【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が収束を見せないながらも、経済活動は徐々に動きを取り戻しつつあり、経済活動の本格的な再開と経済活性化が期待される状況ですが、ウクライナ情勢の緊迫化、エネルギー価格の高騰に伴う世界的なインフレ加速や、急激な為替の変動により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような事業環境において、2023年3月には、暗号資産「ネクスコイン(以下「NCXC」)」のGameFi領域での活用に向けた取り組みの一環として、GameFiプラットフォームの開発を開始いたしました。 GameFiは、ゲームをプレイすることでプレイヤーがトークンなどの経済的インセンティブを獲得できる「Play to Earn」(プレイ・トゥ・アーン)のブロックチェーンゲームを指します。また、GameFiの市場規模は、今後10年間にわたり平均成長率23.7%のペースで成長し、2031年には2021年の約8.3倍に値する74億2,000万ドル(約1兆17億円)へ拡大すると予想されております(出所:Report linker)。 ただ、GameFiは成長著しい市場ですがいくつかの課題も存在します。既存のGameFiで使用するトークンは、1ゲームに対して1トークンの発行が一般的で、ブームが一過性だとユーザー離脱のリスクが高く、ユーザー離脱が進むとトークンそのもののマーケット崩壊の可能性が高く、負のスパイラルに陥りやすい構造になっております。また、ユーザー側は、始める際に高額なNFTの購入が必要なケースが多く、ゲーム会社側も、通常のゲーム開発に加えブロックチェーンの技術が必要になったり、自社トークンを発行し取引所に上場させる必要があります。 当社が考えるGameFiプラットフォームは、これらの問題点を解決し、ユーザー、ゲーム会社にとってサステナブルなサービスの提供を目指します。2023年5月には、NCXCのライトペーパー*1を公開いたしました。*1 NCXCライトペーパー:https://www.ncxxgroup.co.jp/ncxc/lightpaper.html
NCXC GameFi プラットフォームの概要
また、当社は前年度において慢性的な営業赤字からの脱却と財務基盤の強化を目的とした「事業構造改革」を実施し、継続的な企業価値の向上を目指しております。この事業構造改革における不採算事業からの撤退により、営業赤字の大幅な改善と同時に連結売上高の70%が減少いたしました。そのため、IoT関連事業主体の現在の事業モデルから、成長分野へ大きく事業展開を行うことでさらなる成長ポテンシャルをもつ、新たなネクスグループへ生まれ変わるために、2023年4月に、2025年11月期までの3年間を対象期間とする中期経営計画を公表いたしました。
上記の結果、売上高においては、396百万円(前期比81.6%減)となりました。それに伴い、営業損失は87百万円(前期は営業利益474百万円)、経常損失は48百万円(前期は経常利益545百万円)、税金等調整前四半期純利益は91百万円(前期比72.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は87百万円(前期比72.9%減)となりました。前期に比べ売上及び各利益額が減少している理由につきましては、前期の第1四半期におきまして、前述した「事業構造改革」の不採算事業の譲渡を行うにあたり、子会社の借入金の精算を行うにあたり保有する暗号資産の一部を売却してキャッシュ化を行い、その際の暗号資産売却益を計上しているためです。進行年度の業績予想の進捗につきましては、売上計画が下期偏重していることもあり、概ね予定通りの進捗となっております。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメントごとの業績は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度における「インターネット旅行事業」及び「ブランドリテールプラットフォーム事業」からの事業撤退により、当社グループの報告セグメントは第1四半期連結会計期間から「IoT関連事業」「メタバース・デジタルコンテンツ事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」及び「その他」の4区分となりました。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載しております。
(メタバース・デジタルコンテンツ事業)
持分法適用関連会社の株式会社ワイルドマンでは、VR上のアバターを操作するためのメタバースユーザー向けワイヤレス・モーション・トラッキング装置の開発案件が進捗しております。株式会社実業之日本デジタル(以下「実日デジタル」)は、株式会社實業之日本社(以下「実業之日本社」)の刊行するコンテンツをデジタル化して配信する事業を行っており、いわゆる電子書店(電子書籍配信サイト、Web漫画サイト、漫画アプリ、雑誌読み放題サイトなど)及び電子取次、オーディオブック書店などが主な取引先となります。実日デジタルでは、小学校のICT教育のためにパソコンやタブレット導入が推進された背景を受け、朝読書や調べ学習などに活用されている株式会社ポプラ社の「Yomokka!」に1月より作品提供を開始しており、『「もしも?」の図鑑 ドラゴンの飼い方』(伊藤慎吾 著)が、閲覧可能な約3,000点中、同社調べの総合PV数ランキングで常にランキング上位をキープするなど、好調な閲覧状況が続いております。同じく、小学校向けサブスクリプションサービスとして株式会社ベネッセコーポレーションの「まなびライブラリー」にも4月より作品提供を開始しました。また、地方創生臨時交付金の活用事例に「図書館パワーアップ事業」が含まれたことから、2019年に電子版を扱う公共図書館は164館だったものが、2023年2月時点で669館と、3年で4.2倍となり、市場が急拡大しております。総合出版社である実業之日本社の強みを活かし、児童書や文芸作品はもとより、レシピ、資格、健康関係といった、電子図書館利用のメインターゲット層である20~40代女性向け作品を随時投入してまいります。その他、当社の主力作品である『静かなるドン』(新田たつお作画)については、マンガの各コマを再編集し効果音とセリフを入れ動画化する「ボイスコミック」という手法でYouTube公式チャンネルを6月下旬にリリースし、マンガアプリを利用されていない新たな読者層の獲得を行ってまいります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は69百万円(前期比377.9%増)、営業損失は4百万円(前期は営業損失14百万円)となりました。
(IoT関連事業)株式会社ネクスは、培ってきた自動車テレマティクスをはじめとする様々な分野に対するIoT技術をベースに「IoT×ブロックチェーン技術」、「IoT×AI技術」など、「IoT×新技術」を活用した新たなサービスの提供を目指しております。AIコンピューティングの分野で様々なプラットフォームを提供しているNVIDIA Corporationが提供するGPU(画像処理やディープラーニングに不可欠な並列演算処理を行う演算装置)を利用したリアルタイム画像認識技術と、マルチキャリア対応の高速モバイル通信技術を搭載した、NCXX AI BOX「AIX-01NX」は、AIプラットフォームのエッジ端末認定やAI開発ベンダーとのAIソフトウェア搭載検証、分析やシミュレーションによる効率的なモノ作りから都市レベルの課題解決まで、用途もますます拡大していくことが期待されるデジタルツインへの活用、および各通信事業者の動作確認済端末認定を進めております。1台でカメラ・センサーなどからの情報をリアルタイムにAI分析して分析結果を安定した通信性能でクラウドに連携することが可能な製品となっており、リテールテック、製造業、セキュリティ、介護見守り、測定・異常監視などの幅広い分野で活用が期待される技術であり、今後もこれらの技術をデバイス事業の新たな製品開発に活用してまいります。
NCXX AI BOX「AIX-01NX」
データ通信端末につきましては、第5世代移動通信システムである5Gに対応し、Wi-Fi、Ethernetを搭載したバッテリーレスのルーター・モデムとなる、5Gデータ端末「UNX-05G」の出荷を2023年3月から開始いたしました。5Gは、LTEと比べて超高速・大容量な通信で多数同時接続、超低遅延を実現するもので、今後、日本全国に基地局の展開が計画されており、ネットワーク上に仮想空間を構築するメタバース関連サービスの通信インフラとしての活用や、ライブメディアストリーミング、エクステンデッドリアリティ(XR)、遠隔医療、建設現場の建機遠隔制御、工場のスマートファクトリ、農業を高度化する自動農場管理、自治体や企業が建物内や敷地内でスポット的に柔軟に専用の5G環境を構築・運用できるローカル5Gへの活用など、地域課題解決や地方創生への対象領域の拡大が期待されております。2023年4月には、富士通株式会社が提供するローカル5Gスタンドアロンシステム Fujitsu Network PW300との接続性を検証する「接続検証プログラム」を通過し、接続検証済製品として認定されました。引き続き、ローカル5Gを含む各通信事業者との相互接続性試験を並行して実施しており、認証取得状況については順次お知らせしてまいります。
5Gデータ端末「UNX-05G」
テレマティクスにつきましては、法的規制強化と車両管理業務の効率化、ドライバーの減少・高齢化など市場を取り巻く社会環境の影響で需要が増加傾向にあるクラウド型車両管理・動態管理システムにおいて、NTT docomo/KDDI/SoftBankの国内の主なLTE周波数や、みちびき(準天頂衛星システム)など5方式のGNSS*2に対応した通信機能を持ち、より多くの衛星測位システムを使うことで、ビルや樹木などで視界が狭くなる都市部や山間部においても測位の安定性が向上したOBDⅡ型データ収集ユニット「GX700NC」が市場を確保しております。さらに、排気ガス測定・管理や今後増加するEV車の充電・電費・残量管理などの取得項目の追加案件も増加しており、SDGsへの取り組みなどにも活用の範囲が広がることが期待されます。
*2 「GNSS」とは「Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)」の略で、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星 (QZSS)等の衛星測位システムの総称です。
農業ICT事業(NCXX FARM)では、農作物の生産、加工、販売を行う「6次産業化事業」と、特許農法による「化学的土壌マネジメント」+ICTシステムによる「デジタル管理」のパッケージ販売を行う「フランチャイズ事業」の事業化を推進しております。「6次産業化事業」では、引き続きスーパーフードとして人気の高いGOLDEN BERRY(食用ほおずき)の生産、販売を行っており、青果と加工品のGOLDEN BERRYアイス、GOLDEN BERRYフレッシュリキュールを販売しております。また、青果販売については特に各種通販サイトにて好評をいただいており、2023年5月には全農東北のホームページ(https://tohoku-project.com/2023/05/09/876/)などでも紹介をされております。「フランチャイズ事業」では、自社試験圃場での栽培実績をもとに、自社独自の特許農法(多段式ポット)とICTシステムの提供に加えて、お客様の要望に沿った多種多様な農法・システム・農業関連製品の提供を行う農業総合コンサルティングサービスを展開しております。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は243百万円(前期比4.9%減)、営業利益は9百万円(前期は営業損失19百万円)となりました。
(暗号資産・ブロックチェーン事業)本事業では、NCXCを利用したサービスの向上、NCXCの流通促進、NCXC保有者の拡大を通じたNCXC経済圏の拡大を目指し、価値向上に向けた取り組みを行っております。NCXC GameFiプラットフォームの開発を行い、ゲーム会社とのアライアンスにより、世の中で既に実績を上げている他社ゲームタイトルを中心に、これらを簡単にPlay to Earnのゲームに転換することのできるプラットフォームサービスの提供を目指します。また、暗号資産市場の動向と資金効率を踏まえた暗号資産の安定的な運用を行ってまいります。当期は暗号資産の一部売却を行ったことで、営業利益を計上しております。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は60百万円(前期比92.2%減)、営業利益は36百万円(前期比95.3%減)となりました。
また、当第2四半期連結会計期間末における財政状態は、以下のとおりであります。
(資産)資産の残高は、前連結会計年度末と比較して、137百万円減少し、3,397百万円となりました。この主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が201百万円減少、投資有価証券が347百万円減少、のれんが48百万円減少したものの、現金及び預金が274百万円増加、仕掛品が81百万円増加したことによります。
(負債)負債の残高は、前連結会計年度末と比較して、41百万円減少し、185百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が11百万円増加したものの、借入金*3が15百万円減少、未払費用が28百万円減少したことによります。
*3 短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金残高の合計です。
(純資産)純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して、95百万円減少し、3,211百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が87百万円増加し、その他有価証券評価差額金が184百万円減少したことによります。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末と比べて274百万円増加し、782百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により獲得した金額は46百万円(前年同四半期は4百万円の資金獲得)となりました。これは主に、資金の増加要因として売上債権の減少201百万円があり、減少要因として投資有価証券売却益134百万円、棚卸資産の増加80百万円、暗号資産の増加50百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により獲得した金額は242百万円(前年同四半期は782百万円の資金支出)となりました。これは主に、資金の増加要因として投資有価証券の売却による収入276百万円があり、減少要因として有形固定資産の取得による支出46百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により支出した金額は15百万円(前年同四半期は334百万円の資金獲得)となりました。これは主に、資金の減少要因として長期借入金の返済による支出8百万円があったことによります。
(3) 経営方針・経営戦略等当社グループでは新たに中期経営計画を策定し、2023年4月5日に公表いたしました。IoT関連事業主体の現在の事業モデルから、成長分野へ大きく事業展開を行うことでさらなる成長ポテンシャルをもつ、新たなネクスグループへ生まれ変わります。この度の中期経営計画の骨子は大きくは以下の2点となります。 ・成長分野への大きな転換 ・新技術と既存事業とのシナジーの創出
「ブロックチェーン」、「トークン」、「メタバース」を掛け合わせた、Web3.0領域へ展開をします。具体的には、保有するネクスコイン(NCXC)を成長ポテンシャルの高い「GameFi」分野において、ユニークなスキームで活用することで、NCXC経済圏の拡大を目指してまいります。また、成長ポテンシャルの高い「メタバース」市場、「デジタルコンテンツ」市場へ参入と事業の拡大を目指します。さらに、ネクスの持つIoTの戦略資産に、メタバースなどの新たな強みが加わることで、成長ポテンシャルの高い「デジタルツイン」市場での展開を目指してまいります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、28百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
