【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変わり、経済社会活動の正常化の動きが見られたものの、エネルギー及び原材料価格の高騰や急激な為替の変動等により、依然として先行き不透明な状況となりました。このような厳しい経営環境においても、当社グループは、中期方針「未知の可能性への挑戦!」に基づき、変化し続けるお客様ニーズに応え、安定した収益確保と継続的な成長を果たすため、“イノベーションと顧客開発”及び“企業体質の再建”を柱とした事業戦略を推進しております。併せて、企業の潜在力である人材力、開発力、環境対応力を高める経営を継続し、企業体質の強化に取り組んでおります。当第1四半期の連結業績は、売上高325億8百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益29億8百万円(同0.5%減)、経常利益39億73百万円(同6.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益31億21百万円(同15.3%増)となり、売上高・経常利益・親会社株主に帰属する四半期純利益は第1四半期として過去最高となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(車輌資材事業)国内事業は、世界的な半導体不足の緩和や前年の上海ロックダウンによるサプライチェーン混乱からの反動により回復しました。エネルギー及び原材料価格の高騰があったものの、為替の影響や業務の効率化をはじめとする経費削減活動により増収・増益となりました。海外事業(2023年1~3月)では、半導体不足や原材料価格・輸送費の高騰が落ち着くとともに、カーシートの新規商権立ち上げがあったものの、中国における日系メーカーの販売不振の影響を大きく受け、減収・減益となりました。車輌資材事業全体では、国内事業の回復がけん引し増収・増益となりました。当事業の売上高は204億63百万円(前年同期比11.8%増)、営業利益21億15百万円(同6.2%増)となりました。(ハイファッション事業)アパレル業界において環境に配慮したモノづくりへの関心が高まるなか、当社は差別化商品を小ロット・短納期・在庫レスで製造する独自の「Viscotecs®」を活用したビジネスモデルの展開に加え、リサイクル素材や生分解性素材の開発・製造を進めております。ファッションアパレルは、一部百貨店ブランドにおいてコロナ禍からの回復が見られたものの、スポーツ、インナー含めアパレルはいずれも苦戦を強いられました。一方、KBセーレン㈱において海外向けスポーツ衣料用「ベルトロン」が底堅く推移したとともに、Saha Seiren Co., Ltd.においてアパレル事業の構造改善を行ったことにより、ハイファッション事業全体では増収・増益となりました。当事業の売上高は52億38百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益1億99百万円(同2億28百万円増)となりました。(エレクトロニクス事業)ゲーム機関連の新規商材が順調に推移したものの、スマートフォン向け商材の売上が減少しました。KBセーレン㈱においては、海外向け帯電防止カーペット用「ベルトロン」やケーブル用エンプラ繊維が伸び悩みました。その他、中国において世聯電子(蘇州)有限公司が客先休業の影響で受注が減少し、エレクトロニクス事業全体では減収・減益となりました。当事業の売上高は24億76百万円(前年同期比18.5%減)、営業利益は3億92百万円(同39.0%減)となりました。(環境・生活資材事業)ハウジング資材関連は環境対応商材が好調に推移したものの、戸建て住宅着工戸数減少の影響を受け、売上が減少しました。また、住生活資材関連は防護服等の特殊衣料が好調となった一方で、コロナ禍において一時的に需要が高まった病院・介護向け製品の売上が伸び悩みました。当事業の売上高は23億46百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は2億72百万円(同4.7%減)となりました。(メディカル事業)サポーター等の健康・医療資材が堅調に推移したとともに、KBセーレン㈱の逆浸透膜スペーサー部材「ベルカップル」の需要が伸びたものの、化粧品、医療システム及びKBセーレン㈱の貼付材の売上が減少したことにより、減収となりました。また、利益面ではエネルギー及び原材料価格高騰の影響が大きく、減益となりました。当事業の売上高は17億65百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益は1億60百万円(同37.4%減)となりました。(その他の事業)㈱ナゴヤセーレンの不動産賃貸管理事業が堅調に推移したものの、セーレン商事㈱の保険代理業が好調であった前年同期の反動減となりました。当事業の売上高は2億18百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益は1億6百万円(同22.1%減)となりました。
(2) 財政状態(資産の部)当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して31億44百万円増加の1,709億40百万円となりました。流動資産は、現金及び預金やその他の流動資産の増加により、前連結会計年度末と比較して22億46百万円の増加となりました。固定資産は、設備投資や、海外子会社の財務諸表の換算レートが円安になったことにより有形固定資産が増加し、前連結会計年度末と比較して8億98百万円増加しました。(負債の部)当第1四半期連結会計期間末における負債の部は、借入金の返済などにより、6億87百万円減少し、613億22百万円となりました。(純資産の部)当第1四半期連結会計期間末における純資産は、為替換算調整勘定の変動や、利益剰余金の増加などにより、全体で38億31百万円増加し、1,096億17百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は348億5百万円となり、前連結会計年度末より6億63百万円増加しました。「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、35億77百万円の収入(前年第1四半期連結累計期間は17億10百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益39億87百万円、減価償却費12億43百万円などによるものです。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、20億11百万円の支出(前年第1四半期連結累計期間は25億75百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11億5百万円、定期預金の増加8億98百万円などによるものです。「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、15億26百万円の支出(前年第1四半期連結累計期間は15億62百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払による支出12億31百万円などによるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は13億29百万円であります。 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。