【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における経済環境は、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が終了し、一部持ち直しの動きが見られたものの、新型コロナウイルス感染者数の再拡大、エネルギー及び原材料価格の高騰や、急激な為替の変動等により、依然として先行き不透明な状況となりました。このような厳しい経営環境においても、当社グループは、中期方針「未知の可能性への挑戦!」に基づき、変化し続けるお客様ニーズに応え、安定した収益確保と継続的な成長を果たすため、“イノベーションと顧客開発”及び“企業体質の再建”を柱とした事業戦略を推進しております。併せて、企業の潜在力である人材力、開発力及び環境対応力を高める経営を継続し、企業体質の強化に取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高973億40百万円(前年同期比21.5%増)、営業利益100億25百万円(同23.2%増)、経常利益126億65百万円(同44.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益93億59百万円(同42.6%増)となり、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する四半期純利益は過去最高となりました。セグメントの概況は次のとおりであります。(車輌資材事業)国内事業では、世界的な半導体不足よる自動車減産の影響を受けましたが、新規商権の立ち上げがあったことや、前年同期に比べ受注が回復したことにより、増収となりました。利益面では、エネルギー及び原材料価格の高騰が影響したものの、業務の効率化をはじめとする経費削減により増益となりました。海外事業(2022年1~9月)では、売上面で上海ロックダウンによる自動車減産の影響を受けた一方で、アジアにおいて合成皮革「クオーレ®」の販売が堅調に推移し、増収となりました。利益面では、原材料価格の高騰、更には海上輸送費高騰の影響を大きく受けたものの、国内同様、業務の効率化をはじめとする経費削減により増益となりました。当事業の売上高は596億19百万円(前年同期比27.7%増)、営業利益68億35百万円(同24.8%増)となりました。(ハイファッション事業)アウトドア人口増加の影響により、スポーツアパレルは順調に推移し、ファッションアパレルにおいても、一部百貨店ブランドにおいてコロナ禍からの回復が見られ、特に環境に配慮した商品への関心の高まりにより、再生PETや生分解性商品の売上が拡大しました。また、KBセーレン㈱における裏地事業が市場在庫の調整が進み底堅く推移したとともに、制電衣料用「ベルトロン」の売上が増加しました。当事業の売上高は162億28百万円(前年同期比17.8%増)、営業利益6億64百万円(同133.2%増)となりました。(エレクトロニクス事業)上海ロックダウンや中国市場の景況感悪化の影響を受け、スマートフォンやゲーム機関連商材の売上が減少した一方で、タブレット、ヘッドフォン等向け素材の販売が順調に推移しました。KBセーレン㈱においては、HDD用ワイピングテープや光ファイバー向け「ザヴィーナ」及びエンプラ繊維の売上が増加しました。また、セーレンKST㈱においては、各種センサー用SOIウェーハ、並びに電子機器の開発や製品テスト向け酸化膜加工が好調となりました。当事業の売上高は82億24百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は15億64百万円(同23.4%増)となりました。(環境・生活資材事業)ハウジング資材関連は戸建て住宅着工戸数減少の影響を受けたものの、新規商権の獲得や環境対応商材が好調に推移したことにより、売上が増加しました。また、住生活資材関連は病院・介護向けに機能性を高めた製品の受注増加等が売上に貢献したほか、オフィスパーテーション等、感染症対策やテレワーク関連商材が好調となりました。当事業の売上高は72億53百万円(前年同期比17.8%増)、営業利益は8億11百万円(同15.9%増)となりました。(メディカル事業)化粧品事業は上海ロックダウンの影響を受け、海外向けの売上が大幅に減少しましたが、医療向け消臭関連商材が順調に推移したことや、KBセーレン㈱の貼付材と「エスパンシオーネ」の絆創膏用途が拡大したことにより、売上が増加しました。しかしながら、利益面ではエネルギー及び原材料価格高騰の影響を受け、減益となりました。当事業の売上高は53億52百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は9億16百万円(同14.3%減)となりました。(その他の事業)㈱ナゴヤセーレンの不動産賃貸管理事業等が堅調に推移しました。当事業の売上高は6億60百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は3億95百万円(同1.4%増)となりました。
(2) 財政状態(資産の部)当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して157億48百万円増加の1,712億41百万円となりました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末と比較して106億32百万円の増加となりました。固定資産は、設備投資に加え、海外子会社の財務諸表の換算レートが円安になったことにより、有形固定資産が増加し、前連結会計年度末と比較して51億16百万円増加しました。(負債の部)当第3四半期連結会計期間末における負債の部は、借入金が減少した一方で支払手形及び買掛金が増加したことにより、1億14百万円増加し、637億62百万円となりました。(純資産の部)当第3四半期連結会計期間末における純資産は、為替換算調整勘定の変動や、利益剰余金の増加などにより、全体で156億34百万円増加し、1,074億79百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は341億34百万円となり、前連結会計年度末より13億16百万円減少しました。「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、71億83百万円の収入(前年同期は68億92百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益126億53百万円などによるものです。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、54億2百万円の支出(前年同期は46億25百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出62億4百万円があったことによるものです。「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、65億94百万円の支出(前年同期は30億32百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出33億93百万円、配当金の支払による支出23億6百万円などによるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は40億29百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画は以下のとおりであります。
会社名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額(百万円)
着手年月
完成予定年月
完成後の増加能力
総額
既支払額
提出会社二日市工場
福井県福井市
車輌資材
バイオマスボイラー導入及び周辺工事
774
28
2022年9月
2024年1月
蒸発量6t/h
なお、当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。