【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大懸念が継続する一方で、行動制限の緩和や経済活動の正常化など収束に向かう動きが見られるようになりました。また、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、金利・為替相場の変動や物価上昇が進行するなど、景気の先行きは未だ不透明な状況が継続しております。
当社グループは、「創造革命で世界中の人々を幸せに」という企業理念の下、「“FanTech”分野で新たなマーケットを創造し、世の中に価値を提供する」ことをビジョンに掲げ、世界中で利用されるプラットフォームを目指して、FanTech領域におけるプラットフォーム事業を中心に事業を展開しております。
現在、当社グループでは、ファンのためのワンストップ・ソリューションプラットフォーム「BitfanPro」及びオープンモデル(CtoC型)であるオールインワン型ファンプラットフォーム「Bitfan」を中核とし、連結子会社における旅行・ツアー事業及びスポーツマーケティング事業等を展開しております。
「Bitfan Pro」及び「Bitfan」では、ストック収益であるファンクラブ(以下、「FC」という。)サービスの会費に係る手数料及びフロー収益であるクリエイターグッズ等のECサービスに係る販売手数料を売上高に計上しております。
FCサービスを取り巻く環境については、スマートフォン及び高速通信の普及が進み、第5世代移動通信システム「5G」の整備が進むなど、モバイル端末機器によるインターネットの利用環境が一層整備され、今後も安定的な成長が見込まれております。また、2006年以降、ライブ・コンサート市場規模は拡大傾向にあり(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)、会員向けに先行チケット販売サービスを提供するFCサービスに対する需要は高まっております。一方で、COVID-19の感染拡大に伴い、ライブ・イベントの多くは入場者数の制限等を余儀なくされ、チケット先行予約も減少するなどの影響を受けましたが、足元ではイベントの入場制限撤廃や声出しの解禁など、経済活動の正常化に向かう動きが見られるようになりました。
ECサービスを取り巻く環境については、インターネットの普及及び通信の高速化を背景に、EC市場も引き続き成長しております(出所:経済産業省「令和元年度電子商取引に関する市場調査」)。2020年のEC関連市場規模推計は、全体で20.0兆円であり、2026年度の市場規模は29.4兆円に拡大することが見込まれております(出所:野村総合研究所)。コロナ禍により急速に景況感が悪化した2020年以降においても、全世界的なオンラインシフトの加速によりEC市場全体では堅調な成長が見られるなど、そのサービスの重要性はより高まっていると考えられます。
このような外部環境を背景とし、当社グループでは、「Bitfan Pro」及び「Bitfan」を中心に、メジャーなアーティストのみならず、今後芽を出すと見込まれる新人のアーティストまで幅広く取り扱い、FCの有料会員の獲得を図ってきた他、漫画・アニメ・ゲーム等の領域やそれらを原作とする2.5次元ミュージカル、バーチャルYouTuber
(VTuber)、スポーツチーム及び格闘家等の新たなジャンルに係るFCを他社に先駆けて立ち上げ、競合他社との差別化を図って参りました。さらに、オープンモデル(CtoC型)のオールイン型ファンプラットフォーム「Bitfan」の開発に注力し、2020年の全面リニューアル以降、FC、EC、電子チケット等の基本的な機能に加え、ライブ配信やグループチャット等のコミュニケーション機能も強化し、より魅力的なサービスを提供するためのプラットフォームの開発を進めております。また、事業拡大及び社内管理体制強化のため、有能な人材の採用を積極的に行って参りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ430,713千円増加し、4,100,129千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ364,040千円増加し、2,871,623千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ66,672千円増加し、1,228,505千円となりました。
なお、財政状態の詳細は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,454,493千円(前連結会計年度比4.5%増)、営業利益225,295千円(同132.2%増)、経常利益236,227千円(同149.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益54,597千円(同55.2%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、遡及適用後の数値で前年同期との比較分析を行っております。
また、当社グループは、報告セグメントを従来「プラットフォーム事業」及び「O2O事業」の2区分としておりましたが、当連結会計年度より「プラットフォーム事業」の単一セグメントに変更しております。これにより、セグメントごとの経営成績については記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ653,349千円増加し、2,401,671千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、889,955千円(前連結会計年度は182,638千円の使用)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、83,083千円(前連結会計年度は393,272千円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、153,522千円(前連結会計年度は101,491千円の使用)となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況の詳細は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービスの種類別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称
当連結会計年度
(自 2022年2月1日
至 2023年1月31日)
金額(千円)
前年同期比(%)
プラットフォーム事業
FCサービス
1,406,346
113.1
ECサービス
761,978
89.9
その他
286,168
110.9
合計
2,454,493
104.5
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は4,100,129千円となり、前連結会計年度末に比べ430,713千円増加しました。
流動資産については、現金及び預金の増加653,349千円、前払費用(主にプロダクション等へ支払う前払ロイヤリティ)の増加32,011千円等により、流動資産は前連結会計年度末に比べ597,215千円増加の3,720,579千円となりました。
固定資産については、有形固定資産が12,646千円、無形固定資産が129,861千円、投資その他の資産が237,041千円となり、前連結会計年度末に比べ166,502千円減少の379,550千円となりました。これは主に、長期前払費用の減少29,871千円、営業権の償却、長期未収入金への振替及び貸倒引当金の計上による減少154,166千円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は2,871,623千円となり、前連結会計年度末に比べ364,040千円増加しました。
流動負債については、預り金の増加667,554千円、契約負債の増加713,551千円、買掛金の減少352,406千円、1年内返済予定の長期借入金の減少63,393千円、前受収益の減少553,858千円等により、前連結会計年度末に比べ446,079千円増加し、2,776,511千円となりました。
固定負債については、長期借入金の減少90,828千円等により、前連結会計年度末に比べ82,039千円減少し、95,112千円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は1,228,505千円となり、前連結会計年度末に比べ66,672千円増加しました。これは主に、譲渡制限付株式報酬としての新株の発行及びストック・オプションの行使による新株の発行による資本金並びに資本剰余金の増加9,900千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加54,597千円等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、ECサービスのグッズ販売減少の一方で、FCサービスの有料会員数増加等の影響により、前連結会計年度に比べ4.5%増加の2,454,493千円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、主にECサービスの売上減少に伴う倉庫物流費用の減少により、前連結会計年度に比べ6.4%減少の783,073千円となりました。
販売費及び一般管理費は、従業員数の増加及び昇給による人件費の増加に加え、売上高の増加に伴う決済代行会社向け回収手数料の増加等の影響により、前連結会計年度に比べ2.2%増加の1,446,125千円となりました。
(営業利益)
営業利益は、上記のとおり売上高が増加した一方、売上原価が減少した影響により、前連結会計年度に比べ132.2%増加の225,295千円となりました。
(経常利益)
経常利益は、持分法による投資利益12,816千円、連結子会社の清算に係る債務免除益7,645千円等を含む営業外収益22,975千円を計上した一方で、営業外費用として貸倒引当金繰入額7,132千円等を含む営業外費用12,043千円を計上した結果、前連結会計年度に比べ149.8%増加の236,227千円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、特別利益として貸倒引当金戻入額27,635千円、持分変動利益10,714千円及び投資有価証券売却益8,578千円を計上し、特別損失として貸倒引当金繰入額118,101千円、投資有価証券評価損44,033千円及び臨時損失7,877千円を計上した結果、前連結会計年度に比べ53.5%増加の113,143千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税33,433千円、法人税等調整額22,755千円及び非支配株主に帰属する当期純利益2,356千円を計上した結果、前連結会計年度に比べ55.2%減少の54,597千円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因として、提供するサービスコンテンツの品質が挙げられます。一般に広く受け入れられるような価値のあるコンテンツを多く提供することで、FCサービスの有料会員数の増加やECサービスのグッズ販売の増加につながり、当社グループの経営成績にプラスの影響を与えますが、一方でそのような優良なコンテンツや高品質なコンテンツを提供できない場合、当社グループの経営成績にマイナスの影響を与えることとなります(詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」ご参照。)。
この点、音楽領域を中心としたミュージシャン等のクリエイターのみならず、アニメ、2.5次元ミュージカル、俳優、声優、タレント、舞台、漫画家、作家、スポーツ選手、プロスポーツチーム、YouTuber、TikToker、キャラクター等の多種多様かつ高品質なコンテンツを広く世の中に提供することで、リスクの低減及びサービス・ポートフォリオの最適化を行って参ります。
また、クリエイターグッズ等のECサービスについては、委託先企業による商品の保管・配送費用の急激な値上げ等が行われる外部リスクが存在することから、契約条件の見直しやコスト削減に加えて段階的な送料の値上げを実施するなど、取引先及びサービスを利用するユーザーの理解を得ながら着実にリスクの低減を図って参ります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、FCサービスに係るストック収入の源泉である「有料会員数(継続課金ユーザー数)」を、最重要経営指標として位置付けております。
直近の連結会計年度の末日における有料会員数の推移は以下のとおりです。
指標
2021年1月31日
2022年1月31日
(対前期末比)
2023年1月31日
(対前期末比)
有料会員数
87.1万
100.6万(15.5%増)
105.0万(4.3%増)
上記の有料会員数に係る具体的な数値目標等は設定しておりませんが、コロナ禍においても当該指標は堅調に増加しており、引き続き有料会員数の増加及び収益性の向上を実現するための経営施策を積極的に行う方針であります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、報告セグメントを従来「プラットフォーム事業」及び「O2O事業」の2区分としておりましたが、当連結会計年度より「プラットフォーム事業」の単一セグメントに変更しております。これにより、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況については記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、889,955千円(前連結会計年度は182,638千円を使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益113,143千円、減価償却費69,759千円、貸倒引当金の増加額135,085千円、投資有価証券評価損44,033千円、仕入債務の増加額156,557千円、預り金の増加額158,523千円、契約負債の増加額108,388千円等の増加要因があった一方で、前払費用の増加額30,335千円等の減少要因があったことによるものであります。
当該営業活動によるキャッシュ・フローについては、主にECサービスに係る預り金を契約先であるライツホルダー(芸能プロダクションやクリエイター等)に対して支払うタイミングによる資金の増減が影響しており、翌連結会計年度において当該預り金を多く支払うことで現金及び預金が減少し、営業活動によるキャッシュ・フローが短期的にマイナスになる可能性はありますが、継続的かつ安定的に親会社株主に帰属する当期純利益を計上している限り、中長期的な営業活動によるキャッシュ・フローはプラスになると考えております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、83,083千円(前連結会計年度は393,272千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出24,934千円、投資有価証券の取得による支出49,999千円、敷金及び保証金の差入による支出13,806千円等の減少要因があったことによるものであります。
当該投資活動によるキャッシュ・フローについては、主に事業投資目的のソフトウエア(無形固定資産)の取得に加え、事業上のシナジー創出を目的とした株式会社Voicyの株式取得による影響が大きいものの、期初に策定した通期投資予算の範囲内において必要な投資を実行した結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、153,522千円(前連結会計年度は101,491千円の使用)となりました。これは、株式の発行による収入700千円の増加要因があった一方で、借入金の返済による支出154,222千円の減少要因があったことによるものであります。
当該財務活動によるキャッシュ・フローについては、将来の不確実性に備えるため、2021年1月期において実行した複数の金融機関からの借入金の返済による影響が大きく、今後新たな借入れを行えば財務活動による資金は増加する一方で、借入れを返済額が上回れば財務活動による資金は減少する見込みです。
以上の結果、当連結会計年度における営業活動により獲得した資金は889,955千円となり、投資活動により使用した資金83,083千円を加味したフリー・キャッシュ・フローは806,871千円のプラスとなりました。当社グループでは毎月開催される取締役会において、運転資本調整後の現金及び現金同等物の残高推移をモニタリングしており、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を注視しつつ、企業グループの成長のために必要な資金の調達及び投資を随時実行していく方針であります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、「Bitfan Pro」及び「Bitfan」のプラットフォーム開発に係る社内エンジニアを中心とした人件費、中長期的な成長のための事業投資・資本業務提携に係る出資や株式取得等を行うための投資資金、本社費等の一般管理費等であります。
当社グループの主たる事業であるプラットフォーム事業は、各サービスのユーザーより決済代行会社を通じて利用料や販売代金を受領し、それを後日ライツホルダーに分配するという代金の前受けを主体としたビジネスモデルであります。これを資金繰りの観点から考察すると、仕入等が販売よりも先に発生する他の業種と比較して一定の優位性が認められ、かつ、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,401,671千円であり、当社グループの事業規模に照らして十分な資金を保有しているため、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はないと考えております。
また、資金が不足する場合には主に金融機関からの借入れにより必要な資金を確保する方針であり、2020年2月において、金融機関4社から合計1,100,000千円の借入を実行するとともに、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行との間で合計700,000千円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております(借入実行残高なし、借入未実行残高700,000千円)。
今後も、資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常時モニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めて参ります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。また、これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、当該連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しており、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症に関する一定の仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
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