【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動に回復の兆しが見られました。一方、ウクライナ問題に端を発したエネルギーや原材料価格の高騰等によるインフレ加速に対応し、各国では金融引き締めに転じたことから、世界経済の減速感が強まりました。このため、日本の輸出製造業を中心とした国内生産も伸び悩みが見られ景気の先行きは依然として不透明感が続いています。このような状況のもと、当社グループの売上高及び受注の状況は、第2四半期には試作金型を中心に一旦回復傾向を見せたものの当第3四半期に入り、急激に受注環境が悪化し、原材料価格値上がり等によるコスト増加の価格転嫁が順調に進捗しておらず、引続き厳しい状況が続いております。当社の主要顧客であるコンシューマエレクトロニクス分野の受注の低下が大きい一方で新規開拓分野の受注増加が未だ限定的であることや、世界的な資源・部材不足やサプライチェーンの混乱等により、生産活動が計画通り進まない状況や、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、新規開発試作品製造・金型製造及び量産品製造の受注・生産の状況は大変厳しい結果となりました。ロボット・装置関連製品については、サポート・サービスロボット分野などのスタートアップ企業への出資なども含めた包括事業化支援を掲げた取組みにより、受託開発や受託製造の引き合いは拡大傾向にあります。同分野を中心としたスタートアップ企業への包括事業支援を掲げて、特に販売・量産フェイズの支援に注力しております。当第3四半期においては、世界的な電子部品・電池などの部材調達が難航していること、株式市場の不安定な状況によるスタートアップ分野への資金流入が直近で若干停滞していること等を背景に、各社開発・製品化への取組み速度は鈍化傾向であるものの、包括事業化支援の取組みは一定の成果を見ており、ロボット・装置関連製品の売上高は、堅調に推移しました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,657百万円(前年同四半期比2.8%減)となり、利益面につきましては、売上総利益は384百万円(前年同四半期比9.7%減)、営業損失612百万円(前年同四半期は営業損失547百万円)となりました。以下、受取配当金、助成金収入等の営業外収益119百万円(同14.9%増)を加算し、持分法による投資損失、投資事業組合運用損、支払利息等の営業外費用274百万円(同27.0%減)を減じた結果として、経常損失は767百万円(前年同四半期は経常損失818百万円)となりました。さらに、特別利益として投資有価証券売却益、持分変動利益等52百万円を計上、一方で特別損失として段階取得に係る差損及び投資有価証券評価損等により34百万円を計上しました。これに税金費用を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は810百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失615百万円)となりました。
(財政状態)当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、9,447百万円となり、前連結会計年度末比326百万円の減少(前連結会計年度末比3.3%減)となりました。うち、流動資産は、3,657百万円となり、前連結会計年度末比111百万円の増加(同3.2%増)となりました。これは、売掛金が166百万円及び契約資産が62百万円増加したことが主因となっております。固定資産は、5,789百万円となり、前連結会計年度末比438百万円の減少(同7.0%減)となりました。これは、投資有価証券419百万円の減少(同10.0%減)によるものです。負債合計は、4,475百万円となり、前連結会計年度末比572百万円の増加(前連結会計年度末比14.7%増)となりました。うち、流動負債は、2,661百万円となり、前連結会計年度末比506百万円の増加(同23.5%増)となりました。これは、短期借入金が476百万円増加(同40.8%増)したことが主因となっております。固定負債は、1,814百万円となり、前連結会計年度末比66百万円の増加(同3.8%増)となりました。これは、長期借入金が31百万円増加(同12.2%増)したことが主因となっております。純資産は、4,971百万円となり、前連結会計年度末比899百万円の減少(同15.3%減)となりました。これは、利益剰余金が931百万円減少(同40.3%減)及びその他包括利益累計額が166百万円減少(同13.2%減)したことが主因となっております。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題については重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は312百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。