【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)当事業年度末における流動資産は11,740,862千円となり、前事業年度末に比べ4,572,415千円増加いたしました。これは主に事業規模の拡大に伴う、税引前当期純利益の増加に加え、自社ECサイトの前受金の増加による現金及び預金の増加が3,148,586千円、2023年3月に開催された大型イベントの収益発生に伴う売掛金の増加が1,246,320千円生じたことによるものであります。固定資産は4,146,146千円となり、前事業年度末に比べ3,076,472千円増加いたしました。これは主に、新スタジオ建設に伴う建設仮勘定の増加が1,687,435千円、新規事業の開発に伴うソフトウエア仮勘定の増加が804,918千円生じたことによるものであります。この結果、総資産は、15,887,009千円となり、前事業年度末に比べ7,648,887千円増加いたしました。
(負債)当事業年度末における流動負債は8,838,207千円となり、前事業年度末に比べ4,100,028千円増加いたしました。これは主に自社ECサイトの受注販売による前受金の増加が1,875,299千円、2023年3月に開催された大型イベントの費用発生に伴う買掛金の増加が601,280千円、事業規模拡大と連動した販売費及び一般管理費の増加に伴う未払費用の増加が532,358千円生じたことによるものであります。固定負債は42,493千円となり、前事業年度末から増減はありません。この結果、負債合計は、8,880,701千円となり、前事業年度末に比べ4,100,028千円増加いたしました。
(純資産)当事業年度末における純資産合計は7,006,308千円となり、前事業年度末に比べ3,548,859千円増加いたしました。これは、当期純利益2,508,234千円の計上による利益剰余金の増加、上場に伴う増資により資本金が520,312千円、資本剰余金が520,312千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況当事業年度における国内外の経済環境は、国内においては年度末にかけて新型コロナウィルス感染症に関する防疫措置の緩和が推進された一方で、ウクライナを巡る地政学リスクの影響や国際的なインフレの進行等により、引き続き先行き不透明感が強くなっております。
このような環境のもと、当社はミッションとして「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を掲げ、日本発のエンターテインメント・カルチャーを作り出し世界中のユーザーに広めていくことにより、日本のユニークな強みであるアニメ、ゲームといった文化に関わるクリエイターの活動の場を増やしていくことを目指しております。
当事業年度につきましては、ライブ配信に加え、ショート動画や楽曲等を通じた多面的なコンテンツ供給にも注力し、結果として当社所属VTuberのYouTubeチャンネル登録総数(注1)は2023年3月末時点で7,558万人(前期比23.1%増)まで伸長致しました。新規デビューVTuberとしては、2022年7月及び2023年1月に英語圏向け男性VTuberグループ「HOLOSTARS English」より計8名をデビューさせており、所属VTuber及びそのファン層の多様化を企図しております。その結果当事業年度の配信/コンテンツ分野の売上高は通年で6,342,733千円(前期比20.8%増)となりました。ライブ/イベント分野におきましても、2023年1月に実施した、《星街すいせい2nd live「Shout in Crisis」》及び同年3月に実施した《hololive SUPER EXPO 2023 Supported By Bushiroad》、《hololive 4th fes. Our Bright Parade Supported By Bushiroad》といった大型イベントの盛況が寄与し、同分野の売上高は通年で3,429,004千円(前期比55.6%増)となりました。
また、当事業年度においては前述のサービス分野において高まったIPの付加価値をベースに、コマースビジネスの規模が大きく拡大しており、マーチャンダイジング分野の売上高は通年で8,003,091千円(前期比65.6%増)ライセンス/タイアップ分野の売上高は通年で2,676,183千円(前期比94.2%増)となりました。マーチャンダイジング分野においては、プロダクトミックスの改善により収益性の改善も進捗しております。
以上の結果、当事業年度における売上高は、20,451,013千円と前期と比べ6,787,284千円(前期比49.7%増)の増収、営業利益は、3,417,173千円と前期と比べ1,562,001千円(前期比84.2%増)の増益、経常利益は3,385,233千円と前期と比べ1,531,255千円(前期比82.6%増)の増益、当期純利益は2,508,234千円と前期と比べ1,263,768千円(前期比101.6%増)の増益となりました。
(注)1 YouTubeチャンネル登録総数は、2023年3月31日時点の所属VTuber及び公式のYouTubeチャンネル登録数の総和
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,793,282千円と前事業年度末と比べ3,148,586千円の増加となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、営業活動により獲得した資金は、4,866,720千円(前事業年度は3,537,470千円)となりました。これは、主に事業規模の拡大に伴う、税引前当期純利益3,352,833千円の計上、自社運営ECサイトのグッズ販売受注時に受領する前受金の増加による収入1,875,299千円が発生した一方、大型イベントの収益発生に伴う売上債権の増加1,246,320千円が発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において、投資活動により使用した資金は、2,759,105千円(全事業年度は793,940千円)となりました。これは、オフィスの新スタジオ建設に伴う建設仮勘定といった有形固定資産の取得による支出1,463,229千円、新規事業開発を目的としたソフトウエア開発や、商標権を始めとした知的財産権の取得による無形固定資産支出の899,184千円、オフィス増床に伴う敷金の差入による差入保証金の差入による支出478,511千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動による獲得した資金は、1,040,625千円となりました。これは、株式の発行によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。
サービスの名称
仕入高(千円)(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
前期比(%)
マーチャンダイジング
2,228,230
151.3
合計
2,228,230
151.3
(注) 当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
c.受注実績当社は概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
d.販売実績当事業年度における販売実績を主要サービスごとに示すと次のとおりであります。
サービスの名称
販売高(千円)(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
前期比(%)
配信/コンテンツ
6,342,733
120.8
ライブ/イベント
3,429,004
155.6
マーチャンダイジング
8,003,091
165.6
ライセンス/タイアップ
2,676,183
194.2
合計
20,451,013
149.7
(注) 1.当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、上記ではサービス別の販売実績を記載しております。 2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
Google LLC
4,659,360
34.1
5,327,163
26.0
ピクシブ株式会社
3,733,091
27.3
286,707
1.4
(注)1. Google LLCは動画配信プラットフォーム提供会社であります。
2. ピクシブ株式会社は当社のグッズ販売プラットフォームの提供会社であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)当事業年度の売上高は、20,451,013千円(前期比49.7%増)となりました。主な要因は、所属VTuber数の増員及び国内外を含めたYouTubeチャンネル登録者数の増加を背景とした、配信/コンテンツサービスの売上増1,093,050千円に加え、キャラクターグッズのラインナップ強化や、ファンベースの拡大によるグッズ販売の促進に伴うマーチャンダイジングサービスの売上増3,170,780千円によるものです。
(売上原価、売上総利益)当事業年度の売上原価は、11,054,870千円(前期比31.8%増)となりました。主な要因は、所属するVTuberへのサポート体制の拡充や、グッズ、デジタルグッズの販売拡大への対応、ライブイベントの開催に伴う費用の増加によるものです。この結果、売上総利益は9,396,143千円(前事業年度は5,274,772千円)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)当事業年度の販売費及び一般管理費は、5,978,969千円(前期比74.8%増)となりました。主な要因は、グッズの販売に関する諸経費、オフィス移転に伴う地代家賃、事業規模拡大に伴う人件費、支払報酬等の増加によるものです。この結果、営業利益は、3,417,173千円(前事業年度は1,855,171千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)当事業年度において、営業外収益は2,372千円、営業外費用は34,312千円発生しました。主な要因は、上場関連費用22,423千円が発生したことによるものです。この結果、経常利益は、3,385,233千円(前事業年度は1,853,978千円)となりました。
(特別損益、当期純利益)当事業年度において、減損損失が特別損失として、29,626千円発生しました。税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を844,599千円計上した結果、当期純利益は2,508,234千円(前事業年度は1,244,465千円)となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社の運転資金需要のうち主要なものは、所属VTuberへの報酬やグッズ制作原価等の売上原価の他、人件費や地代家賃、グッズ販売に伴う倉庫費用や決済手数料等の販売費及び一般管理費といった営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、配信用スタジオの設備更新や新規事業・新規サービスの開発費用等であります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金及び設備投資資金共に自己資金での運用を基本としておりますが、資金繰りが悪化する傾向が見受けられる場合には、金融機関による借入やエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較した上で実施する想定です。なお、第7期事業年度末(2023年3月31日)における現金及び現金同等物の残高は7,793,282千円となっております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社の経営成績に影響を与えるおそれがあるリスクが存在していることを認識しております。これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等」に記載のとおり、主な経営指標としてYouTubeチャンネル登録数、売上高、サービス別売上高を経営上重要な指標として位置付けております。当社ではYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて、所属VTuberによる高頻度なライブ配信、3Dモーション・キャプチャー・スタジオを用いたバーチャルライブ・コンサート、IPアセットを用いたアニメーション・コンテンツ等の供給を行うことに加え、二次創作ガイドラインを定めた上でファンによる二次創作活動を幅広く奨励しております。この結果、当社のVTuberは幅広いファンからの支持を得ていると認識しており、当社が保有するホロライブプロダクションのYouTubeチャンネル登録数は延べ7,200万登録を超えました。こうした大きなファンベースの存在が魅力的な演者や国内外の主要なクリエイターとの継続的な共創を可能としております。
YouTubeチャンネル登録数の推移
(単位:人)
2022年3月期
2023年3月期
61,377,800
75,577,500
サービス別売上の推移
(単位:千円)
サービスの名称
2022年3月期
2023年3月期
配信/コンテンツ
5,249,683
6,342,733
ライブ/イベント
2,203,839
3,429,004
マーチャンダイジング
4,832,311
8,003,091
ライセンス/タイアップ
1,377,894
2,676,183
合計
13,663,728
20,451,013
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