【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化するなか、消費活動に緩やかな回復の兆しがみられましたが、新たな変異株による感染が再拡大するなど依然として先行きは不透明な状況となっておりますまた、ロシア・ウクライナ問題の長期化や急激な円安の進行、エネルギー価格等の高騰によるインフレ圧力の高まりもあり、今後の景気停滞が懸念されております。なお、当社が取り扱う商品の生産地である中国では、一部の都市でロックダウンを余儀なくされ、協力工場の操業停止により生産、物流へ大きな影響を及ぼしました。婦人靴業界におきましては、生活様式の変化や物価高騰を背景にした個人の消費スタイルが、より慎重なものに変化するなど、婦人靴の市場規模は縮小傾向にあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。このような状況の中、当連結会計年度につきましては、事業再生のための基盤を整えたうえで、事業モデルの変革に向けた取り組みを強化しました。これらの結果、売上高1,393百万円(前年同期比11.1%減)、営業損失634百万円(前年同期は795百万円の営業損失)、経常損失671百万円(前年同期は782百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失697百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失861百万円)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は191百万円増加し、営業損失、経常損失はそれぞれ2百万円増加しております。
当連結会計年度におけるセグメントの経営成績は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度より、多角化戦略として推進する婦人靴以外の事業について、新たなセグメント「その他」として開示しております。また、セグメントの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。
(小売事業)小売事業におきましては、天王寺MIO店をリニューアルオープンしました。一方、イオンモール名取店、シャミネ松江店、その他14店舗を閉店いたしました。これにより当連結会計年度の末日である1月31日現在における直営店舗数は5店舗(前年同期は22店舗、当連結会計年度から、その他事業のKuromon Sustainable Square、BRAND HUNTERを小売事業における直営店舗数に含めておりません)となりました。いずれの店舗においても、対前年同月比での売上は概ね改善が続くものの、コロナ前の水準とはいまだ大きな差があり、来期はさらなる閉店を予定しています。不採算店舗の整理による経費項目の削減効果がある一方で、閉店に伴う一時的な費用の増加等も影響し、小売事業における売上高は693百万円(前年同期比26.9%減)、営業損失は116百万円(前年同期は営業損失269百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は106百万円、営業損失は0百万円減少しております。
(EC事業)EC事業におきましては、継続してSNSを経由した顧客コミュニケーションの強化や販促、サイトへの流入を促す広告の強化、自社サイトでは新規会員の獲得とその維持のための施策(メールマガジンやLINEの配信、ネイルサロン「FASTNAIL」のクーポン紹介など)を積極的に行いました。自社サイトでは靴の選び方や収納のガイドなど商品以外のコンテンツも充実させるとともに、コスメブランド「JB beauty」を2023年2月から販売しております。靴デザインやパーツなどを好きな組み合わせで作れるカスタムオーダーシューズの販売は引き続き好調に推移しています。その結果、EC事業における売上高は603百万円(前年同期比43.8%増)、営業利益72百万円(前年同期比35.5%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は84百万円増加し、営業利益は2百万円減少しております。
(卸売事業)卸売事業におきましては、前連結会計年度から事業規模を縮小させる方針で取り組み、当連結会計年度では、取引を厳選しながら提案型の営業に注力しましたが、当連結会計年度末をもって同事業から撤退しました。その結果、売上高は88百万円(前年同期比56.0%減)、営業利益は5百万円(前年同期比76.1%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
(その他)その他の事業におきましては、上野アートビレッジにおける美術品の販売や女性日本画家の個展を開催しました。美術品は、作品の一部をNFT化して販売するなど事業拡大に向けた取り組みを行いました。Kuromon Sustainable SquareにおけるSDGs関連商品の販売では、ECサイトを新規開設するなど取り組みを強化したほか、インバウンド顧客向け販売を強化するため、専門業者との連携を進め、12月には本社に「BRAND HUNTER上野店」がオープンしました。またゲーム事業においては、靴をテーマにしたタイムマネージメント型のゲームのリリースに向けて開発を進めており、当初の見込みよりやや遅れているものの、リリース前の最終段階が近づいています。ただ、いずれの事業においても、まだ費用が先行する状態であり、売上高は8百万円、営業損失は8百万円となりました。なお、当連結会計年度から開示している事業区分のため前年同期比は記載しておらず、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりであります。(流動資産)当連結会計年度における流動資産の残高は、552百万円(前連結会計年度は820百万円)となり、268百万円減少しました。主な理由は、現金及び預金の減少(476百万円から312百万円へ164百万円減)、未収消費税等の減少(70百万円から23百万円へ47百万円減)及び受取手形及び売掛金の減少(137百万円から96百万円へ40百万円減)であります。
(固定資産)当連結会計年度における固定資産の残高は、94百万円(前連結会計年度は128百万円)となり、33百万円減少しました。主な理由は、差入保証金の減少(118百万円から69百万円へ49百万円減)に対して、無形固定資産の取得による増加(14百万円増)であります。
(流動負債)当連結会計年度における流動負債の残高は、266百万円(前連結会計年度は314百万円)となり、47百万円減少しました。主な理由は、支払手形及び買掛金の減少(47百万円から29百万円へ17百万円減)、未払金の減少(111百万円から96百万円へ14百万円減)及び電子記録債務の減少(16百万円から2百万円へ14百万円減)であります。
(固定負債)当連結会計年度における固定負債の残高は、263百万円(前連結会計年度は312百万円)となり、48百万円減少しました。主な理由は、長期借入金の減少(247百万円から214百万円へ33百万円減)、退職給付に係る負債の減少(54百万円から48百万円へ6百万円減)であります。
(純資産)当連結会計年度における純資産の残高は、116百万円(前連結会計年度は322百万円)となり、205百万円減少しました。主な理由は、新株予約権の行使による株式の発行に伴い資本金、資本準備金がそれぞれ245百万円増加及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上697百万円であります。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて164百万円減少し、302百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、使用した資金は606百万円(前年同期は886百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失687百万円、仕入債務の減少額32百万円及び未払金の減少額15百万円に対し、未収消費税等の減少額47百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は8百万円(前年同期は31百万円の支出)となりました。これは主に、差入保証金の差入による支出50百万円、無形固定資産の取得による支出15百万円及び有形固定資産の取得による支出12百万円に対し、差入保証金の回収による収入80百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、獲得した資金は448百万円(前年同期は513百万円の収入)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入489百万円に対し、長期借入金の返済による支出33百万円及びリース債務の返済による支出9百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(仕入実績)当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。なお、仕入実績はセグメントごとに把握することが困難であるため、取扱品目の合計額を記載しております。
品目別
当連結会計年度(自 2022年2月1日至 2023年1月31日)
仕入高(千円)
前年同期比(%)
婦人靴
606,161
△21.8
その他
5,261
△68.0
合計
611,422
△22.7
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。2.当連結会計年度における婦人靴の仕入実績の著しい変動は、事業規模の縮小によるものであります。
(販売実績)当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年2月1日至 2023年1月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
婦人靴
卸売事業
88,045
△56.0
小売事業
693,219
△26.9
EC事業
603,313
43.8
報告セグメント計
1,384,578
△11.7
その他
8,945
―
合計
1,393,523
△11.1
(注) 1.金額は、販売価格によっております。2.当連結会計年度における婦人靴の販売実績の著しい変動は、事業規模の縮小によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
イ 売上高当連結会計年度の売上高は1,393百万円(前年同期比11.1%減)となりました。セグメントごとに見ると、卸売事業で88百万円(前年同期比56.0%減)、小売事業で693百万円(前年同期比26.9%減)、EC事業で603百万円(前年同期比43.8%増)となりました。卸売事業では、事業規模を縮小させる方針で取り組み、また、小売事業では事業の採算性の向上及び効率化と、コロナ禍による人流動態の変化に対応するため不採算店舗の撤退を行い売上が低下しました。
ロ 売上総利益当連結会計年度の売上総利益は、収益認識会計基準等の適用により、委託販売については、卸価格による売上計上から小売価格による売上計上とし、委託先に対する手数料を販売費及び一般管理費に計上する方法に変更したこと、粗利率の高い小売事業及びEC事業の売上高の割合が大きくなったことで、前連結会計年度より22百万円増加の834百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
ハ 販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より137百万円減少し、1,469百万円(前年同期比8.6%減)となりました。減少の主な要因は店舗の退店等により固定費が減少したこと等によります。
ニ 営業利益営業利益は、前連結会計年度より160百万円増加し、△634百万円(前年同期は△795百万円の営業損失)となりました。前述の売上総利益の増加と販売費及び一般管理費の減少によるものであります。
ホ 経常利益経常利益は、前連結会計年度より110百万円増加し、△671百万円(前年同期は△782百万円の経常損失)となりました。増加の主な要因は、退店違約金は増加したものの、新株予約権発行費の減少及び前述の営業利益の増加によるものであります。
へ 特別損失特別損失は、前連結会計年度より44百万円減少し、15百万円(前年同期比74.7%減)となりました。減少の主な要因は、前連結会計年度に特別退職金13百万円を計上したものの、当連結会計年度は計上していないこと、また、減損損失が13百万円減少及び臨時休業による損失が10百万円減少したことによるものであります。
ト 親会社株主に帰属する当期純利益以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より164百万円増加し、△697百万円(前年同期は△861百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(財政状態)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ301百万円減少し、647百万円となりました。当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ95百万円減少し、530百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ205百万円減少し、116百万円となりました。主な増減内容については、『(1)経営成績等の状況の概要』に記載のとおりであります。以上の結果、財務指標としては自己資本比率が前連結会計年度の33.5%から16.4%に下がっております。
(経営戦略の現状と見通し)経営戦略の現状と見通しについては、『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』にて報告しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に新規事業に係るものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、これまで金融機関からの長期借入を基本として行っておりましたが、2022年1月までの返済猶予をいただいていた経緯に鑑みると、金融機関からの借入を完済したものの、長期借入は現実的な選択肢ではなく、従って、当社グループは直接金融による資金調達方法を検討し、第三者割当による新株予約権発行が最も現実的であり最適であるとの判断から新株予約権の発行、行使による機動的で柔軟な資金調達を実行しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は252百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は302百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
