【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年2月28日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立により正常化が進む中、緩やかな持ち直しの動きが継続しました。一方で、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっているほか、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
また、不動産市場については、住宅取得の支援制度の充実、金融緩和政策の維持、及びテレワークの普及等により住宅取得ニーズは高いものの、足元ではやや鈍化する状況が見られました。
このような事業環境の中、当連結会計年度においては、金融機関向け新規サービスの拡充が着実に進むなか、下期以降、住宅ローン市場停滞の影響を受け、受託業務の取扱件数が期首に想定していたよりも減少いたしました。不動産事業向けサービスの主力商品である「H’OURS(アワーズ)」においても、案件獲得は着実に進み、大量業務処理を行う中、品質の維持・向上のための投資を継続しておりますが、サービス導入に関する事業者様の現場への周知に遅れが生じ、期首の受注計画を下回りました。
また、期中に連結子会社となった株式会社サムポローニアにつきましては、当社グループの持続的成長への貢献を開始しておりますが、事業開始にかかるインフラ設備等の支出が発生いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は3,710,804千円(前年同期比4.4%増)、営業利益は208,139千円(前年同期比66.1%減)、経常利益は245,392千円(前年同期比60.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は76,141千円(前年同期比81.3%減)となりました。一部の取引先に対する債権について、相手先の経営状況及び財務状況を踏まえて回収可能性を慎重に検討した結果、176,816千円を貸倒引当金繰入額として販売費及び一般管理費に計上したため、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は大きく減少いたしました。
(エスクローサービス事業)
エスクローサービス事業においては、士業専門家、金融機関、不動産事業者及び建築事業者に対し、不動産取引の安全性の向上に寄与する業務支援(事務管理・支援)システムにより、取引に関わる業務の効率化に資する各種サービスを提供しております。また、連結子会社の株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン信託における信託サービス、相続手続き代行サービスでは決済の安全性確保、財産保全等のニーズに対応しております。
当連結会計年度においては、住宅ローン市場停滞の影響等を受けたものの、2022年10月より株式会社サムポローニアが司法書士業務総合支援システムであるサムポローニアシリーズの提供を開始し、セグメント売上高の増加に貢献いたしました。
しかしながら、業務支援システムの刷新に伴う投資の増加に加えて、株式会社サムポローニアの事業開始に伴うインフラ構築等の初期投資を行ったこと、また、上述のとおり一部の取引先に対する債権について、相手先の経営状況及び財務状況を踏まえて回収可能性を慎重に検討した結果、176,816千円を貸倒引当金繰入額として販売費及び一般管理費に計上したことにより、セグメント利益は前年同期比で減少しております。
以上の結果、セグメント売上高は1,308,601千円(前年同期比27.5%増)、セグメント利益は387,881千円(前年同期比46.8%減)となりました。
(BPO事業)
BPO事業においては、金融機関における住宅ローンに係る事務受託等によりクライアントの業務課題を解決するためのサービスを提供しております。また、連結子会社の株式会社中央グループでは、建築・開発設計サービス、士業専門家への業務支援サービスや建築事業者向け各種コンサルティングサービスを提供しております。
当連結会計年度においては、金融機関向けの業務受託サービスは堅調に推移したものの、前連結会計年度に実施されていたグリーン住宅ポイント制度が終了したことにより建築事業者向けの申請支援サービスの売上及び営業利益が前年実績を下回る結果となりました。
以上の結果、セグメント売上高は1,973,911千円(前年同期比1.5%減)、セグメント利益は425,309千円(前年同期比4.6%減)となりました。
(不動産オークション事業)
不動産オークション事業においては、連結子会社の株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン信託にて、主に税理士等の士業専門家からの相談に応じ、不動産の調査から取引決済まで安全性の高い不動産取引の機会の場を提供しております。これにより売買後のトラブルや紛争を未然に回避することができるほか、取引価格については入札方式を採用することによって透明性の高い価格形成が可能となり、不動産取引の利便性、安全性の向上に寄与しております。
当連結会計年度においては、新規案件の獲得は着実に進みましたが、翌期への継続案件もあり、前年実績を下回る結果となりました。
以上の結果、セグメント売上高は428,291千円(前年同期比18.1%減)、セグメント利益は95,640千円(前年同期比29.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,520,002千円となり、前連結会計年度末と比較して146,881千円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローの収入は328,548千円(前連結会計年度は408,758千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が231,095千円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローの支出は299,036千円(前連結会計年度は185,795千円の支出)となりました。これは主に、事業譲受による支出176,979千円、無形固定資産の取得による支出87,114千円、有形固定資産の取得による支出31,223千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローの支出は176,393千円(前連結会計年度は182,660千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額173,440千円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の業務は、システム提供・業務受託・人材派遣等であり、生産活動を行っていないため、生産実績については記載しておりません。
b.受注実績
当社の業務は、システム提供・業務受託・人材派遣等であり、受注生産を行っていないため、受注実績については記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
エスクローサービス
1,308,601
27.5
BPO
1,973,911
△1.5
不動産オークション
428,291
△18.1
合計
3,710,804
4.4
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年2月28日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
住信SBIネット銀行株式会社
392,846
11.1
419,700
11.3
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,334,680千円となり、前連結会計年度末と比較して39,272千円の減少となりました。これは主に、売掛金が141,547千円、貸倒引当金が173,661千円増加したことによるものであります。固定資産は885,086千円となり、前連結会計年度末と比較して165,223千円の増加となりました。これは主に、事業譲受に伴いのれんやソフトウエア等の無形固定資産が226,379千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は4,219,766千円となり、前連結会計年度末と比較して125,951千円の増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は838,657千円となり、前連結会計年度末と比較して259,392千円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が55,976千円減少した一方、買掛金が63,543千円、事業譲受に伴いその他流動負債が216,111千円増加したこと等によるものであります。固定負債は64,394千円となり、前連結会計年度末と比較して70,867千円の減少となりました。
この結果、負債合計は903,051千円となり、前連結会計年度末と比較して188,524千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,316,715千円となり、前連結会計年度末と比較して62,573千円の減少となりました。これは主に、利益剰余金が97,544千円減少したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は78.6%(前連結会計年度末は82.5%)となりました。
b.経営成績等の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は3,710,804千円となり、前連結会計年度と比較して157,872千円の増加(前年同期比4.4%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は1,625,299千円となり、前連結会計年度と比較して44,806千円の減少(前年同期比2.7%減)となりました。これは主に、人件費の増加に伴うものです。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,417,159千円となり、前連結会計年度と比較して361,404千円の増加(前年同期比34.2%増)となりました。これは主に、人件費の増加や貸倒引当金繰入額の増加によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は208,139千円となり、前連結会計年度と比較して406,211千円の減少(前年同期比66.1%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は245,392千円となり、前連結会計年度と比較して373,833千円の減少(前年同期比60.4%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は76,141千円となり、前連結会計年度と比較して330,473千円の減少(前年同期比81.3%減)となりました。
c.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
事業セグメントごとの経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業の維持・拡大のための人財、システム及び設備投資等であります。なお、その資金については自己資金により賄うことを基本とし、金融機関からの借入は行わない方針でおります。
e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等を「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりとしています。
当連結会計年度におきましては、自己資本比率は78.6%、ROEは2.3%、売上高営業利益率は5.6%、連結配当性向は228.6%となりました。中長期的な企業価値向上のため、引き続き収益力の向上と強固な資本構成の維持に注力し、目標とした経営施策の実施に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、この結果は資産・負債、収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、一部過去の実績に基づく概算数値を用いるために、不確実性が伴っており実際の結果と異なる場合があります。
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