【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年10月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類に移行されるなど行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み商流は回復傾向となりました。一方、ロシア・ウクライナ情勢等によるエネルギー価格上昇に伴う原材料価格への影響や為替の円安傾向、人手不足による人件費の高騰から企業経営を取り巻く環境は引き続き厳しく、世界的な金融引き締めの継続に伴い海外では金融機関が破綻するなど世界景気の下振れがわが国経済へ与える影響も懸念される中で、先行きは不透明な状況で推移しております。
当連結会計年度は、ここ数年推進してきました一連の施策(販売先と商品アイテム数の選択と集中、「粧美堂(SHOBIDO)」の真のメーカー化、ニッチカテゴリーにおけるシェアNo.1商品の開発ならびにシェア獲得施策)を継続して推進しております。また、SNSなどの普及によりメーカーと個人(消費者)が直接コミュニケーションを取ることが一般化してきていることを踏まえて、従来から進めております自社メディア育成をより強化しています。当第3四半期連結累計期間の売上高は、当社商品のメインユーザーである若年層の女性の外出機会が正常化に向かったことや戦略的に進めてきた重点販売先に対する営業強化が引き続き奏功し、対前年同期比18.9%増の14,894,154千円となり売上総利益額は3,994,654千円と対前年同期比8.0%増となりました。同利益率は、円安の影響により海外生産の自社企画商品の売上原価が上昇したことを受けて一部の商品は価格の引き上げを行いましたが、表面的な利益率は低いものの受注生産のため返品がなく安定的かつ効率的に利益が残せるOEM商品の売上が大幅に伸びたことなどを主因に26.8%と対前年同期比2.7ポイント低下しました。販売費及び一般管理費は、売上高が大幅に伸びたことに伴い販売促進費、物流費などが増加した結果、対前年同期比7.5%増の3,192,328千円となったものの、売上高の増加によりコストアップ要因を跳ね返し営業利益は対前年同期比10.3%増の802,325千円となりました。経常利益は為替差益が増加したことなどにより、対前年同期比19.2%増の877,006千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は548,614千円(対前年同期比2.6%減)となりました。なお、第1四半期に締結した為替デリバティブ取引が当第3四半期に満期を迎えたことにより、営業外費用に計上していた時価評価に伴う評価損を戻し入れております。当第3四半期連結累計期間は前年比で大幅に円安が進行し売上原価が高騰する中で、ここ数年継続して行ってきた選択と集中(取扱い商品数と販売先)、仕入れ商品から自社企画商品への切替、固定費圧縮、組織の大幅刷新による意思決定の迅速化、人事報酬制度の見直しを中心とした経営基盤の強化により営業利益、経常利益ともに増益を確保することができました。
当社グループの事業セグメントは、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、単一の事業セグメントでありますが、取扱い商品を区分した売上高の概況は次のとおりであります。
①化粧品・化粧雑貨当分類には、メイク関連用品、ヘアケア関連用品、トラベル用品、バス・エステ・健康関連グッズ等の売上が含まれます。当第3四半期連結累計期間の売上高は、当社商品のメインユーザーである若年層の外出機会が増加したことや重点販売先への営業強化の成果が実り、化粧品・化粧雑貨全般が前期に引き続き好調に推移しました。注力カテゴリーであるネイルケア・ネイルアート・前髪関連商材を中心としたヘアケア、ヘアアクセサリー、マーケティング戦略が奏功した二重まぶた用化粧品、キッズコスメなどが順調に推移し10,098,168千円(対前年同期比18.3%増)と大幅増収となりました。
②コンタクトレンズ関連当分類には、コンタクトレンズ、コンタクトレンズケア用品の売上が含まれます。当第3四半期連結累計期間の売上高は、国内市場では増収を確保したものの中国市場でのロックダウンの影響や現地メーカーとの競争激化により1,811,132千円(対前年同期比2.8%減)となりました。
③服飾雑貨当分類には、バッグ、ポーチ・ケース、サイフ類、その他服飾小物の売上が含まれます。当第3四半期連結累計期間の売上高は、重点販売先に対するキャラクターをあしらった小物類の売上などが好調に推移し2,040,654千円(対前年同期比54.5%増)と増収となりました。
④その他当分類には、生活雑貨、文具、行楽用品、ギフト商品等の売上が含まれます。当第3四半期連結累計期間の売上高は、消費者の消費生活の正常化などから、944,198千円(対前年同期比17.5%増)と増収となりました。
(2)財政状態の状況①資産当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて537,666千円増加し、15,295,617千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて611,494千円増加し、12,095,154千円となりました。これは主に、商品及び製品が572,989千円、その他が690,966千円増加したことに対し、現金及び預金が410,338千円、受取手形及び売掛金が164,355千円、為替予約が120,242千円減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて73,828千円減少し、3,200,462千円となりました。これは主に、有形固定資産のその他が72,945千円減少したこと等によるものであります。
②負債当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて231,547千円増加し、9,009,359千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて511,215千円増加し、5,541,950千円となりました。これは主に、短期借入金が800,000千円増加したことに対し、1年内返済予定の長期借入金が98,000千円、その他が127,150千円減少したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて279,667千円減少し、3,467,408千円となりました。これは主に、長期借入金が275,500千円減少したこと等によるものであります。 ③純資産当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて306,119千円増加し、6,286,257千円となりました。これは主に、利益剰余金が416,516千円増加したことに対し、繰延ヘッジ損益が97,379千円減少したこと等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動記載すべき重要な事項はありません。
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