【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、ウィズコロナの新たな段階へ移行が進められる中、各種政策の効果により景気は緩やかな改善傾向で推移した一方で、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格の高騰や円安の進行等により依然として先行き不透明な状況が続いております。
国内の情報サービスとしましては、デジタル技術を活用したビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革、DX(デジタルトランスフォーメーション)への適応を背景に、業務効率化や非対面チャネル強化、データ活用を推進する企業の投資需要が活況を呈しています。
このような環境の下、当社グループは、引き続きテレワーク推進等の感染防止策を実施し、顧客企業への安定かつ継続的なサービスの提供を推進しております。DX向けソリューションである、クラウド構築、ビッグデータ分析、業務ワークフローの自動化(ServiceNow)により、顧客企業が提供する価値増強への支援を継続してまいりました。また、当連結会計年度期初より、「Creating New value for Sustainable~持続可能な新しい価値の創造~」を新たな方針に掲げ社会価値の向上にも取り組み始めており、2022年11月、サステナビリティ基本方針を策定し、当社ウェブサイトにて公表いたしました。社会的課題やニーズを捉え、これら課題解決を起点としたビジネス創出ができるアウトサイドインのビジネスアプローチを実現する企業グループを目指してまいります。
■成長戦略と施策の実践状況
当社グループは、今後の成長戦略の中核をDX変革ビジネスの拡大と位置付けており、以下の施策を掲げ推進しております。
①事業基盤の強化
前連結会計年度に続き、成長領域であるDX変革ビジネスの拡大に向け、競争力の源泉となるDX人材の増強、育成
を進めております。中途採用においては、ダイレクトリクルーティングによるスカウトを実施するとともに既存エージェントとの連携強化を図ることで、激化するIT人材獲得競争の中、複数名確保することができました。新卒採用に関してはおおよそ想定どおりの内定者数を確保できております。育成については、より現場で必要なスキルを学べる実践的なDXに関するプログラム内容に改訂し、配属後の即戦力化を進めております。これにより、注力分野であるデジタル革新推進事業、ビッグデータ分析事業及びクラウド基盤事業の体制増強に向け、引き続きDXの取り組みをリードする人材の育成を推進いたします。
お客様と協同実施していたDX人材の強化施策ワークショップ(DX時代に必要となる考え方や行動に変化させるこ
と)については、自社単独開催に切り替え、個人と組織全体のマインドそれぞれの改革を引き続き進めております。また、ビッグデータ分析事業では、上流工程であるコンサルティング領域への対応も開始いたしました。エンジニア兼コンサルタントとして、システム開発のみならずお客様のビジネスの改善提案までを手がける人材の育成を進めてまいります。
②新たな取引先拡大のための強化施策
アライアンスパートナーとともに新しい取引先や案件の拡大を推進しております。
柔軟な働き方として「ハイブリッドワーク」の導入が一定程度行われてきた中で、企業は、事業運営の高度化・
効率化、テクノロジーのさらなる活用、開発の効率化・自動化を継続して進めております。これに伴うビジネス変革の必要性に対して、当社が注力しているデジタルワークフローを提供するServiceNowを活用したソリューション需要が前連結会計年度に引き続き活況であります。また、コストメリットの観点からオープンソースソフトウエアのデータベースに特化した技術コンサルティングへの需要も高く、引き合いが増えております。さらには、データドリブン経営の重要さが増す中で、お客様の既存資産であるデータの利活用のコンサルティングを行うことでお客様のニーズに幅広く対応できる人材増強、育成を進め、受注拡大に取り組んでおります。
システム基盤事業においては、2022年10月に「U-Way Oracle Cloud Infrastructure導入・運用支援サービス」を開始しており、複数の新規顧客を獲得しております。本サービスの活用により今後、利益面において大きく寄与してくることが期待されます。
③技術サービスの拡充による市場拡大
前連結会計年度に続き、当社グループの主力ソリューション(クラウド構築、ビッグデータ分析、業務ワークフ
ローの自動化(ServiceNow)等)であるデジタル革新技術に関するノウハウを標準化・体系化し、顧客にとって分かりやすいサービスメニューの整備や方法論のフレームワーク化を推進しております。上述の新サービス「U-Way Oracle Cloud Infrastructure導入・運用支援サービス」は、まさにその取り組みの一つが実現したものであり、お客様によりわかりやすくご提案できるようになったことで、潜在顧客からの引き合いも増加しております。
2022年6月には、人材育成を提供するトレノケート株式会社と教育サービスに関わる業務提携契約を締結しまし
た。当社の強みである高度IT活用、デジタル技術に関わるノウハウとトレノケート株式会社の創業25年以上の人材
育成に関する深い知見とのコラボレーションにより、教育サービスの事業化を目指し、まずはビッグデータ分野に
おける実績を積み重ね、教育サービスメニューの拡充を図ってまいります。
■当四半期の状況
デジタル革新推進事業では、特に注力しているデジタルワークフローを提供するServiceNowを活用したソリューションの需要が引き続き活況な状況でありました。ServiceNowを活用した領域が、IT運用管理中心から人事・会計といった業務領域まで拡大していることに加え、従来よりも少ないコード作成量でアプリケーションやシステム開発できるローコード製品であるため、カスタマイズしやすく、導入のハードルが低いことも相まって好調に推移いたしました。この結果、当第2四半期連結累計期間における当事業の売上高は、前年同期比29.3%増の710,435千円となりました。
ビッグデータ分析事業では、主に既存顧客向けのコンサルティング案件が増加したことにより好調に推移いたしました。この結果、当第2四半期連結累計期間における当事業の売上高は、前年同期比27.6%増の568,827千円となりました。ビッグデータを基に、顧客の事業に変革をもたらす提案ができるコンサルティング人材の育成の取り組みについては順調に進捗しております。
システム基盤事業においては、公共・金融機関を中心に引き合いは多く、クラウド市場はいまだ案件発掘の余地はあると考えております。このような状況の中、当第2四半期連結累計期間においては、既存顧客からの新規案件等獲得したものの、顧客都合による中止や開始遅延となった案件の影響をカバーできるまでには至らず、当事業の売上高は前年同期比5.5%減の915,635千円となりました。一方で、2022年10月に開始した新サービス「U-Way Oracle Cloud Infrastructure 導入・運用支援サービス」の滑り出しは順調であり、複数の新規顧客を獲得いたしました。現在、当該サービスをベースに各種業界に特化した、より導入しやすいサービスの開発を進めており、今後の売上拡大につなげてまいります。
業務システムインテグレーション事業においては、金融業界における法規制対応の需要に支えられ、新規案件の獲得が進んだ一方、他業種における顧客側都合による内製化により案件が終了し、当第2四半期連結累計期間における当事業の売上高は、前年同期比12.3%減の650,595千円となりました。支援ニーズが引き続き堅調な金融業界関係の既存顧客に向け、積極的な新規提案による案件獲得に努め、売上拡大を図ってまいります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は2,845,493千円(前年同期比5.2%増)となりました。営業利益は、成長戦略の柱である事業基盤の強化を目的に、新卒・中途人材の採用や育成、技術資格取得等に投資したことから人件費が増加、また、組織力強化に向けた取り組み費用も発生したことから、前年同期比で原価率0.4%、販管費率1.1%増加し、268,843千円(前年同期比9.2%減)となりました。経常利益は、前年同期に計上した保険積立の一部取り崩しによる収入が剥落し、284,293千円(前年同期比17.0%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益190,113千円(前年同期比18.1%減)となりました。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は4,175,042千円となり、前連結会計年度末と比較して23,195千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が81,439千円減少した一方で、売掛金及び契約資産が79,902千円、ソフトウエア仮勘定が20,824千円増加したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は1,076,917千円となり、前連結会計年度末と比較して36,148千円の減少となりました。これは主に、買掛金が26,445千円増加した一方で、未払法人税等が26,437千円、その他に表示されている未払金が30,173千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は3,098,124千円となり、前連結会計年度末と比較して59,343千円の増加となりました。これは主に、配当により利益剰余金が130,770千円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が190,113千円増加したことによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して111,442千円減少し、2,377,815千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果による収入は69,360千円となりました。主な要因は税金等調整前四半期純利益284,293千円があった一方、売上債権の増加による減少額79,902千円、未払金の減少による減少額32,713千円、法人税等の支払額116,962千円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果による支出は49,234千円となりました。主な要因は定期預金の預入による支出30,002千円、無形固定資産の取得による支出20,874千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果による支出は131,568千円となりました。主な要因は配当金の支払額130,770千円等があったことによるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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