【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断するものです。
(1)経営成績に関する説明当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和により経済活動の正常化が進み、回復基調で推移しましたが、国際情勢に起因するエネルギー資源、原材料の高騰や、円安の進行を背景とする先行き不透明な状況が続いています。このような状況の中、公式オンラインストア掲載の商品をリアル店舗に取り寄せて試着の上で購入できるOMO(Online Merges with Offline)サービス「クリック&トライ」において、利用者数が高水準で推移し、リアル店舗での販売の拡大に貢献しました。また、グローバル事業構造改革の一環として自社ブランド事業へ経営資源を集中させる方針のもと、2021年4月に策定した中期経営ビジョン「ONWARD VISION 2030」の実現に向け、アパレル・ライフスタイルセグメントの両輪でビジネスを推進しています。当期において、ブランドビジネスのさらなる強化・推進に向けて、アメリカンライフスタイルブランド『JOSEPH ABBOUD(ジョセフ・アブード)』の日本における商標権を取得しました。既存の百貨店販路のみならず、ショッピングセンター、路面店、他社ECモールなど新たな販売チャネルへ積極的に出店し、商品ラインアップを大幅に拡充することで、当社グループの基幹ブランドへの成長を加速させていきます。以上の結果、連結売上高は1,303億97百万円(前年同期比4.9%増)、連結営業利益は43億15百万円(前年同期は営業損失9億48百万円)、連結経常利益は46億98百万円(前年同期は経常損失7億59百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億23百万円(前年同期比66.3%減)となりました。また、当社グループでは新規事業の創出やM&A等を活用した事業基盤の強化・拡大による成長を加速していく中で、会計基準の差異にとらわれることなく企業比較を容易にすることを目的とし、EBITDA(営業利益+減価償却費およびのれん償却費)を経営指標としています。なお、当第3四半期連結累計期間のEBITDAは82億44百万円(前年同期比191.0%増)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりです。
〔アパレル関連事業〕国内事業は、中核事業会社である株式会社オンワード樫山において、「クリック&トライ」サービスを導入したOMO型店舗で引き続き売上が拡大し、百貨店を中心にリアル店舗での売上が好調に推移しました。『グレースコンチネンタル』を展開する株式会社アイランドでは、販売促進策が奏功し、売上が回復しました。また、『KASHIYAMA』を展開する株式会社オンワードパーソナルスタイルでは、販売価格の見直しや事業の効率化による固定費の削減等により増収となり、収益性が改善しました。海外事業は、グローバル事業構造改革による欧州での不採算事業から撤退した影響から、減収となりました。以上の結果、アパレル関連事業は増収、大幅に黒字転換となりました。
〔ライフスタイル関連事業〕ウェルネス事業を展開するチャコット株式会社は、主力のバレエ、フィットネス用品が堅調に推移し、売上が順調に拡大しました。カタログギフト事業を展開する株式会社大和は、ブライダル関連の需要が継続して伸長しており、増収増益となりました。ペット・ホームライフ事業を展開する株式会社クリエイティブヨーコも、継続して好調に推移し、ライフスタイル関連事業の各主要会社において増収増益となりました。以上の結果、ライフスタイル関連事業は増収増益となりました。
(2)財政状態に関する説明(資産、負債、純資産の状況)当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ83億円増加し1,660億28百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が34億54百万円、商品及び製品が56億88百万円、投資有価証券が31億37百万円増加し、現金及び預金が22億7百万円、建物及び構築物が18億22百万円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べ6億19百万円増加し810億89百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が27億12百万円、電子記録債務が26億89百万円増加し、短期借入金が10億73百万円、長期借入金が27億62百万円減少したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ76億81百万円増加し849億38百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益27億23百万円、剰余金の配当16億27百万円、その他有価証券評価差額金の増加37億77百万円、為替換算調整勘定の増加28億88百万円によるものです。この結果、自己資本比率は45.0%となりました。
(3)事業上および財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動記載すべき重要な研究開発活動はありません。