【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2022年11月1日~2023年4月30日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の影響が緩やかになる一方で、長期化するロシア・ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や世界的な物価上昇、各国の金融引き締めによる急激な為替変動など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。日本経済においては、第1四半期連結会計期間に一時的に新規感染者数の再拡大がみられましたが、ワクチン接種の進展等による感染対策と経済活動の両立が進められ、資源高や円安進行による物価上昇はあるものの、個人消費や企業の設備投資を中心に持ち直しの動きがみられました。このような環境のもと、当社グループは、中期事業方針「4つのネットワーク(人・クルマ・街・駐車場)の拡大とシームレス化」の達成を目指し、再び成長路線に回帰するため、各事業の拡大を図っております。さらに、「シームレス化」をより強力に推進するための「デジタル戦略の推進」を方針に掲げ、成長投資を加速させております。なお、4つのネットワークの1つである「人(会員)」については、中期目標であるタイムズクラブ会員数1,000万人を2023年1月に達成いたしました。営業概況といたしましては、国内外事業ともに前連結会計年度から継続している各種施策の効果に加え、外部環境の改善もあったことから、総じて堅調な推移となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループ業績は、売上高は1,570億78百万円(前年同期比15.6%増)、営業利益は150億97百万円(同171.7%増)となりました。経常利益は、営業外費用として主に英国現地法人に対する外貨建貸付金の当第2四半期連結会計期間末為替レートによる評価替えに伴う為替差損17億37百万円を計上したことから114億93百万円(同191.0%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は79億79百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失6億30百万円)となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
駐車場事業国内第1四半期連結会計期間に一時的に新規感染者数が再拡大したものの行動制限等の実施はなく、当第2四半期連結累計期間としては順調に推移しました。これまで感染症禍で行ってきた確実に収益化する駐車場のみに絞った厳選開発等のノウハウを活かし、エリアの状況に合った開発を行うことで収益性を維持した駐車場の拡大を図っており、当第2四半期連結累計期間は504件の開発をしております。また、利便性向上に向けた取り組みとして、パートナーサービス(施設付帯の駐車場運営サービス)向けにカメラで入出庫の管理を行う駐車場の開発や、精算・決済手段を多様化することでキャッシュレス化を推進するなど、より簡単に入出庫や支払いが可能な次世代駐車場サービスの構築を進めております。
この結果、国内におけるタイムズパーキングの運営件数は17,509件(前連結会計年度末比0.6%増)、運営台数は568,820台(同3.0%増)、月極駐車場及び管理受託駐車場等を含めた総運営件数は25,277件(同0.1%増)、総運営台数は753,574台(同2.8%増)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は815億81百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は176億1百万円(同14.7%増)となりました。
駐車場事業海外主要な展開地域における状況につきましては、英国においては、駐車場の稼働は総じて堅調な推移となりました。豪州については、2022年11月にクイーンズランド州で感染者数の増加に伴い警戒レベルが引き上げられたものの影響は限定的となり、駐車場の稼働は堅調に推移しました。その他の地域につきましては、台湾を中心に順調に推移いたしました。また、国内の駐車場事業戦略である「小型・分散・ドミナント化」をベースに、各国の駐車場需要環境に最適化した短期契約駐車場の開発を促進・量産化することで、大型かつ長期契約駐車場に偏った事業ポートフォリオを見直し、事業リスクを低減させるとともに早期の黒字化に努めております。また、感染症禍で急速に進んだキャッシュレス決済への対応を引き続き推進することでお客様の利便性と満足度向上を図っております。 この結果、海外の駐車場の総運営件数は2,383件(前連結会計年度末比0.8%増)、総運営台数は535,374台(同4.4%減)となり、日本を含む全世界における駐車場の総運営件数は27,660件(同0.2%増)、総運営台数は1,288,948台(同0.3%減)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は327億75百万円(前年同期比27.8%増)、営業損失は8億84百万円(前年同期営業損失34億37百万円)となりました。※当第2四半期連結累計期間における海外グループ会社の連結対象期間は2022年10月1日~2023年3月31日となります。
モビリティ事業タイムズカー(カーシェアとレンタカーの融合サービス)については、車両を増加させつつ需要に合わせた適正配備をすることにより、旺盛な個人の観光需要や法人の出張需要等を取り込んだほか、個人・法人ともに需要喚起に向けたキャンペーンを実施したことなどにより、会員数及び利用が順調に増加し、車両1台当たり利用料売上高は好調に推移しました。また、当第2四半期連結累計期間において増車した車両台数は3,528台、開設した貸出拠点数は895箇所と、ネットワーク拡大に向けた増車の体制構築は順調に進捗しております。 この結果、モビリティ車両台数は56,590台(前連結会計年度末比6.6%増)、貸出拠点数は15,027箇所(同6.3%増)、会員数は2,181,431人(同6.9%増)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は453億33百万円(前年同期比28.1%増)、営業利益は56億85百万円(前年同期営業損失98百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況 当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比27億92百万円増加して3,104億19百万円となりました。主な増減といたしましては、増加でその他流動資産を含む流動資産が31億6百万円、投資その他の資産が4億28百万円、減少で使用権資産を含む有形固定資産が7億14百万円となっております。 負債合計は、同67億57百万円減少し、2,608億26百万円となりました。主な減少といたしましては、長期借入金を含む固定負債が44億21百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む流動負債が23億36百万円となっております。 純資産は、同95億50百万円増加し495億92百万円となりました。主な増加といたしましては、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上が79億79百万円、為替換算調整勘定が16億28百万円となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて2億59百万円減少し、848億5百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られたキャッシュ・フローは、243億53百万円(前年同期比193億68百万円の増加)となりました。主な内訳といたしましては、減価償却費を加えた税金等調整前四半期純利益272億11百万円、未払金の増加額23億11百万円、棚卸資産の減少額22億72百万円があった一方、法人税等の支払額78億36百万円があったことなどによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動に使用したキャッシュ・フローは、101億11百万円(同25億76百万円の支出の増加)となりました。これは主として、タイムズパーキングへの設備投資やモビリティ車両の取得などによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、146億円の資金の支出(同71億86百万円の支出の増加)となりました。これは主に新株予約権付社債の発行による収入があった一方、新株予約権付社債の償還による支出や長期借入金及びリース債務の返済による支出があったことなどによるものです。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等については重要な変更はありません。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動特記事項はありません。