【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(令和4年10月1日~令和5年6月30日)におきましては、ウィズコロナの下で、わが国の景気は緩やかに持ち直してまいりました。但し、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。情報通信業界におきましては、企業のソフトウエア投資は緩やかに増加しており、情報サービス業及びインターネット附随サービス業の売上高についても前年同四半期(令和3年10月1日~令和4年6月30日)と比べ増加傾向となっております。また、1世帯当たりのインターネットを利用した支出についても増加となりました。このような中、生成AIを始めとするAI(人工知能)技術の高度化・実用化の進展等、情報通信に関する市場環境の変化は更に加速してまいりました。また、交通サービスの領域におきましても、「MaaS(Mobility as a Service)」(モビリティのサービス化)の流れが進展してまいりました。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を契機とした移動や外出についての質的・量的変化は、「MaaS」の展開にも大きな影響を与えております。当社グループにおきましても、この市場環境の変化に対応した事業展開のための基盤整備に取り組んでおり、「乗換案内」の各種インターネットサービスは多くの方々に広くご利用いただくに至っております。現状においては新型コロナウイルス感染症の影響等を受けておりますが、人々の移動需要の持ち直しを含め足下の回復傾向は続いており、今後の更なる回復にも期待を持てる状況となっております。このような環境の中で、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は2,317,065千円(前年同四半期比17.3%増)、営業利益は12,798千円(前年同四半期は60,537千円の損失)、経常利益は43,252千円(前年同四半期比62.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は178,141千円(前年同四半期は41,308千円の利益)という経営成績となりました。売上高につきましては、ソフトウエア事業セグメントの売上高がやや減少したものの、乗換案内事業セグメント及びハードウエア事業セグメントの売上高が大きく増加したこと等により、全体として前年同四半期と比べ大きく増加いたしました。また、売上高が増加した影響等により、営業利益につきましても前年同四半期には損失が発生していたものが当第3四半期連結累計期間には利益の計上に至りました。経常利益につきましては、為替差益の減少の影響が大きく、前年同四半期と比べ減少いたしました。親会社株主に帰属する四半期純損益につきましては、固定資産売却益の発生があったものの、減損損失の発生の影響が大きく、当第3四半期連結累計期間においては損失が発生いたしました。
セグメント別の経営成績の状況は、次のとおりです。
乗換案内事業乗換案内事業では、モバイル向け有料サービス等の売上高が前年同四半期と比べ減少したものの、法人向けの事業の売上高が大きく増加し、広告等の売上高もやや増加したこと等により、セグメント全体の売上高も大きく増加いたしました。また、これに伴い、セグメント全体の利益も大きく増加し、前年同四半期と比べほぼ倍増となりました。それらの結果、売上高1,880,071千円(前年同四半期比14.5%増)、セグメント利益252,461千円(前年同四半期比97.4%増)となりました。
マルチメディア事業マルチメディア事業では、出版関連事業における売上高が前年同四半期と比べ減少したこと等により、セグメント全体の売上高は減少いたしました。一方で、費用削減に努めており、損益面では前年同四半期並みとなりました。それらの結果、売上高6,251千円(前年同四半期比47.8%減)、セグメント損失10,360千円(前年同四半期は10,650千円の損失)となりました。
ソフトウエア事業ソフトウエア事業では、前年同四半期において新規案件の受注・納品が順調に推移したことの反動等もあり、セグメント全体の売上高は減少いたしました。また、これに伴い、セグメント全体の利益も減少いたしました。それらの結果、売上高309,976千円(前年同四半期比10.8%減)、セグメント利益35,294千円(前年同四半期比45.4%減)となりました。
ハードウエア事業ハードウエア事業では、第1四半期連結会計期間末から株式会社エアーズを連結の範囲に含めた影響等により、セグメント全体の売上高は前年同四半期と比べ大きく増加いたしました。一方で、費用も大きく増加したため、損失が拡大いたしました。それらの結果、売上高193,168千円(前年同四半期比349.1%増)、セグメント損失44,971千円(前年同四半期は24,336千円の損失)となりました。
その他その他セグメントでは、売上高は前年同四半期と比べ減少いたしました。これに伴い、損益面でも損失が発生いたしました。それらの結果、売上高7,558千円(前年同四半期比36.2%減)、セグメント損失2,659千円(前年同四半期は694千円の利益)となりました。
なお、上記のセグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高を相殺しておりません。また、セグメント利益又は損失は、四半期連結損益計算書における営業損益をベースとしておりますが、各セグメントに配分していない全社費用及びセグメント間の内部取引費用の控除前の数値であり、合計は連結営業損益と一致しておりません。前年同四半期まで「その他」に含まれていた「ソフトウエア事業」及び「ハードウエア事業」について、重要性が増したため、報告セグメントとして記載する方法に変更しております。
(2) 財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末(令和4年9月末)と比較しますと、資産は112,575千円減の5,709,466千円、負債は160,261千円増の1,012,882千円、純資産は272,837千円減の4,696,583千円となりました。
資産資産は、流動資産につきましては、369,320千円減の4,087,065千円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が96,519千円増の669,751千円となった一方で、現金及び預金が441,600千円減の3,204,556千円、貸倒引当金が33,336千円増の51,084千円となったこと等によるものです。受取手形、売掛金及び契約資産並びに貸倒引当金の増加は、株式会社エアーズの株式を取得し新たに連結子会社としたため、同社の受取手形、売掛金及び契約資産並びに貸倒引当金が新たに計上されたこと等によるものです。現金及び預金の減少は、有形固定資産の取得及び子会社株式の取得等によるものです。固定資産につきましては、256,745千円増の1,622,400千円となりました。これは、有形固定資産が238,840千円増の769,470千円、無形固定資産が11,367千円減の121,259千円、投資その他の資産が29,271千円増の731,670千円となったことによるものです。有形固定資産は、事務所用の不動産を取得したこと等により、大きく増加いたしました。無形固定資産は、取得に伴う増加の一方で償却等による減少も進み、全体としては大きな金額の変動はありませんでした。投資その他の資産は、その他に含まれる長期前払費用の増加等により、やや増加いたしました。
負債負債は、流動負債につきましては、143,673千円増の973,847千円となりました。これは、その他が31,318千円減の49,448千円となった一方で、支払手形及び買掛金が60,690千円増の225,243千円、契約負債が101,539千円増の525,416千円となったこと等によるものです。その他の減少は、未払金の減少等によるものです。支払手形及び買掛金の増加は、売上原価の増加等によるものです。契約負債の増加は、株式会社エアーズの契約負債が新たに計上されたこと等によるものです。固定負債につきましては、16,588千円増の39,035千円となりました。
純資産純資産は、株主資本につきましては、266,651千円減の4,587,155千円となりました。これは、資本剰余金が57,905千円減の454,515千円、利益剰余金が208,745千円減の3,976,799千円となったことによるものです。資本剰余金の減少は、子会社株式の追加取得によるものです。利益剰余金の減少は、親会社株主に帰属する四半期純損失の発生並びに剰余金の配当によるものです。その他の包括利益累計額につきましては、1,577千円増の80,549千円となりました。非支配株主持分につきましては、7,763千円減の28,877千円となりました。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は70,806千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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