【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(1)財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績当事業年度(2022年2月1日~2023年1月31日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染者の減少とワクチン接種の普及に伴う経済活動の正常化、ロシア・ウクライナ戦争の戦況膠着、米国FRB、欧州ECBはじめ各国中央銀行の利上げ等により、ここ数年の金融緩和に支えられた景況から一転して、世界的なインフレと金融引き締めに伴う景気後退リスクが懸念されています。国内では、日銀の大規模緩和政策の継続による金利差拡大等に伴い急激な円安が生じ、金融当局による為替介入や、米国のインフレ鎮静化の観測等により一旦は下落に向かいましたが、電力料金や食料品をはじめ広汎な物価上昇が起きています。経済活動の正常化と入国規制の緩和、全国旅行支援等により、インバウンド消費を含む国内消費が活性化する期待はあるものの、景気の先行きに対する不透明感は払拭されていません。また、コロナ関連融資の返済開始や、政府・自治体の助成金/補助金打ち切り検討に伴う、企業の倒産数、廃業数の増加も懸念されます。特に、中長期的観点で見ますと、日本の総人口、労働力人口はともに減少が続いており、コロナ禍を経て少子高齢化に益々拍車がかかり、流通業のみならず全ての業界で人手不足が深刻化し、省人・省力化と生産性の向上が重要な課題となっています。
このような事業環境のもと、「流通変革のためのインフラを創る」ことを使命とする当社は、コロナ禍により停滞する流通の突破口となるべく、2022年2月に国内初となる業務用フリーマーケット「ラプター」を開設しました。農産物等での日本独自の複雑な流通慣行を排して、生産者・メーカー等が業務用商品を直接、需要家に販売する仕組みです。また、買い手企業側の様々なニーズにも応えるべく、大口の出品に特化した「ネット大卸オークション」を、2022年4月に開設し、買い手の商品リクエストに対して売り手が入札する「仕入れたい」入札システムを、2022年7月に開設しました。その他にも、サイト利用者のUX/UIの質を高める取り組みを行っております。サイト運営用サーバーのクラウド化を2022年4月に実施し、各サイトの安定性が増すとともに、柔軟・迅速な拡張性を確保しました。また、主力サイト「Mマート」のUX改善を行い、2022年10月よりリリースしました。売り手企業が複数のサイトで多数の受注がある場合は、煩雑な手続きを手作業で行う必要がありましたが、その大部分を自動化して出荷までの手数を大幅に削減いたしました。さらに、複数サイトをまとめて一括して登録と管理が可能となるように改修を行い、2023年1月よりリリースしています。今後も引き続き、「Mマート」のUX/UIの改善を図っていくとともに、「Bnet」等他のサイトのUX/UIの見直しも進めてまいります。
以上のような取り組みの結果、当社が運営するサイトの買い手会員数は、当事業年度末現在で200,709社(前期末比13,664社増(7.3%増))と、毎月1千社を超えるペースで増加し、20万社を超えました。売り手企業側も、出店型サイト(「Mマート」「Bnet」「C-joy」)の出店社数が前期末比2.6%増加し、出品型サイト(「卸・即売」「ソクハン」)の出品社数も同5.1%増加しました。これに伴い、当社サイトにおける当事業年度の総流通高は、主に「Mマート」の伸びが寄与した結果、9,562百万円となりました(前年比2,198百万円増(29.9%増))。取引内容を見ても、1件当たりの取引額が継続的に増加しており、為替動向を受けて海外バイヤーによる当社サイトの利用も増えています。また、当社各サイトで利用可能な決済手段「Mコイン」を2016年より提供していますが、少額の手数料負担で利便性が高い点が認知されて利用高が増加しており、2022年10月には月間利用高1.5億円と、過去最高を記録しました。
以上のような出店社数・出品社数の増加、総流通高の増加等に伴い、出店料(固定額)収入、マーケット/システム利用料(取引高比例)収入等による営業収益(売上高)は、986,055千円(前期比9.2%増)となりました。営業費用(販売費及び一般管理費)において、出店・出品の訴求等を目的とする広告宣伝費の増加や、サーバーのクラウド化に関する一時的な費用の発生はありましたが、営業利益は349,938千円(前期比29.6%増)、経常利益350,138千円(同29.3%増)、当期純利益235,019千円(同28.7%増)と、各利益ともに増益となりました。利益率も、営業利益率35.5%(前期比5.6ポイント改善)、経常利益率35.5%(同5.5ポイント改善)、当期純利益率23.8%(同3.6ポイント改善)といずれも改善しております。なお、当社はeマーケットプレイス事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの業績の記載は省略しております。
② 財政状態当事業年度末における総資産は1,901,574千円となりました(前事業年度末比282,822千円増加)。順調な事業成長に伴い、流動資産において営業未収入金をはじめとする営業債権と現金及び預金が増加したことが主な要因です。固定資産では、サイト運営用サーバのクラウド化に関するシステム投資によって、ソフトウェアが増加しております。
負債合計は606,866千円となりました(同96,707千円増加)。主に営業未払金やMコインに関する預り金等の営業負債が増加しました。 純資産合計は1,294,708千円となりました(同186,115千円増加)。利益剰余金の増加(当期純利益計上による増加235,019千円、株主配当による減少48,904千円)によるものです。以上の結果、当事業年度末の総資産に対する純資産比率は、68.1%となりました。
キャッシュ・フローの状況 当事業年度末の現金及び現金同等物は1,374,682千円と、前事業年度末に比べ198,500千円増加しました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりです。 営業活動により得られた資金は285,339千円となりました。主な内容は、税引前当期純利益350,138千円、預り金48,499千円の増加、法人税等の支払106,143千円です。投資活動に使用した資金は38,032千円となりました。主な内容は、定期預金の預入30,003千円、無形固定資産の取得による支出7,380千円です。 財務活動に使用した資金は、配当金の支払による支出48,806千円であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績当社は生産活動を行っていないため、該当事項ありません。
(2) 受注状況生産実績と同様の理由により、受注状況の記載をしておりません。
(3) 販売実績当事業年度における販売実績は、次のとおりです。
サービスの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
eマーケットプレイス事業
986,055
9.2
合計
986,055
9.2
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。財務諸表を作成するにあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りが必要であり、経営者は見積りに際しては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しているものの、見積り特有の不確実性によって、実際の結果が見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
(2) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当事業年度の経営成績に関する詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ①経営成績」に記載のとおりです。当事業年度は、前年対比で増収・増益を達成するとともに、計画対比では営業収益(売上高)が96.9%と未達となりましたが、営業利益は102.4%、経常利益102.4%、当期純利益100.4%と、各利益ともに計画を達成しました。これは、コロナ禍等を背景に卸取引のリアルからネットへの移行が進むという「追い風」を受けながら、新市場を次々と立ち上げて顧客ニーズを深掘りし、また、販売サイトのUI/UX改善や運営用サーバのクラウド化等のDXを一段と進め、さらには営業部員を再教育して出店社(売り手)の販売支援を強化するデータ・ドリブン経営を推進したことによるものです。なお、今後の持続的な成長のため、新サイト構築を担うシステム開発要員や、新規出店社獲得と効果的な販売アドバイスのための営業要員など、優秀な人材を今後とも積極的に採用する方針です。
(3) 財政状態の分析 当事業年度末の財政状態については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ②財政状態」に記載しております。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性当社の運転資金・設備資金は、主に自己資金により充当しております。当事業年度末の現金及び現金同等物は1,374,682千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。また、現時点において重要な資本的支出の予定はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場の成長速度、他社との競争力、技術革新への対応度合い、人材の確保や育成度合い、システム障害や自然災害・各種感染症、内部統制等の様々なリスク要因が存在し、当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、優秀な人材の採用と教育育成、新規サイトの開拓、魅力あるサービスの開発、海外への展開、セキュリティ対策等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分析し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処することが必要であると認識しております。当社としましては、戦略面及び組織面の課題を整理しながら、各課題に対して適切かつ効果的な対応を行ってまいります。
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