【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の回復等により、回復基調で推移しました。世界経済においては、インフレ圧力が顕在化する中で、欧米各国は金融政策を引き締め方向に転換させました。このような金融情勢の中、ドル円相場は激しく変動しました。中国においては、ゼロコロナ政策下での厳しい行動制限や同政策終了後の感染急拡大による混乱が景気を下押ししました。このような状況のもと、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて3,009百万円増加し、32,017百万円となりました。これは主に、売上債権が752百万円、棚卸資産が979百万円、投資その他の資産が537百万円それぞれ増加したこと等によるものです。負債は、前連結会計年度末に比べて2,321百万円増加し、10,778百万円となりました。これは主に、仕入債務が836百万円、短期借入金が1,822百万円それぞれ増加した一方で、未払法人税等が244百万円減少したこと等によるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べて688百万円増加し、21,240百万円となりました。これは主に、利益剰余金が242百万円、為替換算調整勘定が373百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
b.経営成績当連結会計年度の売上高は、原材料価格高騰等に伴う販売価格の是正により、30,333百万円(前期比11.1%増)となったものの、販売価格への転嫁までにタイムラグが生じていることから、営業利益は523百万円(前期比63.5%減)となり、経常利益は1,046百万円(前期比48.0%減)となりました。また、前期の特別利益(固定資産売却益833百万円)の剥落もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は615百万円(前期比66.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。日本全体的には販売価格の是正により増収となりました。部門別の販売の状況は次のとおりです。特殊潤滑油部門では国内自動車生産台数は前期を上回ったものの、主要顧客での生産台数減少の影響を受け、数量は前期を下回りました。ホットメルト接着剤部門では、主力の衛生材用途が堅調に推移したことに加え、粘着用途での新規獲得による増加等により数量は前期を上回りました。素材部門では、ポリスチレン可塑剤用途での数量が、顧客工場での大型定期修理等の影響で減少しました。合成潤滑油部門では、高温用潤滑油が顧客での在庫調整の影響を受け、またハードディスク表面潤滑剤はデータセンター投資の冷え込みの影響により、ともに数量は前期を下回りました。以上の結果、当セグメントの外部顧客への売上高は19,637百万円(前期比6.8%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響によりセグメント利益は33百万円(前期比96.0%減)となりました。
中国特殊潤滑油は販売価格の是正と円安の進行により増収となりました。ホットメルト接着剤は、空気清浄機用フィルター用途での需要が一段落したこと等により減収となりました。この結果、当セグメントの外部顧客への売上高は3,814百万円(前期比5.2%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響によりセグメント利益は311百万円(前期比28.2%減)となりました。
東南/南アジア特殊潤滑油は需要の回復により前期を上回る数量となり、また販売価格の是正と円安の進行により増収となりました。ホットメルト接着剤はインドおよびインドネシアでの数量増により増収となりました。この結果、当セグメントの外部顧客への売上高は5,870百万円(前期比30.4%増)となりセグメント利益は123百万円(前期比42.7%増)となりました。
北米メキシコにおける日系自動車メーカーの稼働率低下の影響等により数量は減少しましたが、販売価格の是正と円安の進行により増収となりました。この結果、当セグメントの外部顧客への売上高は1,011百万円(前期比28.1%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響によりセグメント利益は87百万円(前期比18.6%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて532百万円増加し、4,186百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。営業活動によるキャッシュ・フローは515百万円の収入(前期は2,333百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益等によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは1,172百万円の支出(前期は603百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出等によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは1,227百万円の収入(前期は2,937百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額等によるものです。
③ 生産、受注および販売の実績
a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年3月1日至 2023年2月28日)
前年同期比(%)
日本(百万円)
18,366
108.7
中国(百万円)
2,754
90.4
東南/南アジア(百万円)
6,870
118.9
北米(百万円)
272
123.0
合計(百万円)
28,261
108.9
(注) 金額は販売価格によっております。
b.受注実績当社グループの化学品事業は、主として見込み生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年3月1日至 2023年2月28日)
前年同期比(%)
日本(百万円)
19,637
106.8
中国(百万円)
3,814
105.2
東南/南アジア(百万円)
5,870
130.4
北米(百万円)
1,011
128.1
合計(百万円)
30,333
111.1
(注) 1.従前は、セグメント間の内部売上高を含めてセグメント別の売上高を記載しておりましたが、当期より外部顧客への売上高のみを記載する方法に変更しております。2.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2021年3月1日至 2022年2月28日)
当連結会計年度(自 2022年3月1日至 2023年2月28日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
松村石油株式会社
4,354
15.9
4,809
15.9
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は30,333百万円(前期比11.1%増)となりました。全般的に販売価格が上昇したこと、インドおよびインドネシアでのホットメルト接着剤の増販および東南アジアでの特殊潤滑油の需要回復等によるものです。利益面については、原材料価格高騰による原価率の上昇により、営業利益は523百万円(前期比63.5%減)となり、経常利益は1,046百万円(前期比48.0%減)となりました。また、前期の特別利益(固定資産売却益833百万円)の剥落もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は615百万円(前期比66.0%減)となりました。財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報当連結会計年度においては、営業活動で得られた収入および財務活動で得られた収入を主な財源として、有形固定資産の取得を行いました。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社グループの資本の財源および資金の流動性については、必要資金は自己資金のほか金融機関からの借入等で確保しております。自己資金に関しては、営業活動によるキャッシュ・フローにより、継続的、安定的な資金の獲得を行っておりますことに加え、グループ各社の資金集約化により、資金の効率的な運用に努めております。また、金融機関からの借入に関しては、主要取引金融機関と当座貸越契約を締結し、資金の流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)に記載しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度は第9次中期経営計画(2021年度~2023年度)の2年目でありました。当該計画立案当初における当連結会計年度の目標数値の達成状況は次のとおりであります。
2023年2月期(目標)
2023年2月期(実績)
達成率(%)
売上高(百万円)
27,700
30,333
109.5%
営業利益(百万円)
1,670
523
31.3%
経常利益(百万円)
1,870
1,046
55.9%
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)
1,070
615
57.4%
経常利益率(%)
6.8%
3.4%
―
(注)目標は2021年2月22日公表値です。
また、2023年度の目標数値は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであり、その達成のための対処すべき課題は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載のとおりであります。
#C5018JP #MORESCO #石油石炭製品セクター