【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績の分析当第3四半期連結累計期間(2022年6月1日~2023年2月28日)におけるわが国では、新型コロナウイルスの感染拡大が昨年8月に第7波のピークを迎えたのち、本年1月にピークを迎えた第8波も現在は落ち着きをみせ、この3月からはマスクの着用を個人の判断に委ねる方針が発出されるなど、各国の感染対策状況を踏まえつつ社会経済活動の活性化を図る動きがみられています。他方、終息の見えないロシアによるウクライナ進攻情勢、エネルギー資源や原材料の高騰など、依然として国内経済の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループが属する医療業界におきましては、2022年4月に診療報酬改定が実施され、社会保障の枠組みとしての医療提供体制の整備が継続的に図られています。医療機器業界におきましては、同診療報酬改定による医療材料償還価格の引き下げや資源・原材料価格の高騰等の環境悪化要因が増大する中、各企業は医療機関のニーズや経営改善・業務効率向上に資する製品・サービスの提供に加え、コスト削減による医業収益向上への寄与がより一層求められております。このような状況の中、当社グループでは、コロナ禍において営業活動に一定の制約はあるものの、グループの事業会社6社それぞれが、許容される範囲で各々の営業活動を行ってまいりました。これらの結果、当社グループの中核事業である医療機器販売業において、コロナ対策補助金による医療機関の設備投資需要が前年同期よりも減少したものの、前期新型コロナの感染拡大により減少していた検査・手術件数の回復による診療材料の売上が回復・増加したことや、新型コロナ検査試薬やPPE(個人防護具)の消費が継続したこと等により、当第3四半期連結累計期間における売上高は、417億25百万円(前年同四半期比2.7%増)となりました。利益面につきましては、売上増加に伴う売上総利益の増加により、営業利益は8億95百万円(前年同四半期比5.0%増)、経常利益は9億36百万円(前年同四半期比3.2%増)となりました。なお、第2四半期連結累計期間において、取引先であるジェミック株式会社にて生じた債権の全額6億11百万円を取立不能見込額として貸倒引当金を設定し、同額を特別損失として貸倒引当金繰入額を計上いたしております。この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は1百万円(前年同四半期比99.8%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高はセグメント内の内部売上高を含んでおります。〈医療機器販売業〉医療機器販売業のうち一般機器分野では、一般医療機器備品や超音波診断装置、MRI・CT等の画像診断機器や放射線診断装置及の売上により53億89百万円(前年同四半期比14.1%減)となりました。一般消耗品分野では、汎用消耗品、感染対策消耗品及び手術関連消耗品の売上により178億27百万円(前年同四半期比3.0%増)となりました。内視鏡、サージカル、循環器等により構成される低侵襲治療分野では、電子内視鏡手術システム等の内視鏡備品や、腹腔鏡システム等のサージカル備品、血管内治療、内視鏡関連消耗品の売上により99億92百万円(前年同四半期比9.1%増)となりました。整形、理化学、眼科、皮膚・形成、透析により構成される専門分野では、PCR検査装置関連製品や眼科用検査装置などの売上により75億33百万円(前年同四半期比9.7%増)となりました。医療情報、設備、医療環境等により構成される情報・サービス分野では、8億69百万円(前年同四半期比0.9%減)となりました。この結果、医療機器販売業の売上高は416億13百万円(前年同四半期比2.8%増)、セグメント利益は15億74百万円(前年同四半期比4.5%増)となりました。
〈医療機器製造・販売業〉医療機器製造・販売業におきましては、主としてグループ開発製品である整形外科用インプラントを製造・販売しており、売上高は2億11百万円(前年同四半期比1.1%減)、セグメント利益は10百万円(前年同四半期比12.2%減)となりました。
〈医療モール事業〉医療モール事業におきましては、主として賃料収入により売上高は50百万円(前年同四半期比2.4%減)、セグメント利益は0百万円(前年同四半期はセグメント損失7百万円)となりました。
② 財政状態の分析 (資産の部)当第3四半期連結会計期間末の総資産は224億95百万円となり、前連結会計年度末に比べて15億90百万円減少いたしました。流動資産は、主に現金及び預金の減少、受取手形、売掛金及び契約資産の減少により、前連結会計年度末に比べて13億18百万円減少し、174億75百万円となりました。固定資産は、減価償却による有形固定資産の減少および投資有価証券の減少等により、前連結会計年度末に比べて2億72百万円減少し、50億20百万円となりました。
(負債及び純資産の部)当第3四半期連結会計期間末の負債は、電子記録債務の減少等により、前連結会計年度末に比べて13億1百万円減少し、147億80百万円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末に比べて2億89百万円減少し、77億15百万円となり、自己資本比率は34.2%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
#C9265JP #ヤマシタヘルスケアHD #卸売業セクター