【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2022年11月1日~2023年1月31日)におけるわが国経済は、急激な円安傾向が一服したものの、新型コロナウイルス感染症の影響、不安定な世界情勢による資源価格の高騰、急激な為替変動など依然として先行き不透明な状況が継続しております。当社グループが事業を展開するITサービス業界及び金融サービス業界は、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、新たな生活様式が定着していく中で、さらなるデジタルトランスフォーメーションが進むことが予想されます。このような状況の下、ITサービス事業においては、大手SIer等の既存顧客からの受注の拡大に加え、一次請け比率の向上に努めました。金融サービス事業においては、ブロックチェーンや暗号資産交換所「Zaif」運営の知見を活かし、今後拡大が見込まれるWeb3事業の成長を図っております。また、これまで業績面、キャッシュ・フロー面で大幅なマイナスの影響をもたらしていた金融サービス事業の在り方を見直し、カイカ証券株式会社(以下、「カイカ証券」といいます。)において業態転換を図るべく、現在、既存商品の早期終了を進めております。
当第1四半期連結累計期間における売上高は1,187百万円(前年同四半期比32.2%減)となりました。株式会社CAICAテクノロジーズ(以下、「CAICAテクノロジーズ」といいます。)におけるシステム開発が堅調であった一方、株式会社カイカエクスチェンジ(以下、「カイカエクスチェンジ」といいます。)、株式会社カイカキャピタル(以下、「カイカキャピタル」といいます。)における、暗号資産価格の下落に伴う暗号資産売買損益の悪化や、カイカ証券におけるサービスの終了により、売上高は減少いたしました。利益面につきましては、グループ全体で販売費及び一般管理費の削減に努めたものの、売上高の減少を補いきれませんでした。この結果、営業損失は728百万円(前年同四半期は営業損失30百万円)、経常損失は741百万円(前年同四半期は経常損失39百万円)となりました。また、投資有価証券評価損23百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純損失は743百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益365百万円)となりました。
セグメントごとの業績は以下のとおりであります。1)ITサービス事業システム開発を担うCAICAテクノロジーズの売上高は前年同四半期を上回っておりますが、利益面では主にシステム開発にかかる原価率の上昇により前年同四半期を下回って進捗しております。金融機関向けのシステム開発分野は、一次請けである保険会社向け案件の売上高が拡大するとともに、銀行向け案件において、一次ベンダからのメガバンク案件を中心に引き合い、受注がともに拡大しております。非金融向けシステム開発分野は、顧客の事業拡大意欲が強く、IT投資も継続されており、新規案件の引き合いを常に確保できている状況にあります。
フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得しております。また、受注には至っていないものの、既存顧客以外の暗号資産交換所システムの引き合いを複数件獲得し、現在商談を進めております。また、当第1四半期連結累計期間において、エンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる 「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」や、Web3事業に参入する企業を支援する、セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービスの販売を開始いたしました。CAICAテクノロジーズでは、今後も引き続き自社ソリューションの提供を推進してまいります。一方、業界全体の課題でもありますが、優秀なエンジニアの獲得競争は激しさを増しております。CAICAテクノロジーズにおいても、人材獲得手法や採用体系の多角化に努め、一般とスペシャリストの処遇体系を整備するとともに、パートナー企業との連携にも注力しております。
これらの結果、ITサービス事業の売上高は、1,268百万円(前年同四半期比9.7%増)、営業利益は41百万円(前年同四半期比58.9%減)となりました。
2)金融サービス事業当社におきましては、当第1四半期連結累計期間は、特筆すべき暗号資産の投融資・運用は行っておりません。当社発行の暗号資産であるカイカコインにつきましては、先般立ち上げを発表したCAICA Verseにて、カイカコインを活用してブロックチェーンゲームを楽しめる予定であり、カイカコインホルダーがブロックチェーンゲームに参加することで新規ユーザーが増加すること見込んでおります。また、Zaifにてカイカコインを売却することによりシームレスな現金化が可能となる予定です。CAICA Verseは、ゲーム運営企業にとって、独自のトークンを発行することなく、ブロックチェーンゲームを運営することができる革新的なビジネスモデルです。是非、この新しいVerseにご期待ください。株式会社カイカフィナンシャルホールディングス(以下、「カイカフィナンシャルホールディングス」)が運営するZaif INOローンチパッド(一次販売)の売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としております。当第1四半期連結会計期間にスタートした事業でありますため、連結業績の寄与にはしばらく時間を要しますが、Web3事業としては、第一弾である「NFT事業」に続き、Web3インフラサービス、ステーキングサービスの「Web3 BaaS事業」、ウォレット提供、投げ銭提供の「決済代行事業」、Web3コミュニティ支援の「Web3事業支援」を推進いたします。カイカ証券におきましては、これまで独自のワラント商品に加え、暗号資産関連商品の取り扱いを拡充してまいりましたが、海外の大手暗号資産交換所の経営破綻などを発端とする暗号資産相場の乱調をはじめ、デリバティブ派生商品に対する投資家の意欲の衰退などからカイカ証券の提供する商品の拡充ができなかったうえ、取引量も伸び悩んでおります。こうした外部環境やカバードワラント事業の高コスト体質を考慮した結果、業態転換を図るべく、現在、既存商品の早期終了を進めております。カイカエクスチェンジの売上高は主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益で構成されております。当第1四半期連結累計期間においては、暗号資産価格の下落に伴う暗号資産売買損益の悪化や、暗号資産の市況悪化の影響を受け、暗号資産評価損を計上いたしました。カイカエクスチェンジでは現在、暗号資産市場の影響を受けにくいストック型収益の比率を上げることで安定基盤の構築を図っております。具体的には既にサービスを開始している「Zaifコイン積立」、「自動売買おてがるトレード」、「暗号資産FX」、暗号資産の大口取引需要に対応するための専用窓口「クリプトOTCデスク」等に加えて商品ラインナップのさらなる拡充を図ってまいります。また、当第1四半期連結会計期間は、Orderbook tradingのサービスページをリニューアルし、ユーザーの利便性向上に努めました。加えて、2023年1月に、暗号資産トロン(TRX)の取り扱いを開始しております。今後は、GameFi領域に特化したものなど、取り扱う暗号資産を厳選し、他社との差別化を図ってまいります。カイカキャピタルにおきましては、レンディングサービスを活発化させており、現在、ビットコイン(BTC)、シンボル(XYM)、カイカコイン(CICC)の募集を定期的に行っております。暗号資産の投融資・運用につきましては、暗号資産の価格の推移を見極め、慎重にトレーディングを行ってまいりましたが、当第1四半期連結累計期間においては、暗号資産価格の下落に伴う暗号資産売買損益の悪化や、暗号資産の市況悪化の影響を受け、暗号資産評価損を計上しております。
これらの結果、金融サービス事業の売上高は△82百万円(前年同四半期は596百万円)、営業損失は671百万円(前年同四半期は営業損失32百万円)となりました。
3)その他その他につきましては、暗号資産コンテンツの提供を行うメディア事業で構成されており、売上高は2百万円、営業利益は2百万円となりました。なお、メディア事業は前第3四半期連結会計期間に開始した事業であることから前年同四半期比の記載はございません。
② 財政状態の分析当第1四半期連結会計期間末における総資産は47,224百万円(前連結会計年度比20.0%減)となりました。これは主に利用者暗号資産が9,178百万円減少したことなどによるものであります。 当第1四半期連結会計期間末における負債は42,716百万円(前連結会計年度比20.7%減)となりました。これは主に預り暗号資産が9,178百万円減少したことなどによるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における純資産は4,508百万円(前連結会計年度比12.5%減)となりました。これは主に当第1四半期連結会計期間における親会社株主に帰属する四半期純損失により利益剰余金が減少したこと、行使価額修正条項付株式会社CAICA DIGITAL第3回新株予約権の一部権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ60百万円増加したことなどによるものであります。 以上のとおり、当第1四半期連結会計期間末においては、自己資本比率が9.0%(前連結会計年度末は8.3%)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
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