【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況イ.業績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行などによる経済活動の正常化を受け、景気は緩やかな回復を続けております。一方で、欧米や中国を中心とした海外の景気減退の可能性や、原油価格の高止まり等に伴う燃料や原材料価格の高騰、及び地政学的リスクの高まり等により、先行きは依然として不透明な状況となっております。
このような情勢の下、当社グループにおきましては、2021年10月期を初年度とする中期経営計画「Create the Future ~新たな可能性へのチャレンジ~」を推進し、企業価値の向上に向けた重点施策の遂行に全力で取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、化成品事業の販売が減少したものの、農薬及び農業関連事業の海外向けの販売が好調に推移したこと、また、燃料や原材料価格の高騰を踏まえて販売価格の改定を実施したことなどにより130,395百万円、前年同期比24,061百万円(22.6%)の増加となりました。営業利益は14,109百万円、前年同期比3,767百万円(36.4%)の増加となりました。経常利益は、為替差損が計上されたものの、持分法による投資利益が増加したことなどにより18,717百万円、前年同期比2,563百万円(15.9%)の増加となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は14,480百万円、前年同期比3,416百万円(30.9%)の増加となりました。また、海外向け売上高の割合は60.3%となりました。
セグメントの概況につきましては以下のとおりです。
①農薬及び農業関連事業国内向けは、水稲用殺菌剤「ディザルタ」を含む箱処理剤、水稲用除草剤「エフィーダ剤」の販売が好調に推移しましたが、販売先の在庫調整の影響により出荷が減少したことから、前年同期並みとなりました。海外向けは、畑作用除草剤「アクシーブ剤」がアルゼンチンでの外貨不足による輸入制限や、ブラジルの農薬市場全体の流通在庫適正化の影響などにより、両国向けの出荷が減少したものの、北米を中心にその除草効果の高さと良好な市場環境による需要の増加から出荷が大幅に伸長しました。以上の結果、農薬及び農業関連事業の売上高は106,763百万円、前年同期比24,618百万円(30.0%)の増加となりました。営業利益は14,533百万円、前年同期比4,160百万円(40.1%)の増加となりました。
②化成品事業中国等の景気減速により半導体の需要が低迷したため、ビスマレイミド類や一部のクロロキシレン系化学品の出荷が減少しました。以上の結果、化成品事業の売上高は16,598百万円、前年同期比1,934百万円(10.4%)の減少となりました。営業利益は314百万円、前年同期比361百万円(53.5%)の減少となりました。
③その他物流事業が堅調に推移したことに加え、建設業において前期からの繰越工事の進捗により大幅な売上増となった結果、その他全体の売上高は7,035百万円、前年同期比1,378百万円(24.4%)の増加となりました。営業利益は609百万円、前年同期比91百万円(17.6%)の増加となりました。
ロ.財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の総資産は219,684百万円で、前連結会計年度末に比べ15,080百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券、建設仮勘定ならびに現金及び預金が増加したこと等によるものです。負債は82,656百万円で、前連結会計年度末に比べ47百万円の増加となりました。これは主に短期借入金の増加が支払手形及び買掛金、未払金ならびに未払法人税等の減少を上回ったこと等によるものです。純資産は137,028百万円で、前連結会計年度末に比べ15,033百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金ならびに為替換算調整勘定が増加したことによるものです。自己資本比率は59.3%、1株当たり純資産は1,083円19銭となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は4,273百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。