【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米中間の通商問題を巡る緊張、エネルギー資源の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻、新型コロナウイルス感染症の影響及び世界的な半導体供給不足の長期化懸念等、先行きが不透明な状況で推移いたしました。
各地域別での世界経済は、世界的なインフレ及びそれに伴う各国の利上げによる景気下振れリスク、ウクライナ侵攻の影響による物流と資金の停滞等、依然として予断を許さない状況となっております。
米国ではウイルス感染症による停滞及び素材・原料の不足によるサプライチェーン混乱からの回復が経済を下支えしているものの、半導体不足による供給停滞への影響の長期化、インフレ抑制政策に伴う金利上昇と景気の足踏み予想から、自動車需要への影響が懸念されております。
中国では新型コロナウイルスに対する政策転換もあり、新エネルギー車の増産等、自動車販売の拡大が期待される一方で、中国の経済活動の停滞による景気減速リスク等、引き続き先行き不透明な状況が続いております。
アジアではエネルギー価格上昇等によるインフレ影響はあるものの、ウイルス感染症の影響減少もあり景気は堅調に推移しておりますが、今後の海外景気の減速次第では、輸出の腰折れ影響も懸念されます。
欧州ではウクライナ侵攻に伴うエネルギー供給不安による継続的なインフレと、それに伴い各国で金利が上昇している影響により、景気の足踏みが懸念されております。
日本経済におきましては、半導体をはじめとする材料・部品コストの上昇と供給不安が継続しており、自動車メーカーの生産について下振れするリスクが続くものと予測されます。
自動車業界におきましては、日本国内の自動車生産台数は前年同期比9.7%増の432万台となりました。海外では、米国の自動車生産台数は前年同期比9.5%増の518万台、中国の自動車生産台数は前年同期比5.0%減の1,357万台となりました。
このような状況のなか、当社グループでは、従業員および関係者の健康と安全を最優先事項とし、時差出勤やリモートワーク等の実施による同感染症防止策を徹底しつつ、生産性の向上や経費削減といった合理化による収益の確保に全社を挙げて努めてまいりました。
当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、主に半導体をはじめとする部材供給不足が前年より改善された影響から各国自動車メーカーの自動車生産が増加し、北米、アジア、日本、欧州、ブラジルを中心に顧客への販売が前年比で伸長し、また円安による邦貨換算額の増加影響もあり、売上高は1,429億4千5百万円(前年同期比220億7千9百万円増、18.3%増)となりました。
営業損益については、主に北米地域において部材コスト高に伴う販売価格改定効果が第3四半期以降に後ろ倒しとなったこと及び雇用コストが上昇している中での労務費削減効果が限定的だったこと、中国地域において主要顧客の生産が半導体不足や自動車市場停滞の影響で伸び悩む一方でコロナ政策緩和前のロックダウン対応等により労務費が増加したこと、また日本においては主に電力コスト・部材コストの上昇の影響等により製造コストが高止まりしたこと等の影響から利益率が悪化し、1億5千4百万円の営業損失(前年同期は4億1千6百万円の営業損失)となりました。
経常損益は、主に受取利息3億1千万円、受取配当金2億5千8百万円及び持分法による投資利益2億9百万円を収益に計上した一方で、為替差損9億8千1百万円及び支払利息1億7千9百万円を費用に計上したことにより、2億7千9百万円の経常損失(前年同期は5億3千1百万円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損益は、主に特別損失で貸倒損失1億7千6百万円、製品保証引当金繰入額7千万円及び退職特別加算金4千8百万円を計上した影響等により、9億6千万円の親会社株主に帰属する四半期純損失(前年同期は7億4千3百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ110億3千7百万円減少し、2,592億7千6百万円となりました。主として、建設仮勘定が11億3千5百万円、電子記録債権が4億4千1百万円増加した一方で、現金及び預金が25億8千2百万円、機械装置及び運搬具(純額)が21億5千5百万円、有価証券が19億6千2百万円、原材料及び貯蔵品が16億円それぞれ減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べ27億3千6百万円減少し、787億9千8百万円となりました。主として、短期借入金が16億9百万円増加した一方で、繰延税金負債が13億5千8百万円、支払手形及び買掛金が9億6千3百万円、1年内返済予定の長期借入金が8億1千9百万円及び賞与引当金が6億6百万円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ83億円減少し、1,804億7千7百万円となりました。主として、為替換算調整勘定が46億9千9百万円、非支配株主持分が17億9千2百万円及び利益剰余金が15億9千8百万円減少したことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 日本
日本におきましては、半導体不足の解消遅れによる影響はあったものの、外貨建て取引の邦貨換算額の増加影響等もあり、売上高は279億6千3百万円(前年同期比29億3千6百万円増、11.7%増)となりました。営業利益は、原価低減と生産性向上、経費削減等の合理化による収益の確保に努めたものの、部材の高騰に伴う調達コストの増加の影響等により、6億6千8百万円(前年同期比8千万円増、13.6%増)となりました。
② 北米
北米におきましては、米国を中心に前年比で生産が伸展し、また円安による邦貨換算額の増加影響もあり、売上高は477億3千1百万円(前年同期比100億9百万円増、26.5%増)となりました。営業損益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、人件費、材料コストなど生産コスト高止まりの影響により、11億4百万円の営業損失(前年同期は11億8千2百万円の営業損失)となりました。
③ 中国
中国におきましては、円安による為替影響やゼロコロナ政策の解除による経済回復の動きはあったものの、半導体供給不足及び自動車減税・補助金の廃止等による需要停滞に伴う顧客の減産影響等もあり、売上高は219億4千8百万円(前年同期比34億3千2百万円減、13.5%減)となりました。営業損益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、エネルギー価格の上昇や労務費の増加影響等により5億2千8百万円の営業損失(前年同期は7億6千万円の営業利益)となりました。
④ アジア
アジアにおきましては、半導体供給不足の解消遅れによる影響はあったものの、韓国・インドネシア・インド子会社を中心に顧客の生産台数が増加し、また円安による為替影響等もあり、売上高は398億9千4百万円(前年同期比86億7千6百万円増、27.8%増)となりました。営業利益については、売上増加に伴う操業度効果の影響もあり、韓国・インドネシア子会社を中心に伸長し、24億5千2百万円(前年同期比12億3千9百万円増、102.3%増)となりました。
⑤ 欧州
欧州におきましては、半導体供給不足やウクライナ紛争によるロシア事業への影響等はあったものの、イタリア・チェコ・ハンガリー子会社を中心に販売が堅調に推移し、また円安による邦貨換算額の増加影響もあり、売上高は133億8千6百万円(前年同期比45億1百万円増、50.7%増)となりました。営業損益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、ドイツ・ハンガリー・スペイン子会社を中心に材料コストや輸送・物流コスト等の上昇影響もあり、6億9千4百万円の営業損失(前年同期は9億1千5百万円の営業損失)となりました。
⑥ 南米
南米におきましては、新規量産立ち上げによる生産台数の増加及び円安による邦貨換算額の増加影響等により、売上高は、9億3千1百万円(前年同期比2億6千6百万円増、40.0%増)となりました。営業損益は、生産拡大に伴う操業度上昇による改善効果があったものの、外貨建て購入部材における為替影響を含む材料コストの増加等により、1億1千5百万円の営業損失(前年同期は1億2千6百万円の営業損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が21億7千1百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が12億2千2百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が16億9千万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額10億6千1百万円を調整した結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ18億2百万円減少し、372億5千3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、営業活動によるキャッシュ・フローの収入は21億7千1百万円(前第2四半期連結累計期間は38億7千3百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失5億2千6百万円に加え、減価償却費47億6千7百万円及びその他流動資産の減少額9億5千5百万円による増加、売上債権の増加額22億9千3百万円及び法人税等の支払額12億5千4百万円による減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果支出した資金は、前第2四半期連結累計期間に比べ14億4千9百万円(△54.2%)減少し、12億2千2百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入66億9千2百万円、有形固定資産の取得による支出44億3千1百万円及び定期預金の預入による支出41億4千2百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果支出した資金は、前第2四半期連結累計期間に比べ4億6千2百万円(37.7%)増加し、16億9千万円となりました。これは主に、子会社の自己株式の取得による支出17億5千8百万円、配当金の支払額6億3千8百万円等によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,952百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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