【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費の回復等により、回復基調で推移しました。世界経済においては、ウクライナ紛争の長期化が世界的なインフレに拍車をかけています。インフレ圧力が顕在化する中で、欧米各国は金融政策を引き締め方向に転換させましたが、米国においては11月以降のインフレ鈍化観測により、利上げのペースを鈍化させました。このような金融情勢の中、ドル円相場は激しく変動しました。
このような状況のもと当社グループにおいては販売価格の是正により、売上高は22,479百万円(前年同期比10.1%増)となったものの、原材料価格は依然として上昇基調にあり、販売価格への転嫁までにタイムラグが生じたことから、営業利益は511百万円(前年同期比62.8%減)となりました。急激な円安進行による為替差益の計上により、営業外損益は大幅増益となったものの、経常利益は1,144百万円(前年同期比34.0%減)となりました。また、前年同期の特別利益(固定資産売却益833百万円)の剥落もあり、親会社株主に帰属する四半期純利益は719百万円(前年同期比58.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①日本
全体的には販売価格の是正により増収となりました。増減の内訳は次の通りです。
特殊潤滑油部門では、ダイカスト用油剤の減少を難燃性作動液の需要回復や切削油剤の新規拡販等がカバーしたことにより、前年同期並みの数量となりました。ホットメルト接着剤部門では、主力の衛生材用途が堅調に推移したことに加え、粘着用途での新規獲得による増加等により前年同期を上回る数量となりました。素材部門では、ポリスチレン可塑剤用途での出荷が、顧客工場での大型定期修理の影響で減少しました。合成潤滑油部門では、顧客での在庫調整の影響により高温用潤滑油の数量は減少しました。
以上の結果、当セグメントの外部顧客への売上高は14,629百万円(前年同期比5.7%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響によりセグメント利益は161百万円(前年同期比80.8%減)となりました。
②中国
特殊潤滑油は販売価格の是正と円安の進行により増収となりました。ホットメルト接着剤は、空気清浄機用フィルター用途での需要が一段落したこと等により減収となりました。
この結果、当セグメントの外部顧客への売上高は2,813百万円(前年同期比7.7%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響によりセグメント利益は205百万円(前年同期比37.3%減)となりました。
③東南/南アジア
特殊潤滑油は需要の回復により前年を上回る数量となり、また販売価格の是正と円安の進行により増収となりました。ホットメルト接着剤はインドおよびインドネシアでの数量増により増収となりました。
この結果、当セグメントの外部顧客への売上高は4,274百万円(前年同期比27.8%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響によりセグメント利益は86百万円(前年同期比15.5%減)となりました。
④北米
メキシコにおける日系自動車メーカーの稼働率低下の影響等により数量は減少しましたが、販売価格の是正と円安の進行により増収となりました。
この結果、当セグメントの外部顧客への売上高は762百万円(前年同期比24.0%増)となりましたが、原材料価格高騰等の影響によりセグメント利益は78百万円(前年同期比22.6%減)となりました。
財政状態は、次のとおりです。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて2,920百万円増加し、31,929百万円となりました。これは主に、売上債権が987百万円、棚卸資産が985百万円、建物及び構築物が513百万円それぞれ増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて1,652百万円増加し、10,108百万円となりました。これは主に、未払法人税等が320百万円減少した一方で、仕入債務が866百万円、短期借入金が989百万円それぞれ増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて1,269百万円増加し、21,820百万円となりました。これは主に、利益剰余金が346百万円、為替換算調整勘定が872百万円それぞれ増加したことによります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、950百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
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