【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、withコロナへのシフトが進むとともに、個人消費やインバウンド需要の回復などから経済活動は緩やかな回復が続きましたが、資源や燃料価格の高止まりや円安などの不安要素もあり、依然として不透明な状況が続いております。こうした状況のもと、当社グループのディスクロージャー関連事業に関係が深い国内株式市場においては、国内景気の回復および世界的な金融引き締めや中国景気の先行き不透明感などを背景に、海外投資家による資金流入が続いたこと等からTOPIXと日経平均株価はともに1990年以来の高値を更新し、日経平均株価は31,000円台から33,000円台の水準で推移しました。通訳・翻訳事業は、特に通訳事業における主たる事業領域である、大規模な国際会議やイベントの開催が対面やオンラインにより増えており、これに伴う通訳機会も大幅に回復してきております。このような事業環境において、当社グループは新型コロナウイルス感染症拡大、それに伴う資本市場や経済活動の停滞を契機とした情報開示充実への要請とWeb化、オンライン化、事業体のグローバル化への動きは今後も一層進展していくものと考えております。with/afterコロナを見据え、多様化するお客様のニーズにお応えするべくお客様の決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」をリリースし、導入社数の増加に注力してまいりました。また、コーポレートガバナンス・コード適用や東京証券取引所における2022年4月からの新市場区分への移行に伴い、積極性を増すステークホルダーとの対話や非財務情報開示の充実化への需要に対する製品やサービスの提供、「ネットで招集」や株主総会の動画配信(ライブ・オンデマンド)をはじめとする株主総会プロセスの電子化への対応にも取り組んでまいりました。また、afterコロナにおいても一定規模でリモートワークや遠隔会議の環境は定着していくことが予想されます。通訳事業ではコロナ禍の中、遠隔同時通訳プラットフォーム“interprefy”が急速に普及しており、従来よりも安価で簡便な形での大規模なイベントの通訳や、海外での会議における通訳者の海外渡航を伴わない国内からの通訳を可能にしております。これは、これからの経済社会の変化において通訳事業が成長するための基盤の一つを構築するものになると捉えております。
その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は8,418百万円(前年同四半期比100百万円増、同1.2%増)となりました。利益面については、営業利益は1,832百万円(同29百万円増、同1.6%増)、経常利益は1,880百万円(同12百万円増、同0.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,283百万円(同15百万円増、同1.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高又は振替高を相殺消去し記載しております。(ディスクロージャー関連事業)当セグメントにおきましては、統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」や統合報告書の売上は増加しましたが、株主総会関連製品の売上が減少したことにより、売上高は6,350百万円(同73百万円減、同1.1%減)となりました。しかし、各種システムに係る運用保守費用の見直しによるコスト減少などにより、セグメント利益は1,598百万円(同50百万円増、同3.2%増)となりました。「ディスクロージャー関連事業」を製品区分別にご説明いたしますと、次のとおりであります。なお、当セグメントにおいて売上区分の見直しを行い、従来「IR関連製品」及び「その他製品」に区分しておりました「ディスクロージャー翻訳」及び「株主総会関連製品」を顧客へ提供する役務内容の変化に合わせて、「金融商品取引法関連製品」及び「会社法関連製品」に区分変更しており、前第1四半期連結累計期間の数値を変更後の売上区分に組み替えております。・金融商品取引法関連製品統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入顧客数の増加や、金融商品取引法関連文書の翻訳の売上が増加したことにより、売上高は2,625百万円(同127百万円増、同5.1%増)となりました。・会社法関連製品株主総会招集通知の早期開示傾向の影響などにより、株主総会招集通知および関連文書の売上が2023年5月にずれ込み、売上高は1,872百万円(同240百万円減、同11.4%減)となりました。・IR関連製品統合報告書の売上が増加したことにより、売上高は1,498百万円(同4百万円増、同0.3%増)となりました。・その他製品株主優待関連の売上が増加したことにより、売上高は354百万円(同34百万円増、同10.8%増)となりました。
なお、当セグメントの売上高はお得意様の決算期が3月に集中していることに伴い季節的変動があり、第1四半期および第4四半期の売上高が他の四半期に比べて多くなる傾向があります。
(通訳・翻訳事業)当セグメントにおきましては、売上高は2,068百万円(同173百万円増、同9.2%増)となりました。通訳事業においては、G7サミットやビジネスサミットをはじめ、コロナ禍からの経済活動の正常化への戻りとともに、日本での国際会議やイベントも多く開催されました。また、海外出張や対面での会議も戻り、対面とオンラインの組み合わせによるハイブリッド型会議など様々な形式で売上が増加しました。 翻訳事業においては、大口クライアントや大型案件が減少したものの、市場再編等の動きなどによる経営関連の翻訳需要が安定的に推移し、売上は大きく伸長しました。 利益面では、売上増加に加え生産性向上により、セグメント利益は150百万円(同51百万円増、同52.6%増)となりました。
また、当第1四半期連結会計期間における財政状態の概況は次のとおりであります。
・資産流動資産は、前連結会計年度末に比べて873百万円(4.5%)減少し、18,597百万円となりました。これは、現金及び預金が1,323百万円増加し、受取手形、売掛金及び契約資産が1,897百万円、仕掛品が415百万円それぞれ減少したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて3百万円(0.0%)減少し、13,969百万円となりました。これは、投資有価証券が23百万円、繰延税金資産が94百万円それぞれ増加し、ソフトウェアが127百万円減少したことなどによります。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて876百万円(2.6%)減少し、32,567百万円となりました。
・負債流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,075百万円(28.9%)減少し、5,113百万円となりました。これは、賞与引当金が370百万円増加し、買掛金が921百万円、未払費用が1,259百万円それぞれ減少したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて94百万円(8.1%)増加し、1,267百万円となりました。これは、繰延税金負債が47百万円、退職給付に係る負債が54百万円それぞれ増加し、長期借入金が7百万円減少したことなどによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,981百万円(23.7%)減少し、6,380百万円となりました。
・純資産純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,104百万円(4.4%)増加し、26,186百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益1,283百万円の計上による増加と剰余金の配当457百万円などによります。
(2) 経営方針・経営戦略等当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 従業員数当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。なお、当社グループにおけるディスクロージャー関連事業の売上高については、お得意様の決算期が3月に集中していることに伴い季節的変動があり、第1四半期および第4四半期の売上高が他の四半期に比べて多くなる傾向があります。
(7) 主要な設備当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。
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