【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2021年11月1日から2022年10月31日まで)におけるわが国経済は、年初から新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一部社会活動の制限が続いておりましたが、感染防止策やワクチン接種が進み行動制限の緩和が進んでおります。一方で、世界情勢では、ロシアのウクライナ侵攻や中国・台湾問題など地政学的リスクに加え、日米金利差に伴う円安進行や急激な国内物価上昇など経済的リスクも高まり続けており、先行き不透明な状況が続いております。
ウェディング業界におきましては、社会経済活動の緩和に伴い集客イベント等も再開され挙式・披露宴の施行数は漸増傾向にあります。
このような状況の下、当社グループは、お客さまと社員の安全・安心を最優先事項と考え、「新型コロナウイルス感染防止ガイドライン」に基づき最大限の感染防止対策を徹底したうえで挙式・披露宴を実施してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,648百万円増加し、20,251百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,082百万円増加し、11,081百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,565百万円増加し、9,170百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は19,056百万円(前年同期比65.3%増)、営業利益は1,808百万円(前年同期は1,599百万円の営業損失)、経常利益は2,096百万円(同610百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,398百万円(同411百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。
(婚礼事業)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、社会経済活動が緩和されているものの、感染防止対策を徹底したうえで挙式・披露宴を実施してまいりました。
その結果、前連結会計年度と比較し、婚礼組数が増加したことから、売上高は18,442百万円(前年同期比68.6%増)、営業利益は1,889百万円(前年同期は1,648百万円の営業損失)となりました。
(介護事業)
売上高は545百万円(前年同期比0.9%減)、営業損失は2百万円(前年同期は41百万円の営業利益)となりました。
(食品事業)
売上高は182百万円(前年同期比62.2%増)、営業利益は39百万円(同496.4%増)となりました。
(フォト事業)
当連結会計年度(2021年11月)にフォト事業を展開する子会社を設立し、売上高は14百万円、営業損失は87百万円となりました。
(結婚仲介事業)
当連結会計年度(2021年11月)に結婚仲介事業を展開する子会社を設立し、売上高は1百万円、営業損失は29百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,367百万円(前年同期比68.9%増)増加し5,800百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,497百万円(前年同期比33.2%増)となりました。主な収入要因は、税金等調整前当期純利益2,083百万円、減価償却費1,011百万円、仕入債務の増加額264百万円、未払消費税等の増加額346百万円であり、主な支出要因は、売上債権の増加額140百万円、未収消費税等の増加額230百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、750百万円(前年同期比396.1%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出701百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、426百万円(前年同期比54.4%減)となりました。主な収入要因は、長期借入れによる収入229百万円、自己株式の売却による収入82百万円であり、主な支出要因は、長期借入金の返済による支出792百万円であります。
③ 施行、仕入、受注及び販売の実績
a.施行実績
当連結会計年度における施行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2021年11月1日
至 2022年10月31日)
施行数
前年同期比(%)
婚礼事業
5,088組
150.5
(注)1 介護事業、食品事業、フォト事業及び結婚仲介業については、該当事項はありません。
2 新型コロナウイルス感染症による挙式・披露宴の延期が減少し、施行組数が増加しております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2021年11月1日
至 2022年10月31日)
仕入高(千円)
前年同期比(%)
婚礼事業
3,540,121
176.8
介護事業
39,998
100.0
食品事業
107,786
164.9
フォト事業
13,649
-
合計
3,701,556
175.6
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 フォト事業については、当連結会計年度(2021年11月)に設立し仕入実績がないため、前年同期比は記載しておりません。
3 婚礼事業については、挙式・披露宴の延期が減少し、施行組数が増加したことから、仕入実績が増加しております。
4 食品事業については、販売数が増加したことから、仕入実績が増加しております。
c.受注実績
当連結会計年度における婚礼事業の受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2021年11月1日
至 2022年10月31日)
受注数
前年同期比(%)
受注残高
前年同期比(%)
婚礼事業
4,761組
142.8
5,223組
94.1
(注)1 介護事業、食品事業、フォト事業及び結婚仲介事業については、該当事項はありません。
2 新型コロナウイルス感染症の感染者数の減少により集客数が増加し、受注数が増加しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2021年11月1日
至 2022年10月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
婚礼事業
18,442,667
168.6
介護事業
545,673
99.1
食品事業
182,537
162.2
フォト事業
14,097
-
結婚仲介事業
1,339
-
調整額
△129,408
-
合計
19,056,906
165.3
(注)1 調整額は、セグメント間取引消去額であります。
2 婚礼事業については、新型コロナウイルス感染症による挙式・披露宴の延期が減少し、販売実績が増加しております。
3 食品事業については、前連結会計年度から販売を開始しており、販売数が増加したことから、販売実績が増加しております。
4 フォト事業、結婚仲介事業については、当連結会計年度(2021年11月)に設立し販売実績がないため、前年同期比は記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,648百万円増加し、20,251百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,762百万円増加し7,203百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,382百万円、流動資産その他が297百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ113百万円減少し13,047百万円となりました。これは主に、減価償却費の計上により有形固定資産が254百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,082百万円増加し、11,081百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,625百万円増加し7,604百万円となりました。これは主に、買掛金が263百万円、未払法人税等が718百万円、流動負債その他が586百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ543百万円減少し3,476百万円となりました。これは主に、長期借入金が531百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,565百万円増加し9,170百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,398百万円の計上による増加であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.1ポイント上昇し45.1%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度は、売上高19,056百万円(前年同期比65.3%増)、売上総利益11,240百万円(同73.6%増)、営業利益1,808百万円(前年同期は1,599百万円の営業損失)、経常利益2,096百万円(同610百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益1,398百万円(同411百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(売上高)
婚礼事業の売上高は、7,505百万円(前年同期比68.6%増)増加し18,442百万円となりました。この主な要因は、新型コロナウイルスの感染防止策やワクチン接種が進んだことにより、社会活動の制限緩和が進んだことにより、施行組数が増加したこと等によるものであります。なお、施行組数は5,088組(同50.5%増)、受注組数は4,761組(同42.8%増)となりました。
介護事業の売上高は、4百万円(同0.9%減)減少し、545百万円となりました。
食品事業の売上高は、70百万円(同62.2%増)増加し、182百万円となりました。
フォト事業においては、当連結会計年度(2021年11月)に子会社を設立し、売上高は14百万円となりました。
結婚仲介事業においては、当連結会計年度(2021年11月)に子会社を設立し、売上高は1百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前連結会計年度に比べ2,759百万円(前年同期比54.6%増)増加し7,816百万円となりました。
この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ4,767百万円(同73.6%増)増加し11,240百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1,358百万円(前年同期比16.8%増)増加し9,431百万円となりました。売上高に占める同比率は前連結会計年度に比べ20.5ポイント下降し49.5%となりました。
この結果、営業利益は1,808百万円(前年同期は1,599百万円の営業損失)となりました。
(営業外収益及び営業外費用、経常損益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べ700百万円減少し316百万円(前年同期比68.8%減)となりました。これは主に、雇用調整助成金が681百万円減少したことによるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ1百万円(同4.1%増)増加し29百万円となりました。
この結果、経常利益は2,096百万円(前年同期は610百万円の経常損失)となりました。
(特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純損益)
特別損失は、前連結会計年度に比べ8百万円増加し12百万円(前年同期比202.4%増)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は2,083百万円(前年同期は615百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度に比べ890百万円(前年同期は△199百万円の法人税等負担額)増加し691百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,398百万円(同411百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要は、運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は、食材等の仕入や、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要は、新規店舗の建設、既存店のリニューアル等であります。これらの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または金融機関からの借入により調達を行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大とその不測の事態に対応するその備えとして、機動的かつ安定的な資金を確保するため、取引銀行6行と貸越限度額9,500,000千円の当座貸越契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長を図っていく方針であり、そのためには、経営資源の効果的な配分による利益率の向上と強固な財務基盤の構築が不可欠であると考えております。従いまして、収益性や投資効率については総資産経常利益率を、財務バランスについては自己資本比率を、それぞれ重要な経営指標と認識しております。
当連結会計年度終了時点における総資産経常利益率及び自己資本比率は、新型コロナウイルス感染症の影響緩和により回復傾向であります。予断を許さない状況の中ではありますが、受注残組数は5,223組(前年同期比5.9%減)となりました。
また、キャンセルは低い水準で抑えられていることから、収束後の業績の回復を見込んでおります。
「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営戦略に取り組み、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底しながら、施行単価及び施行組数の回復に努めることで、目標とする経営指標の良化に努める方針であります。
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