【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析を行っております。(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、ウクライナ情勢の長期化に伴う原料価格・海上運賃の高止まり、エネルギー問題、サプライチェーンの混乱、為替変動など先の読めない不安定な状況が続いております。個人消費においては、行動制限解除などコロナ禍から状況が改善し、経済活動が正常化しつつあり、消費マインドの回復が見込まれるものの、光熱費、食料品を中心とした物価の急上昇により、衣料品に対しては、慎重な購買行動が継続しております。こうした状況のなか当社は、収益力の挽回に向け、受注活動段階から品番毎の適正利益確保に取り組み、原価上昇分の価格引き上げ交渉も行っているところであります。加えて本年度から「Revitalize Plan(黒字体質復活計画)」をスタートさせ、希望退職者の募集、本社オフィスの縮小、東京支店の移転を行うとともに、海外拠点の統廃合を決定するなど、固定費削減に向けた取り組みを進めております。こうした取り組みの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は47,906百万円(前年同期比16.4%増)となりました。損益面では、増収に伴い物流費などが増加したものの、売上高総利益率が改善し(18.9%、前年同期比0.9ポイント増)、営業利益は246百万円(前年同期は営業損失920百万円)、経常利益は466百万円(前年同期は経常損失748百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は163百万円(前年同期は純損失987百万円)となり、6四半期ぶりの黒字となりました。引き続き「Revitalize Plan(黒字体質復活計画)」に取り組み、収益改善を果たすとともに、構造改革を実行し、黒字体質を定着させていく所存であります。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。<アパレル・テキスタイル関連事業>上記の取り組みにより、売上高は43,619百万円(前年同期比15.4%増)、営業損失は136百万円(前年同期は営業損失1,258百万円)となりました。<賃貸事業>概ね前年並みに推移し、売上高は649百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は427百万円(前年同期比0.7%増)となりました。<マテリアル事業>化成品の増収により、売上高は2,833百万円(前年同期比38.0%増)、営業利益は163百万円(前年同期比172.4%増)となりました。<コスメ事業>前年第3四半期に事業を立ち上げ、当第3四半期連結累計期間の売上高は54百万円、営業損失は159百万円となりました。<その他>フランチャイジーとして展開するコメダ珈琲店の増収や他社からの物流作業の取り込みの寄与により、売上高は749百万円(前年同期比12.5%増)、営業損失は52百万円(前年同期は営業損失101百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析①資産
流動資産は、前連結会計年度末比5,384百万円増加し、27,022百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が5,440百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末比755百万円減少し、24,693百万円となりました。これは主として、投資有価証券が413百万円、長期差入保証金が211百万円減少したことなどによるものであります。この結果、総資産は、前連結会計年度末比4,628百万円増加し、51,716百万円となりました。
②負債 負債は、前連結会計年度末比5,154百万円増加し、23,091百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が1,342百万円、借入金が3,725百万円増加したことなどによるものであります。
③純資産純資産は、前連結会計年度末比526百万円減少し、28,625百万円となりました。これは主として、繰延ヘッジ損益が526百万円減少したことなどによるものであります。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、1,627百万円(36.9%)減少の2,777百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により減少した資金は、6,282百万円(前年同期は3,905百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が270百万円、仕入債務が1,341百万円増加した一方で、売上債権が5,424百万円、棚卸資産が2,056百万円増加したことなどによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により増加した資金は、1,103百万円(前年同期は113百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が813百万円、差入保証金の回収による収入が257百万円となったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により増加した資金は、3,456百万円(前年同期は3,490百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が1,775百万円となった一方で、短期借入金の増加額が5,500百万円となったことなどによるものであります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第3四半期連結累計期間において、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動 該当事項はありません。
(7) 従業員数前連結会計年度末に比べアパレル・テキスタイル関連事業は86名、マテリアル事業は3名、その他は4名減少、コスメ事業は1名増加し、749名となりました。主な減少要因は、当第3四半期連結累計期間において当社で実施した希望退職の募集によるものです。
(8) 生産、受注及び販売の実績 当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(9) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。