【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間(2022年11月1日~2023年1月31日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の影響が緩やかになる一方で、長期化するロシア・ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や急激な為替変動など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。日本経済においては、新規感染者数は再拡大しましたが、ワクチン接種の進展等による感染対策と経済活動の両立が進められ、資源高や円安進行による物価上昇はあるものの、個人消費や企業の設備投資を中心に持ち直しの動きがみられました。このような環境のもと、当社グループは、中長期事業方針「4つのネットワーク(人・クルマ・街・駐車場)の拡大とシームレス化」の達成を目指し、再び成長路線に回帰するため、各事業の拡大を図っております。さらに、「シームレス化」をより強力に推進するための「デジタル戦略の推進」を方針に掲げ、成長投資を加速させております。なお、4つのネットワークの1つである「人(会員)」については、中期目標であるタイムズクラブ会員数1,000万人を2023年1月に達成いたしました。営業概況といたしましては、国内外事業ともに感染症拡大による影響は軽微であったことから、全ての事業で順調に推移しました。これらの結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループ業績は、売上高は790億22百万円(前年同期比13.0%増)、営業利益は84億16百万円(同80.9%増)となりました。経常利益は、営業外費用として主に英国現地法人に対する外貨建貸付金の当第1四半期連結会計期間末為替レートによる評価替えに伴う為替差損33億91百万円を計上したことから39億81百万円(同6.5%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億48百万円(同564.3%増)となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
駐車場事業国内当連結会計年度の初めより新規感染者数が再拡大したものの行動制限等は実施せず、当第1四半期連結累計期間全体としては順調に推移しました。これまで感染症禍で行ってきた確実に収益化する駐車場のみに絞った厳選開発等のノウハウを活かし、エリアの状況に合った開発を行うことで収益性を維持した駐車場の拡大を図っており、当第1四半期連結累計期間は257件の開発をしております。また、利便性向上に向けた取り組みとして、決済手段の多様化におけるキャッシュレス化を推進するなど、より簡単に入出庫や支払いが可能な次世代駐車場サービスの構築を進めております。
この結果、国内におけるタイムズパーキングの運営件数は17,469件(前連結会計年度末比0.4%増)、運営台数は558,463台(同1.2%増)、月極駐車場及び管理受託駐車場等を含めた総運営件数は25,094件(同0.6%減)、総運営台数は740,408台(同1.0%増)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は410億68百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は92億10百万円(同11.1%増)となりました。
駐車場事業海外主要な展開国における状況につきましては、英国においては、駐車場の稼働は総じて堅調な推移となりました。豪州については、2022年11月にクイーンズランド州で感染者数の増加に伴い警戒レベルが引き上げられたものの影響は限定的となり、駐車場の稼働は順調に推移しました。その他の地域につきましても、台湾を中心に順調に推移いたしました。また、国内の駐車場事業戦略である「小型・分散・ドミナント化」をベースに、各国の駐車場需要環境に最適化した短期契約駐車場の開発を促進・量産化することで、大型かつ長期契約駐車場に偏った事業ポートフォリオを見直し、事業リスクを低減させるとともに早期の黒字化に努めております。また、感染症禍で急速に進んだキャッシュレス決済への対応を引き続き推進することでお客様の利便性と満足度向上を図っております。この結果、海外の駐車場の総運営件数は2,394件(前連結会計年度末比1.3%増)、総運営台数は550,477台(同1.7%減)となり、日本を含む全世界における駐車場の総運営件数は27,488件(同0.4%減)、総運営台数は1,290,885台(同0.1%減)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は170億53百万円(前年同期比26.1%増)、営業損失は2億83百万円(前年同期営業損失10億10百万円)となりました。※当第1四半期連結累計期間における海外各国の連結対象期間は2022年10月1日~2022年12月31日となります。
モビリティ事業タイムズカー(カーシェアとレンタカーの融合サービス)については、会員数は順調に増加し、個人・法人ともに需要喚起に向けたキャンペーンを実施したことで利用が順調であったことから、車両1台当たり利用料売上高は好調に推移しました。また、当第1四半期連結累計期間において増車した車両台数は270台、開設した貸出拠点数は280箇所と微増となりました。第2四半期以降のネットワーク拡大に向けた増車の体制構築を行っております。この結果、モビリティ車両台数は53,332台(前連結会計年度末比0.5%増)、貸出拠点数は14,412箇所(前連結会計年度末比2.0%増)、会員数は2,091,525人(同2.5%増)となり、当事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は221億70百万円(前年同期比22.4%増)、営業利益は30億44百万円(同536.6%増)となりました。
(2) 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比34億27百万円減少し、3,041億98百万円となりました。主な減少といたしましては、使用権資産を含む有形固定資産が37億5百万円となっております。負債合計は、同96億39百万円減少し、2,579億44百万円となりました。主な減少といたしましては、未払法人税等を含む流動負債が81億26百万円、リース債務を含む固定負債が15億13百万円となっております。純資産は、同62億11百万円増加し、462億54百万円となりました。主な増加といたしましては、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上が31億48百万円、為替換算調整勘定が29億84百万円となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて15億78百万円減少し、834億87百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られたキャッシュ・フローは、45億45百万円(前年同期比90億10百万円の増加)となりました。主な内訳といたしましては、減価償却費等を加えた税金等調整前四半期純利益124億36百万円、売上債権の減少額19億12百万円があった一方、法人税等の支払額70億68百万円、未払費用の減少額17億16百万円、前払費用の増加額16億65百万円があったことなどによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動に使用したキャッシュ・フローは、25億35百万円(同8億円の支出の減少)となりました。主な内訳といたしましては、投資有価証券の売却による収入があった一方、タイムズパーキングへの設備投資やモビリティ車両の取得があったことなどによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、32億88百万円の資金の支出(同3億40百万円の支出の減少)となりました。これは主にリース債務及び長期借入金の返済による支出があったことなどによるものです。
(4) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動特記事項はありません。