【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績の状況当連結会計年度(2022年2月1日から2023年1月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大は継続しているものの、ウィズコロナのもと行動制限の緩和などにより経済・社会活動の正常化が進み、さらに10月からは政府による観光支援策の効果もあり、個人消費の持ち直しをはじめ景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、ウクライナ情勢の長期化をはじめ、原材料・エネルギー価格の高騰や円安の進行など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような状況のなか、当社グループは第8次中期経営計画(3ヵ年計画)「SHIFT UP 2023」(2022年1月期(2021年度)~2024年1月期(2023年度))の2年目として、新たな環境に適合し、成長し続ける筋肉質な企業グループへの変革を図るべく、5つの重点施策に沿った取り組みを引き続き推進いたしました。以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は2,155億72百万円(前期比14.3%増)と増収となりました。増収による売上総利益額の増加に加え、コスト・コントロールの継続による損益分岐点の引き下げの効果により、営業利益は36億49百万円(前期は4億46百万円の営業損失)と3期ぶりに黒字転換し、経常利益は38億77百万円(前期は1億78百万円の経常利益)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社である㈱トーホーストアの株式譲渡損失や、海外子会社ののれんの減損損失などの特別損失を31億90百万円計上したことで、10億6百万円(前期比200.0%増)となりました。
セグメント別の概況につきましては、次のとおりであります。
[売上高の内訳]
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2022年2月1日至 2023年1月31日)
前連結会計年度(自 2021年2月1日至 2022年1月31日)
増減
ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門
148,283
123,475
+24,808
キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門
38,644
35,870
+2,773
食品スーパー事業部門
16,145
17,568
△1,422
フードソリューション事業部門
12,499
11,653
+845
合計
215,572
188,567
+27,005
※キャッシュアンドキャリー事業部門においては当連結会計年度の収益認識会計基準等適用の影響を除くと以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2022年2月1日至 2023年1月31日)
前連結会計年度(自 2021年2月1日至 2022年1月31日)
増減
キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門
39,142
35,870
+3,272
[営業利益又は営業損失(△)の内訳]
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2022年2月1日至 2023年1月31日)
前連結会計年度(自 2021年2月1日至 2022年1月31日)
増減
ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門
2,809
△1,011
+3,820
キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門
953
551
+401
食品スーパー事業部門
△728
△384
△343
フードソリューション事業部門
615
397
+217
合計
3,649
△446
+4,096
<ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門>新型コロナウイルス感染症拡大に伴う全国的なまん延防止等重点措置が3月に解除されて以降、飲食店や観光地への人流が回復するなど、個人消費の持ち直しの動きが継続したことに加え、10月から始まった政府による観光支援策の効果や外国人観光客の受け入れ再開などもあり、外食事業者を主な販売先とする当事業部門の販売も堅調に推移いたしました。このような状況のなか、各地で開業したホテルや商業施設のほか、チェーン店などの新規顧客の獲得を継続的に強化いたしました。また、㈱トーホーフードサービスでは、コロナ禍でも需要が安定しているケアフードや中食業態にも注力し、順調に成果に結びついております。加えて、同社では全国規模で開催する業界最大級の総合展示商談会を3年ぶりにリアル開催し、当期は全国6会場で活発な商談を行うとともに、グループ各社でも展示商談会を各地で再開し、積極的な商品提案を実施いたしました。また、2015年に独自開発したweb受発注システム「TOP(toho Order Pro)」では、顧客が拠点在庫を直接閲覧してオーダーできる機能を新たに搭載し、新規受注の拡大に寄与いたしました。海外事業については、進出している3ヵ国(シンガポール・マレーシア・香港)でもウィズコロナの生活が定着していくなかで、日本国内と同様に外食産業への販売が堅調に推移し、増収となりました。以上の結果、当事業部門の売上高は、既存顧客の売上回復に加えて新規顧客の獲得が奏功し1,482億83百万円(前期比20.1%増)、営業利益は増収による売上総利益額の増加、コスト・コントロールの効果により、28億9百万円(前期は10億11百万円の営業損失)と3期ぶりに黒字転換いたしました。
<キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門>当事業部門においても行動制限の解除以降は主要顧客である中小飲食店へ徐々に人流が回復し、㈱トーホーキャッシュアンドキャリーが運営するプロの食材の店「A-プライス」などの店舗販売が堅調に推移いたしました。ウィズコロナにおける飲食店の課題解決に貢献すべく、人気企画の「北海道フェア」をはじめ全店統一フェアを実施するとともに、プライベートブランド商品や産直食材、専門食材、調理機器など飲食店のメニュー開発に役立つ商品の提案を強化いたしました。さらに、約2年半ぶりとなるリアル展示商談会を全国8会場で開催し、4,000名を超える飲食店顧客にご来場いただきました。また、前年に開設した「A-プライスオンラインショップ」は、9月にサイトを一部リニューアルするとともに、送料の見直しも実施し、顧客の利便性向上を図りました。事業基盤の強化については、フランチャイズ1号店となる名古屋店(名古屋市中区)を5月に開店し、4店舗(7月:宇部店(山口県宇部市)、9月:唐津店(佐賀県唐津市)、11月:浦添店(沖縄県浦添市)、こまつや卸団地店(静岡県駿東郡))を改装いたしました。以上の結果、当事業部門の売上高は前期および当期に実施した閉店の影響があったものの、中小飲食店への販売を強化したことで386億44百万円(前期比7.7%増)、営業利益は増収による売上総利益額の増加、販促方法の見直しなどによるコスト・コントロールの結果、9億53百万円(同72.9%増)となりました。
<食品スーパー事業部門>㈱トーホーストアでは、相次ぐ食料品価格の値上げによるお客様の節約意識の高まりや業界や地域の垣根を越えた競争激化が継続する状況のなか、コンセプトである「健康で安心な地域の冷蔵庫」「あなたの街の食品スーパー」「毎日のおかずを提供する店」の実践に向けた取り組みを継続いたしました。売上対策として客数増加を目的に全店舗で欠品対策を徹底するとともに、新たなサービスとして、9月からはQR・バーコード決済の全店導入、10月からはポイントサービスの交換比率の改善を行い、お客様の利便性向上を図りました。以上の結果、当事業部門の売上高は徐々に回復基調で推移したものの、競争激化の継続に加えて前期に2店舗を閉店した影響もあり、161億45百万円(前期比8.1%減)、営業損失は相次ぐ食品価格の値上げをカバーできず、7億28百万円(前期は3億84百万円の営業損失)となりました。
<フードソリューション事業部門>当事業部門では、食品の品質管理、業務支援システム、業務用調理機器、店舗内装設計・施工などの「外食ビジネスをトータルにサポートする」機能について引き続き提案を強化し、グループシナジーの最大化を図りました。特に今期は需要が急回復する一方で人手不足が深刻な課題となっている外食産業に向けて、業務用調理機器を取り扱う㈱エフ・エム・アイでは、省力化が図れる機器の提案を強化するとともに、外食産業向け業務支援システムを提供する㈱アスピットでは、「AI顔認証タイムレコーダー」や「電子請求書システム」などの新たなサービスを実装し、飲食店のデジタル化の推進に注力いたしました。加えて、両社ともグループ内の展示商談会に積極的に出展するなど、グループシナジーを発揮した外食事業者の課題解決に繋がる提案を強化いたしました。
以上の結果、外食産業への業務用調理機器やシステム販売が回復したこともあり、当事業部門の売上高は124億99百万円(前期比7.3%増)、営業利益は6億15百万円(同54.7%増)となりました。
(2) 財政状態の状況(総資産)当期末の総資産は前期末に比べ46億49百万円増加し、873億52百万円となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加31億85百万円(前期は受取手形及び売掛金)、棚卸資産の増加17億46百万円、繰延税金資産の増加16億8百万円に対し、のれんの減少14億31百万円などによるものであります。(負債)当期末の負債は前期末に比べ21億35百万円増加し、645億99百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加27億44百万円、事業整理損失引当金の増加15億43百万円、未払金などを含むその他の流動負債の増加9億58百万円に対し、長期借入金の減少33億51百万円などによるものであります。なお、借入金の総額は268億27百万円(前期末307億28百万円)となりました。(純資産)当期末の純資産は前期末に比べ25億14百万円増加し、227億52百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加10億6百万円、為替換算調整勘定の増加12億28百万円によるものであります。自己資本比率については当期末25.7%と前連結会計年度末の24.1%に比べ1.6ポイント上昇いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(金額表示:百万円未満切捨て)
当期
前期
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
4,110
3,547
562
投資活動によるキャッシュ・フロー
△931
2,078
△3,010
財務活動によるキャッシュ・フロー
△4,477
△4,003
△473
現金及び現金同等物期末残高
7,511
8,596
△1,084
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、41億10百万円の収入(前期35億47百万円の収入)となりました。主な収入は税金等調整前当期純利益による増加7億2百万円(前期11億47百万円)、減価償却費20億60百万円(前期21億97百万円)、のれん償却費8億86百万円(前期8億60百万円)、仕入債務の増加26億65百万円(前期26億61百万円の増加)、その他債務の増加5億85百万円(前期7億67百万円の減少)などに対し、主な支出は売上債権の増加29億86百万円(前期3億75百万円の増加)、棚卸資産の増加16億58百万円(前期5億8百万円の増加)、法人税等の支払額10億41百万円(前期は5億56百万円)などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、9億31百万円の支出(前期20億78百万円の収入)となりました。これは主に、キャッシュアンドキャリー事業の店舗の改装、食品スーパー事業の店舗の改装など固定資産の取得による支出11億8百万円(前期10億15百万円の支出)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、44億77百万円の支出(前期40億3百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入82億円(前期96億50百万円の収入)に対し、長期借入金の返済による支出126億円(前期125億53百万円の支出)などによるものであります。以上の結果、当期末の連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、10億84百万円減少し、75億11百万円となりました。
(4) 仕入及び販売の実績
① 仕入の実績仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年2月1日
至 2023年1月31日)
前期比(%)
ディストリビューター事業(百万円)
141,361
118.3
キャッシュアンドキャリー事業(百万円)
9,361
104.2
食品スーパー事業(百万円)
11,405
93.5
フードソリューション事業(百万円)
3,504
105.7
合計(百万円)
165,633
115.0
(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
② 販売の実績販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年2月1日
至 2023年1月31日)
前期比(%)
ディストリビューター事業(百万円)
148,283
120.1
キャッシュアンドキャリー事業(百万円)
38,644
107.7
食品スーパー事業(百万円)
16,145
91.9
フードソリューション事業(百万円)
12,499
107.3
合計(百万円)
215,572
114.3
(注) セグメント内及びセグメント間の取引については相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に投資の減損、資産除去債務、繰延税金資産の回収可能性、貸倒引当金、退職給付債務及び退職給付費用であり、継続的な評価を行っております。これらの見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による会計上の見積りについては、「第5経理の状況1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態の分析当連結会計年度は、売上高の増加により受取手形、売掛金及び契約資産、棚卸資産などの流動資産と支払手形及び買掛金などの流動負債が増加しました。一方、借入金を圧縮したことにより、固定負債は減少しました。また親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによる純資産の増加で、自己資本比率は25.7%に上昇し、ネットDEレシオについても0.88まで低下するなど財政状態の改善が進みました。個別の財政状態の分析については、「1 経営成績等の状況の概要(2) 財政状態の状況」をご参照ください。
② 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は2,155億72百万円(前期比14.3%増)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大は継続しているものの、ウィズコロナのもと行動制限の緩和などにより経済・社会活動の正常化が進み、当社グループの主要顧客である外食産業へ人流が戻ったことで、ディストリビューター事業の売上が大きく伸長し、全体の増収要因となりました。(売上総利益)当連結会計年度の売上総利益は431億50百万円(前期比16.3%増)となりました。増収による売上総利益の増加とともに、ディストリビューター事業の売上総利益率の改善などにより全体の売上総利益率が前期から0.35%上昇したことも寄与いたしました。(営業利益)当連結会計年度の営業利益は36億49百万円(前期は4億46百万円の営業損失)となりました。増収に伴う売上総利益額の増加に加え、引き続きコスト・コントロールを継続したことにより販管費比率が減少したことで、3期ぶりに黒字転換し、さらに創業来の最高益を計上いたしました。(経常利益)当連結会計年度の経常利益は38億77百万円(前期は1億78百万円の経常利益)となりました。営業利益の増加に伴い、経常利益も創業来の最高益となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10億6百万円(前期比200.0%増)となりました。食品スーパー事業の譲渡損失に対する引当金の計上や子会社ののれんの減損損失などにより、特別損失を計上したものの、黒字を確保いたしました。
③ キャッシュ・フローの分析当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益の計上に加えて減価償却費などにより、営業キャッシュ・フローは41億10百万円のプラスとなりました。投資キャッシュ・フローは、設備投資の実行に伴い9億31百万円のマイナスとなりました。財務キャッシュ・フローは、コロナ禍で増加した長期借入金の返済を進めたことなどにより44億77百万円のマイナスとなり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は75億11百万円となりました。個別のキャッシュ・フローの分析については、「1 経営成績等の状況の概要(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性a.資金需要当社グループの資金需要の主なものは、成長戦略に基づく設備投資やM&A投資などの長期資金需要と商品仕入などの運転資金需要であります。当連結会計年度では店舗の新規出店・改装等10億51百万円の設備投資を実施しております。設備投資については連結会社各社が個別に策定したものについて当社がその投資判断について調整を行っております。b.財務政策当社グループは事業活動のための流動性の維持と、適切な財務バランスの実現を方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、主に内部留保や金融機関からの長期借入金により、運転資金需要には主に短期借入金により調達しております。なお、短期流動性を補完する目的でコミットメントライン契約を締結しております。当連結会計年度につきましては、財務バランスの改善のために長期借入金の圧縮を進めた結果、借入金残高は268億27百万円(前期比39億円減)となっております。また、グループ内資金の効率化を目的に、当社と主要な子会社での資金一元管理を行っております。
⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、事業の成長を示す「売上高」と収益力を示す「営業利益」、最終的に事業のリスクを負担する株主から預かっている資金に対し、そのリスクに見合う利回りが確保されているかという観点から「ROE」を中長期的な指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高は2,155億72百万円(前期比14.3%増)、営業利益が36億49百万円(前期は営業損失が4億46百万円)となり親会社株主に帰属する当期純利益10億6百万円(前期比200.0%増)となったためROEは4.8%に改善しましたが、引続きこれらの指標の継続的な改善に向け、取組んでまいります。
