【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(2022年11月1日~2023年4月30日)における我が国経済は、2023年1-3月期のGDP成長率が、前期比で実質0.7%増(年率換算2.7%増)と3四半期ぶりのプラス成長となりました。国内においては、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への制限が緩和され飲食、観光業界には好影響を与えておりますが、一方では、消費者物価の値上がりが続いており、賃上げ効果を相殺する懸念も生じています。また、米国においてインフレ抑制のための金利引き上げが継続的に行われており、いくつかの銀行倒産も発生し、金融市場が世界的に混乱するリスクの高まりも見られます。ウクライナにおける戦争も1年以上も続いており、未だに解決の目途はたってはおらず、先行きについては予断を許さない状況にあります。
このような環境の中、情報・印刷事業におきましては、コロナによる行動制限が緩和され、イベントや集客活動が活性化しつつありますが、広告媒体の中心がフリーペーパーからネットへと引き続き移行し、フリーペーパーの受注量は減少が続いております。一方で、少ロット多品種・短納期生産が強みであるデジタル印刷はECサイト経由の受注が堅調なこともあり引き続き増加しましたが、フリーペーパー等の落ち込みをカバーするまでには至らず、セグメント売上高は4,399百万円(前年同期比3.3%減)となりました。利益面においては、4月から印刷用紙と電力料金が更に上昇し、製品価格の改定交渉を鋭意進めてまいりましたが、全体需要が減少する中での交渉には一定の時間を要するため、コスト増をフルにカバーするまでには至らず、セグメント利益は221百万円(前年同期比27.7%減)となりました。価格是正交渉につきましては第3四半期中で一定の目処が立つ見通しです。これまでも取組んでおります多能工化、生産効率の向上等によるコスト削減については引き続き進めてまいります。デジタル印刷につきましてはECサイト経由の受注を一層強化してまいります。更に、第3四半期には、デジタル印刷とオフセット印刷との最適組み合わせによる顧客の印刷物廃棄ロスの最小化を図る新規受注案件も動き出すことから収益改善に資するものと考えております。また、顧客のSDGs活動へ貢献するために、従来のプラスチック製ファイルに代わる半透明性を有し、プラスチック製品に対し価格競争力のある紙製ファイルを開発し、既に一部の先進的企業には採用を頂いておりますが、引き続き普及を図ってまいります。
知育事業につきましては、繁忙期にあたる当第2四半期は順調に推移をしましたが、一方で、出版事業において予想を上回る返本並びに出版在庫の評価損が生じたため、セグメント売上高は506百万円(前年同期比15.8%減)、セグメント利益は26百万円の損失(前年同期は12百万円の利益)となりました。出版事業においては、昨年の中学の部に続き、今年は小学校の部において夏休みの課題図書に選出されたことから、夏休みに向けて相当部数の出版物の需要が見込めることになりました。また、3月・4月に実施した仏教園及び寺院向けの「花まつり」ダイレクトメールも好調に推移しました。幼保事業においては、2023年4月から設置が義務化された園バスの「園児置き去り防止安全装置」の販売に注力すると同時に、引き続き経費削減と効率化に努め、利益の改善を図ります。
その他事業におきましては、複数の販売チャネルで食品と化粧品の通信販売を行っておりますが、顧客基盤強化のための先行投資として広告宣伝費を投入した結果、セグメント売上高は26百万円、セグメント利益は19百万円の損失となりました。なお、その他事業は昨年7月より連結対象となったため、対前年比較を記載しておりません。引き続き、新規顧客の獲得に注力しつつアウトバウンドによるフォローも進め、定期顧客継続率向上を図るとともに費用対効果の高い販促ツールの活用により新規顧客獲得コストの低減を図ってまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は4,770百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は6百万円(前年同期比95.4%減)、経常利益は10百万円(前年同期比94.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は0百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益162百万円)となりました。
当社印刷製品関連情報提供サイトからのリード獲得、外部の営業支援会社の活用等を通じ、新規先との取引拡大を図ってまいります。また、生成AI技術を利用し、ECサイトの「プリントモール」、情報発信サイトの「賢者の販促」のより効果的な運営を進めてまいります。更に、デザイン面においては、画像生成AI技術を利用し、お客様の要望に素早く・効率的に印刷デザインの提案ができるよう、業務形態の早期一新に努めてまいります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は13,224百万円と、前連結会計年度末に比べて686百万円増加いたしました。これは主として、現金及び預金の増加534百万円、投資有価証券の増加176百万円によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は7,154百万円と、前連結会計年度末に比べて615百万円増加いたしました。これは主として、電子記録債務の増加608百万円、未払金の増加85百万円、リース債務の減少145百万円によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は6,069百万円と、前連結会計年度末に比べて70百万円増加いたしました。これは主として、利益剰余金の減少49百万円、その他有価証券評価差額金の増加124百万円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ534百万円増加し、4,539百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、748百万円(前年同期比43百万円の減少)となりました。これは主として、税金等調整前四半期純利益10百万円、減価償却費179百万円、仕入債務の増加680百万円、売上債権の増加141百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、44百万円(前年同期比23百万円の減少)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出28百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、168百万円(前年同期比137百万円の減少)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出336百万円、リース債務の返済による支出83百万円、長期借入れによる収入300百万円によるものであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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