【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、5月には感染症法上の分類が第5類に引き下げられる等、社会経済活動は正常化が進むなかで、雇用・所得環境が改善する等、景気は緩やかながらも回復の動きがみられました。しかしながら、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れ、原油価格及び原材料の高騰に伴う物価上昇、ロシア・ウクライナ情勢等による地政学リスク等により、景気の先行きは不透明な状況で推移しております。こうした状況のなかで、フィルター部門の国内におきましては、自動車用フィルター業界は、自動車メーカーの生産ライン、カーディーラーに供給するフィルターメーカー(以下、純正メーカー)とカーショップ、ガソリンスタンド及び整備工場等に供給するフィルターメーカー(以下、市販メーカー)に大きく2つに分かれます。純正メーカーは、取引先の自動車メーカー、カーディーラー以外にも他の自動車メーカーのフィルターを品揃えして、補修用として市販メーカーの納入先にも販売しております。よって、自動車用フィルター市場は、純正メーカー、市販メーカーが入り混じって激しい競争を繰り広げており、特に価格の面では、新興国で製造された安価な商品が増加し、激しい価格競争にも晒されております。輸出におきましては、当社ブランド「VIC」を約40年間、海外の日本車向けに販売しておりますが、日本のフィルターメーカー、海外のフィルターメーカーと品質、価格等で激しい競争を展開しております。さらに、燃焼機器部門におきましては、プレス加工技術を活かし、1976年から風呂釜用バーナを製造するようになり、現在は、厨房機器メーカー、ボイラメーカー及びコインランドリーメーカー等にガスバーナ、熱交換器等を販売しております。当社は、新規取引先の開拓並びに既存取引先への訪問活動をコロナ禍以前と同等程度に戻しつつも、電話、メール及びWEB会議システム等も積極的に活用し、次のような営業活動を継続してまいりました。フィルター部門において国内では、付加価値の高い大型車用フィルター、既存品と差別化した高性能オイルフィルター及びプレス部品の拡販に注力すると共に、既存取引先との取引拡大に取り組んでまいりました。輸出では、主要輸出先への新製品の提案等の営業活動を強化してまいりました。燃焼機器部門では、取引先から依頼を受けたバーナの開発、既存のバーナ部品及び熱交換器の拡販に取り組んでまいりました。その結果、売上高は前年同四半期に比べ27百万円増加し、51億41百万円(前年同四半期比0.5%増)、売上高は増加したものの、原材料価格、梱包資材並びに電力費の上昇等により売上原価が増加したことが要因となり、営業利益は前年同四半期に比べ2億23百万円減少し、69百万円(前年同四半期比76.3%減)、経常利益は前年同四半期に比べ2億20百万円減少し、95百万円(前年同四半期比69.7%減)、四半期純利益は前年同四半期に比べ1億28百万円減少し、84百万円(前年同四半期比60.3%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次の通りであります。(フィルター部門)売上高に関しては、国内売上は減少したものの、輸出売上は増加しました。営業利益に関しては、売上高は増加したものの、原材料価格、梱包資材並びに電力費の上昇等により売上原価が増加したことが要因となり減少しました。その結果、売上高は前年同四半期に比べ66百万円増加し、48億84百万円(前年同四半期比1.4%増)、営業利益は前年同四半期に比べ1億99百万円減少し、2億88百万円(前年同四半期比40.9%減)となりました。(燃焼機器部門)売上高に関しては、厨房機器用バーナ及びコインランドリー向けバーナの売上高が減少しました。営業利益に関しては、売上高の減少に伴い生産量が減少したことにより、生産効率が低下したことが要因となり減少しました。その結果、売上高は前年同四半期に比べ39百万円減少し、2億55百万円(前年同四半期比13.5%減)、営業利益は、前年同四半期に比べ19百万円減少し、13百万円(前年同四半期比58.4%減)となりました。(その他)灰皿等の販売をしております。売上高は前年同四半期に比べ871千円増加し、1,403千円(前年同四半期比163.7%増)、営業損失は広告宣伝費等の経費が増加したことにより3,249千円(前年同四半期は営業損失1,441千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
①資産流動資産は、前事業年度末と比べて77百万円増加し、42億82百万円(前事業年度末比1.8%増)となりました。主な要因は、売上債権の回収金額が増加したこと及び電子記録債権制度を採用した取引先が増加したこと等により受取手形及び売掛金が2億85百万円減少したものの、電子記録債権が2億23百万円増加したこと、出荷対応等による商品の購入が増加したことにより商品及び製品が1億5百万円増加したことによるものです。固定資産は、前事業年度末と比べて79百万円減少し、27億62百万円(前事業年度末比2.8%減)となりました。主な要因は、繰延税金資産が30百万円増加したものの、投資有価証券の売却等により投資有価証券が1億12百万円減少したことによるものです。その結果、総資産は、前事業年度末と比べて2百万円減少し、70億45百万円(前事業年度末比0.0%減)となりました。
②負債流動負債は、前事業年度末と比べて1百万円増加し、11億29百万円(前事業年度末比0.1%増)となりました。主な要因は、仕入が減少したこと等により支払手形及び買掛金が84百万円減少したものの、前事業年度末と比べて支払うべき法人税等が増加したことにより未払法人税等が10百万円、冬季賞与の支給に備えたことにより賞与引当金が65百万円、新規設備を導入したことにより設備関係未払金が22百万円、それぞれ増加したことによるものです。固定負債は、前事業年度末と比べて16百万円増加し、2億88百万円(前事業年度末比6.2%増)となりました。主な要因は、退職給付引当金が20百万円増加したことによるものです。その結果、負債合計は、前事業年度末と比べて18百万円増加し、14億18百万円(前事業年度末比1.3%増)となりました。
③純資産純資産は、前事業年度末と比べて20百万円減少し、56億26百万円(前事業年度末比0.4%減)となりました。主な要因は、四半期純利益を84百万円計上したものの、配当金の支払いが1億10百万円となったことにより利益剰余金が26百万円減少したことによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は、21百万円であります。
#C7265JP #エイケン工業 #輸送用機器セクター