【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年11月1日から2023年4月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動の停滞が続くなか、エネルギー価格の上昇や円安に伴う物価上昇など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
外食産業におきましては、2022年11月に感染拡大が始まった新型コロナウイルス感染症第8波により、特に郊外店舗の人流が減少するなどの影響がみられました。また、食料品や光熱費の急激な上昇による節約志向の高まりから、外食機会の減少がみられるなど厳しい状況が続きました。加えて、外食チェーン店においては、いたずら動画がSNSで拡散され社会問題化いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、安心・安全に関するさまざまな取り組みを行いながら、当社の目指す回転寿司本来の手軽さと楽しさを追求してまいりました。
また、2022年11月には非接触型サービス「スマートくら寿司」や漁業創生を目指す「KURAおさかなファーム」の取り組みなどが総合的に評価され、農林水産省の「日本サービス大賞」に選定されました。
店舗開発につきましては、国内16店舗、米国5店舗、台湾2店舗の計23店舗を出店いたしました。この結果、当第2四半期連結会計期間末の店舗数は、全て直営で636店舗(「無添蔵」4店舗、「くら天然魚市場」1店舗、米国45店舗、台湾50店舗を含む)となりました。
セグメント業績は次の通りであります。
①日本
売上高805億33百万円(前年同期比7.4%増)、経常損失15億14百万円となりました。新型コロナウイルス感染症第8波による人流の減少や、飲食店における迷惑行為もあり、影響を受けました。迷惑行為への対策としてAIカメラシステムを改良し、迷惑行為を感知して防止する新システムを開発し、全店での導入を完了させて、安心、安全に食事ができる環境を整えました。今後とも、おすしが回るエンターテインメント性を守ってまいります。販売面においては、アフターコロナの需要獲得のため、「かに」「まぐろ」など人気の高い商品を中心としたフェアを展開し、人気アニメ「鬼滅の刃」「ちいかわ」「名探偵コナン」のグッズプレゼント等のキャンペーンを実施するとともに、積極的なTVコマーシャルの投入を行い、当第2四半期連結累計期間における売上高は過去最高となりました。
一方、円安に伴う原材料やエネルギー価格が大幅に上昇したほか、人件費の上昇に加え、資材費や水光熱費など様々なコストアップが発生しており、それらに対応するため、2022年10月に1皿110円(税込)の商品を115円(税込)、一部の1皿220円(税込)商品を165円(税込)に変更するなど、メニューミックスも含めた価格改定を実施いたしました。
②北米
米国子会社 Kura Sushi USA,Inc.(KSU)におきましては、売上高115億30百万円(前年同期比66.1%増)、経常損失4億19百万円となりました。継続的な新規出店と堅調な米国経済を背景に好調な売上高となりました。反面、40年ぶりに高い消費者物価上昇率を記録するなど、物価や賃金のインフレにより収益が圧迫されました。2022年11月には全米最大級のショッピングモール「モール・オブ・アメリカ」への出店をはじめ、ジャージーシティ、フィラデルフィア、エジソン、オークブルックテラスに出店いたしました。好調な売上を背景に、当第2四半期連結累計期間における店舗段階での収益は過去最高となりました。
③アジア
台湾子会社 亞洲藏壽司股份有限公司(KSA)を含むアジアにおきましては、売上高97億81百万円(前年同期比32.6%増)、経常利益は7億93百万円となりました。新型コロナウイルス感染症にかかる影響はほぼ無くなり、消費の回復傾向から売上高は順調に推移いたしました。また、2022年12月10日には台湾への入境者数制限も撤廃され、観光産業、飲食業に力強い追い風となりました。2022年12月には人気キャラクター「BT21」のグッズが当たるキャンペーンを実施しました。また、2023年3月には人気キャラクター「リラックマ」とタイアップし、「ビッくらポン!」の景品にキャラクターアイテムとして採用するなど、お客様に大変ご好評をいただきました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高1,018億45百万円、経常損失11億41百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は10億95百万円となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末における資産総額は、1,105億15百万円となり、前連結会計年度末と比較して8億93百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が32億49百万円減少した一方で、原材料及び貯蔵品が4億93百万円、有形固定資産が31億76百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して29億30百万円増加し、535億85百万円となりました。これは、主に買掛金が10億64百万円増加したこと等によるものであります。
純資産につきましては、主に親会社株主に帰属する四半期純損失10億95百万円を計上し、配当金の支払い7億94百万円を行ったこと等により、前連結会計年度末と比較して20億37百万円減少し、569億30百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが41億55百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが56億58百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが18億49百万円の支出、新規連結に伴い現金及び現金同等物が2億33百万円増加いたしました。この結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)残高は、期首より32億49百万円減少し、99億20百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果得られた資金は41億55百万円(前年同期比30.0%減)となりました。これは、主に税金等調整前四半期純損失が12億3百万円であったことに加えて、減価償却費が41億53百万円、仕入債務の増加額が10億95百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は56億58百万円(前年同期比2.1%増)となりました。これは有形固定資産の取得による支出が49億88百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は18億49百万円(前年同期比20.9%減)となりました。これは、リース債務の返済による支出が16億11百万円、配当金の支払額が7億92百万円あったこと等によるものであります。
(4)事業上及び財政上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。