものであります。これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ0.6ポイント増加し、30.4%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前第3四半期連結累計期間に比べ230,202千円減少し、618,843千円となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は361,836千円(前第3四半期連結累計期間は239,313千円の獲得)となりました。これは主に、税引前四半期利益106,474千円、減価償却費及び償却費234,442千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は288,589千円(前第3四半期連結累計期間は171,266千円の使用)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出273,865千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は177,362千円(前第3四半期連結累計期間は102,548千円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増加額32,506千円、社債の発行による収入98,090千円、長期借入金の返済による支出229,518千円、リース負債の返済による支出99,421千円、株式の発行による収入20,980千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は22,339千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数当第3四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
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